今日の一品 須田剋太作『天平美人』

2021.05.19 Category :

大阪府豊中市にお住まいのお客様より、そのお姿を見ると、ほっこりと優しい気持ちになれるお品ものをお譲りしていただきました。

しずくの中から現れたのは仏様のような慈悲深い表情で合掌されたお姿の天平美人です。

作者は画家として著名な須田剋太氏。

埼玉県出身ですが、兵庫県西宮市に移住し制作を行っていたということもあり大阪にも縁のある画家です。

ORIGENでは過去に須田剋太氏の絵画や書の取扱い実績はありますが、陶芸作品は今回が初めてとなります。

大胆で勢いよく描く独特な画風で知られますが、陶芸でもそれは変わりません。

釉薬をまるで絵具のように。

灰釉の澄んだ美しい淡青色がしずくの形と共鳴しています。

また造形は一見すると素朴で単純に見えますが、計算され尽くされており、対象を大胆に簡素化しながらもその特徴を見事に捉えています。

角をとった直線的な陶板に貼り付けられたしずくの形やへらで描いた線のバランスが見事です。

もっとも今回の題である天平美人が実際にどんな姿だったのかはわかりませんが、美しい装束に身を包み、微笑んでいるふくよかで瑞々しい姿が想像されます。

1972年に本人の手によって制作されたお品もので、陶板の裏面には成型時についた指の指紋跡がしっかりと残っています。

こういった痕跡があると作陶している当時の息吹が感じられ、想像が膨らみます。

写真には写していませんが裏にサイン・タイトル・制作年月日の墨書きがあります。

彫銘は”剋”の一字。

今回初めて須田剋太の陶芸作品を手にしましたが、対象の姿を捉える感覚とそれを形にする造形力には改めて驚きました。

本人にとってはキャンバスであろうと陶板であろうと何も変わりはしなかったのかも知れません。

以上、簡単ではありますが須田剋太の陶芸作品『天平美人』のご紹介でした。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは須田剋太の絵画・陶芸作品を探しております。

古美術品などの骨董品を中心に絵画や陶芸作品まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

喫茶美術館
http://www.waneibunkasha.com/
大阪府東大阪市小阪にある喫茶店です。
須田剋太・島岡達三の作品が常設で展示されており、店内の家具は全て松本民芸家具で揃えられています。
コーヒーを飲みながらゆっくり作品を鑑賞できます。
私も友人の薦めで一度行きました。是非。

※緊急事態宣言により6/2まで休業されております。(5/19現在)
営業日や時間など、サイトをご確認ください。

須田剋太(すだこくた)
画家。1906年(明治39年)埼玉県出身、本名勝三郎。
中学卒業後に画学校で学び、以降は独学。
1936年の初入選から新文展では特選を3度受賞、1954〜1966年の間には国際展に多く発表。
この間に東大寺に寄寓するなどし、仏像や堂塔をモチーフにする。
『正法眼蔵』(道元)や、縄文土器・土偶などにも興味を抱いていた。
1971年からは『街道をゆく』(司馬遼太郎)の挿絵を描いて講談社出版文化賞を受賞。
日本橋三越や阪急などでの個展も続け、各地の文化賞も受賞するなど、晩年も活躍した。
生前に手元の全作品を大阪府、埼玉県立美術館、飯田市美術博物館(長野県)に寄贈。
1990年84歳で死去。



Reviving the roots of 1900

2021.05.10 Category :


謹啓 薫風のみぎり 皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます

平素は格別のご厚情を賜り御礼申し上げます

さて この度弊社は 組織を株式会社に改め
令和三年五月十日付けで
株式会社IWAGONを設立する運びとなりました

これもひとえに皆様方のひとかたならぬご懇情の賜物と衷心より感謝申し上げます

これを機により一層 精進し皆様のご期待にお応えして参りたいと存じます

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます

なお 法人組織名は株式会社IWAGONとなりますが買取り・売却代行事業の屋号は変わることなくORIGENとしてこれまで通り営業を続けてまいります

何卒よろしくお願い申し上げます

謹白

令和三年五月十日

株式会社IWAGON 代表取締役 下山律

 

