
まだまだ肌寒い日が続く三月、皆様いかがお過ごしでしょうか?
スタッフNです。
宝塚市にお住まいのお客様より、三田青磁の豆皿をお譲りいただきました。
淡く優しい色合いと釉薬のぷっくりとした質感に手仕事ならではの温もりや個性が感じられます。
翡翠色の食器は和洋中どのスタイルとも相性がよくテーブルセッティングを考えるのが楽しくなりますね。
日本では平安時代に青磁の文化が認識されるようになりましたが、中国や韓国から輸入した青磁の質が高く好んで使われていたため、日本で初めて青磁が焼かれたのは江戸時代後期と言われています。
三田青磁は中国龍泉青磁、韓国高麗青磁と並び「世界三大青磁」の一つとして高く評価されていましたが、昭和初期に製造が途絶えたため「幻の青磁」と呼ばれているそうです。

文様は陽刻と呼ばれる型押し技法で成形されています。
青磁の中に白く浮かび上がった牡丹がとても可愛らしいですね。
一般的なやきものは釉薬を一度かけて仕上げますが、三田青磁は何度も重ねて焼成する技法を用いており、独特な濃淡による自然な奥行きが感じられます。
また、職人によって釉薬の配合が異なり一つとして同じ色が出せないのも三田青磁の個性的な点といえます。

陶磁器の個性として釉薬の剝落の跡も見どころの一つで、釉薬と胎土の収縮率が違うため起こる釉ハゲを「虫喰い」と呼ぶそうです。
ただの傷や粗悪品と見做すのではなく、個性や特徴として愛でて楽しむ独特の感性に「蓼食う虫も好き好き」のことわざが浮かびました。
ひとつひとつ異なる色や文様の味わいを鑑賞し、違いを楽しむことができるのは三田青磁の最大の魅力ですね。
この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠に有難うございました。
産地:兵庫県三田市三輪町
品名:三田青磁陽刻牡丹文豆皿
参考サイト↓
三田青磁
前回のブログ↓
「鹿に寿老人 のったり香炉」出張買取実例










































兵庫県宝塚市のお客様より、幕末の女流歌人であり、陶芸家で尼僧でもあった大田垣蓮月の茶碗をお譲りいただきました。
轆轤は使わず、手びねりで成形したうつわに自詠の和歌を釘彫した蓮月焼と呼ばれる陶芸作品です。
手に持った瞬間になんとも言えない素朴さ、そして優美で繊細な感性が手に伝わります。
歌人であった蓮月ですが、生きるために始めた陶芸が次第に文人墨客を中心に人気を博するようになります。
加えて当時流行していた煎茶趣味とも重なり、急須や碗などが飛ぶように売れたそうです。
本作に彫られている和歌は蓮月の代表作と言われる一首です。
夜の山桜のような淡い色味がとても綺麗です。
白い化粧釉は月にかかる靄を表しているかのようです。
和歌と器が見事に調和した一品かと思います。
しかし、残念ながら大きな割れがありました。
お世辞にも綺麗な接着とは言えませんが、たとえそうであっても「形を留めておきたい」と自力で接着をされたのだと思います。
今、金継ぎの練習をしているので上手くできるようになったら自分で修復したいと思います。
この度は大切なお品ものをお譲りくださり、誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
















