どこかの街 織源町九丁目六番三号

2022.07.29 Category :


「古くなった実家。空家になり、片付けないと。と思いながらも早5年。。。
思うように手が進まず、時間だけが過ぎてしまいました。見に行く度に傷んでいく実家。
今年こそ処分したいと考えています。ご相談させていただいてもいいでしょうか。。。」

毎年、ご相談件数が増えている空家整理に伴う出張買取りのご相談。
何から手をつけていいのか悩んでしまい、片付けが一向に進まず、
気づけば数年もの歳月が経過してしまった。
という方も少なくありません。

「全て廃棄してしまおうか、、でも誰か使ってくださる方がいるかも、、
売れるかな、、売れないか。。。勿体ないなぁ。。。」

築年数の古いお家であればあるほどに長い年月をかけて溜め込まれた品々が大量にあり、
親や祖父母の残したものの思い出を整理しながら思い入れのある品を探したり、
価値あるものを探したりしなければなりません。

ただでさえ忙しい日常生活に加え、
物を大切にしたいと考えておられる故に時間が掛かってしまう状況。
よく分かります。

実は長い時を経たものを短い時間できちんと仕分けするのはとても気を遣います。
じっくり見る余裕のない査定は、どうしても見落としなどしやすいため
ぜひゆとりがある状況が望ましいです。

ですが実際はみなさま色々なご事情があり、
時間が全くないという方からのご相談も少なくありません。
急な不動産売却やお引越しに伴う家財品の整理で1週間以内に査定してほしいといった案件から、
なんと「今日明日中に査定して全て引き取ってほしい」というタイトなご依頼も。

そのような場合でも遠慮なくご相談ください。
可能な限り迅速にお伺いして細かく丁寧な査定をさせていただきます。

・どこに相談していいのか判らず、時間を掛けて業者を探されている方
・急な依頼でどこの業者さんにも査定・引取りを断られてしまった方
・一度、別の業者さんに見てもらったけれど少ししか引き取ってもらえなかった方

など、同じ想いや経験をお持ちの方が沢山居られるかと思います。

ORIGENではご相談内容に応じて適切な査定ができるように努めておりますので、
いつでもお気軽にご相談ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



甲を鎧ふ #4『紺糸威胴丸具足』

2022.07.22 Category :


皆様こんにちは。スタッフのOです。
早くも第4回となった「甲を鎧ふ」シリーズ、
今回は織田信長の「紺糸威胴丸具足(こんいとおどしどうまるぐそく)」をご紹介します。

織田信秀の三男だった信長は、元服した5年後に父が死去。
家督を継ぎ、一族間の激しい勢力争いも蹴散らし尾張を統一。
その後も「桶狭間の戦い」や「長篠の戦い」など数々の大戦を経験し、
怒涛の勢いで領地を拡大、朝廷から高級の官職へ任命されるなどします。

そんな信長が着用したと伝えられている「紺糸威胴丸具足」。
威(おどし)は札(さね)と呼ばれるパーツに紐を通してつなぎ、甲冑をつくりあげること。
「紺糸」は藍染によるもの。
藍の持つ殺菌・防虫効果による実用的な面と、
また古くはこの色が「褐色(かちいろ)」と呼ばれたことから験担ぎとしても好まれたそう。

また、織田信長といえば南蛮由来の品々を身に付けた
洋風の出で立ちをイメージされる方が多いかと思いますが、
史料から確認できる情報などから、現在ではこの具足のように
日本では一般的なデザインの甲冑を身につけて戦っていたというのが定説のようです。

兜には織田家の家紋である木瓜紋と鍬形の前立が取り付けられています。
また、加藤一冑によるミニチュア作品には吹き返しにも木瓜紋の飾りが取り付けられています。
鉢は筋兜(すじかぶと)と呼ばれる形で、これは時代の変遷に伴って戦い方が変化したことにより
大型化した兜を軽量化するために工夫された形だそう。

実物の具足は、信長の次男を祖とする柏原織田家に伝来し、
信長を祀る京都の建勲神社(たけいさおじんじゃ)に奉納されたとのこと。
信長が命を落とした京都に具足が辿り着くのは、必然にも思えますね。