 

 

さてここからは社名のIWAGONに関して少しお話しさせていただきます

漢字では「岩権」と書き「イワゴン」と読みます

あまり聞いたことのない 不思議な響きがある名前かと思います

この名前は私の祖先である権右衛門と岩吉兄弟が博多で『岩権 骨董舗』を始めたことに由来します

写真は屋台で有名な中洲の清流公園内にある1900年に建造された博多町家寄進高灯籠です

灯籠には当時の豪商の屋号を刻んだ石板が嵌め込まれています

はっきりとした起源は不明ですが
幕末から商いをはじめ 昭和三十年代に曽祖父が暖簾を下すまで存在しておりました

時は経ち
過去の家業のことは全く知らず この業界に飛び込んだ時に母よりはじめて 岩権のことや灯籠の存在を聞きました

はじめて灯籠を見た時にはその立派な姿にも驚きましたが 正面の真ん中に配置された石板を見た時の驚きは今も忘れられません

よく見ていただくと権と岩の字の間に不思議な記号が見えると思います

今見ればもしかすると家紋なのかと想像できるのですが 当時はこの記号が過去と現在を繋ぐ現在地を示す記号に見え 少し大袈裟かもしれませんが この業界にいること そして この灯籠の前に私が立っていることを運命のように感じ不思議な気持ちになりました

その時にいつか曽祖父の代でその歴史に一度 幕を下ろした屋号を復活させることを心に決めました

IWAGONの下に記したReviving the roots of 1900という言葉にはその決意の意味を込めています

少し長くなってしまいましたが 法人名のルーツとシンボルマークに込められた言葉に対する思いを書かせていただきました

この屋号に恥じない会社になることはもちろんのことですが その先に思い描いているものがあります
いつか実現し 皆様にお披露目できる日に向かって頑張ってまいります

まずは日々ご依頼くださるお客様おひとりおひとりからのご相談に親身に取り組むことを心がけ 縁と繋がりを大切にする企業を目指します

最後となりましたが ORIGENに続き 今回も素晴らしいシンボルマークを作っていただきましたセッテンデザイン株式会社の平山氏にこの場をお借りしてお礼申し上げます



五月のもの 『大楠公 三ッ鍬形 御兜』平安友真作

2021.05.01 Category :


今日から五月。上半期も残すところあと一ヶ月となりました。

昨年と同様に今年も予想のできない状況が続き、あっという間に時間が過ぎていったような感覚です。

特に小さなお子様のおられる家庭ではただでさえ、慌ただしい日常に加え

コロナウイルスの影響による急激な生活様式の変化で端午の節句の準備どころではない状態なのではないでしょうか。

今年は節句の飾り物を諦めた人は少なくないのかもしれません。

もしそういう方がこの記事を見ていただいているのならば、このBlogのTOP写真をプリントアウトして飾っていただければ幸いです。(他の写真は著作権があるので無断使用・転載を禁じております)

お品ものは鎌倉時代末から南北朝時代にかけて活躍した武将楠木正成こと大楠公(だいなんこう)の兜を模したミニチュア置物

鉄錆地二十四間小星兜と言われる様式のものです。

材質にこだわり細かい部分まで手を抜かず精巧に作られており、鋳物による大量生産の兜置物とは似て非なるものです。

真鍮や鉄などの仕上げ方はパーツごとに選ばれ、吹返やしころ部分はきっちりとした漆塗りによるもの。紐も一本一本丁寧に。

今日からはGW。出来るだけ人混みはさけ、油断せずにしっかりと感染防止に備えたいと思います。

日本史上で最も優れた戦術家として知られる楠木正成

彼が今の時代に生きていたとするならば、どの様な策を打ち出すのだろうか。

兜置物は本来は家を継ぐ男の子の為のものですが、兜には病気や怪我から身を守るという意味が込められています。

気を引き締めるという意味も込めて、今は時期に拘らずに飾っておきたいお品ものです。

以上、簡単ではありますが出張買取りさせていただいた平安友真作の『大楠公 三ッ鍬形 御兜』のご紹介でした。

この度は数ある買取店の中から弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは季節を感じる飾物や置物を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。

お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。