
こんにちは。
出張査定担当のスタッフSです。
7月もあと少し、お盆休みが待ち遠しい今日この頃。
真夏はどこか涼しい山奥でゆっくりしたいですね。
さて、本日は大阪府大阪市のお客様よりお譲りいただいた、美しい白磁作品をご紹介いたします。
風景の中に溶け込み、存在感を消してしまいそうな作品は黒田泰蔵の白磁花生です。

黒田泰蔵はミニマルな白磁作品で国内外から高く評価されている陶芸家です。
装飾が施されていない白磁の花生は一見すると何の変哲もない花器に見えますが、よく見ると表面には無数の繊細でシャープな轆轤目が残されています。
無駄な装飾を削ぎ落とし、土を引き上げる時の指跡のみが作者の微かな声なのかもしれません。
その僅かな痕跡がゆらぎとなり、目には見えない空気と色彩を感じさせる白磁作品となっております。

作為を極力排除した禁欲的な造形からはミニマリズムを。
轆轤跡からは李朝白磁に通じる手仕事の美意識を感じます。
陶芸作品でありながらも、抽象的なオブジェのような佇まいは唯一無二。
海外での活動を経て、帰国後は静岡県のアトリエで作陶されておられましたが、かつて大阪市住之江区に実家があり、大阪市立工芸高校に通っていたことから大阪にもゆかりのある作家です。
口縁部には無数のカケがあり、鑑賞のためだけではなく、花を生ける道具として使われてきたのでは思います。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
品名:白磁花生
作者:黒田泰蔵
時代:1990年代後半-2000年代初頭
前回のブログ↓
一輪の生命|花屋みたてさんの露打ち