以上、簡単ながら「紺糸威胴丸具足」のご紹介でした。
次回は毛利元就をご紹介できればと思います。

▼参考リンク
徳川美術館『夏季特別展 信長・秀吉・家康 -それぞれの天下取り-』
京都国立博物館 コレクション 『紺色威胴丸 兜・大袖付』
建勲神社 ホームページ

織田信長
戦国時代から安土桃山時代の尾張(現在の愛知県)の武将。
1534年(陽暦)生まれ。
様々な戦を経験し勢力を強めるも、当時の家臣である明智光秀の謀反により天下統一に届くことなく一生を終える。
1582年、京都にて死去。

加藤一冑(2代目)
1933年生まれ、東京出身の甲冑師。
兜飾りを制作しつつ、実物の甲冑の模造や修理なども行っている。
国宝などに指定された甲冑の模造・修理で名を馳せた初代より技術を学び、1969年に「加藤一冑」を継承、現在に至る。
2009年に「東京都名誉都民」を受賞。



本日の出張買取り in 堺市

2022.07.15 Category :


大阪府堺市のお客様より、古い建具をお譲りいただきました。

草木が鬱蒼と生い茂るお庭が印象的なお屋敷です。

二百坪はあろうかと思われる敷地には茅葺屋根の母屋に増築された建物、土蔵、納屋が立ち並びます。

母屋は恐らく明治期に建てられたものかと思いますが、大正-昭和期に生活様式の変化に合わせた大規模な改修工事が行われているようです。

今回は空家になっていたご実家の処分を決断され、解体工事前にご依頼をいただきました。

家を建てた方から見れば孫や曽孫に当たる世代の方が受け継いだ古いお家の処分を決断する。そのようなケースが年々とても増えてきていると肌で感じております。


さて庭に面した縁側に取り付けられている建具はとても綺麗な比率で分割された硝子引戸。
正方形で分割しただけのものはよく見かけますが、バランス良く3種類の矩形で分割したものは比較的珍しいデザインです。恐らくお誂え品かと思われます。

欄間は磨りガラスと合わせた格子になっております。こちらも綺麗ですね。


折角なのでデザイン部に『モンドリアンのコンポジション風、大正ロマン色ガラス仕立て』と発注しました。笑

住まわれていた頃は庭木も綺麗に手入れされさぞかし綺麗なお庭だったことでしょう。草木の生命力がすごいですね。

以上、簡単ではありますが買取させていただいた大正期の硝子引戸のご紹介でした。

この度はご依頼いただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に古い時代のお品ものを幅広く探しております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



Renovation #2

2022.07.08 Category :


前回のリノベ投稿からあっという間に3ヶ月が過ぎてしまいました。

会社の空きスペースの改装工事では自力で床を研磨したり、スタッフによるフロア塗装をしたりと本業の合間を見つけてDIY作業を進めました。

10年程前は古家の床張りから天井貼りまで自力で頑張りましたが、もうダメです…体力というか気持ちに余裕がないですね。20代の頃は朝から走り回って、夜遅くまで作業してもなんの疲れもなかったのに…

と言うわけであとはプロにお任せです。

やっぱり本職の方は早くて綺麗ですね〜
進行スピードが早くて写真を撮り逃しました…

それにしても職人さんの無駄のない作業には惚れ惚れします。

汚かった壁があっという間に綺麗になり、完成へと一気に進んでいきます。

新設した間仕切り壁によって生まれた通路空間。

この眺め、気に入っています。

さて肝心なのはスペースの活用方法…あれもいい、これもいいで迷いに迷って迷走中…
早くキーコンセプトを練り上げねば…

つづく。

▼前回

Renovation #1



品格

2022.07.07 Category :


どこかで撮影した古い家屋の格子戸
光を拡散する磨りガラスと組み合わさると形容しがたい美しさを放つ。
狂いなく連続する整列体を好物とする私にとっては見ているだけで意識を失ってしまいそうになる代物です…

長さの異なる材の組み合わせ方や本数でその家の職業がわかるという親子格子。
写真の組み方は呉服屋格子
美しさと実利を兼ねた合理的な格子戸でした。

ORIGENでは昭和初期以前の時代建具や照明器具、古家具などを探しております。古い家屋の解体をされる際などには是非ご一報ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。