東大阪市石切町にお住まいのお客様より、雅で品格のある帯留をお譲りしていただきました。
今の季節にぴったりで大変に高貴でおめでたいお品ものです。
『銀製桜御所車帯留』
御所車の車輪と満開の桜を組み合わせた吉祥文様の帯留です。
御所車とは平安時代に身分の高い皇族や貴族だけが乗ることのできた牛車のことです。
そのことから富や高貴さを意味する日本の伝統的文様として様々なお品ものにその文様が施されます。
同じく、桜にも高貴という花言葉があります。
車輪は赤銅に金象嵌仕上げ。桜は銀で細かい部分まで丁寧に作られています。
デフォルメされた車輪は平面的ながらも今にも回りだすかのような躍動感に満ちた図案です。
対して桜は僅か8mm程の厚みでありながら非常に立体的で奥行きある仕上げとなっています。
意図的に平面と立体を組み合わせることで、より強い視覚的効果が生まれ、小さなものにも関わらず強い存在感を放っています。
また、このふたつのモチーフを合わせた作者は回り続ける車輪に永遠を。咲いてすぐに散る桜には瞬間を。
「ふたつの意味を見たのかな」と想像させる一品です。
作者である柳川光明については資料が乏しく、詳しい経歴は不明。
帯留などの和装小物に類例があることから彫金小物を得意とした彫金家のようです。
明治後期〜大正頃の作品と思われる。
以上、簡単ではありますが『銀製桜御所車図帯留』のご紹介でした。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
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