下山道-GEZANDOU-#2

2023.03.31 Category :


今年は「専門知識を深める」ために出来るだけ時間をつくり、やきものの産地や美術館、博物館など全国津々浦々に赴きたいと考えています。
GEZANDOUはその旅の記録と備忘録のための写真アルバムです。

今回は過去記録となりますが昨年、姫路市立美術館に行った際の記録写真を。

姫路市立美術館の建物は旧姫路陸軍兵器倉庫だったそうです。
敗戦後は姫路市役所としての利用を経て美術館として今日に至ります。
ひと言では語り得ない歴史を持つ建物ですが赤レンガと瓦葺屋根が実に綺麗で惚れ惚れする建築です。

姫路城
別名:白鷺城
本丸の大天守は国宝でユネスコ世界遺産にも登録されています。
夕日に照らされた白漆喰総塗籠の壁面が神々しい。
姫路市立動物園内に撮影ベスポジを発見し、ベストタイミングにパシャリ。

姫路市立美術館公式サイト
https://www.city.himeji.lg.jp/art/
姫路城公式サイト
https://www.city.himeji.lg.jp/castle/


展覧会は現代美術家の杉本博司による『本歌取り 日本文化の伝承と飛翔』
会期:二〇二二年九月十七日-十一月六日※既に終了

折りに触れ、赴いている杉本博司の展覧会ですが今回の展示が最も巫山戯ておられました。
作品のクオリティもさることながら、文化財級の希少な古美術品との取り合わせは氏にしかできない芸当です。

真言密教における種子曼荼羅を本歌とする東西曼荼羅では鎌倉時代の種子曼荼羅(胎蔵界)を1930年代に印刷されたニュートンの宇宙所見を表具にして掛軸に仕立てておられました。
西洋的な世界観の中心に東洋の宇宙観(胎蔵界)が配されている点が印象的でした。

人間は神によって創られたのか、それとも人間が神を考えだしたのか。。。それとも。。。

杉本博司公式サイト
https://www.sugimotohiroshi.com/

また次回も旅の記録を紹介したいと思います。

ご清聴ありがとうございました。



スタッフMの日録:6 博多探訪・発見

2023.03.17 Category :

お久しぶりです。スタッフMです。
スタッフMの日録も6回目を迎えました。
一番身近な仕事場の作業机からスタートして、事務所近辺の探索、出張の記録…
と徐々に範囲を広げていった日録ですが、今回は一気に博多へと飛びます。

目的は福岡県立美術館で開催される『野見山暁治 寄贈記念展』(現在会期は終了しています。)
いつか実物を間近で見たいと思いながら幾年。
会期最終日に弾丸旅程で滑り込むことができました。

作家の出身が福岡県ということもあり、展示品は作家本人による寄贈作品。
100歳を超えてから制作された新作も含めた総点数約60点の作品が一堂に集められていました。

初期の作品から102歳で制作された最新作まで衰えぬ筆致と実物のマチエール。
一見すると多数が抽象画。しかし本人は「抽象画を描いたことはない」と言う。
心象風景でもあり、同時に目で見たありのままのものでもある。
炭鉱の風景から一枚一枚辿っていくと、
作家の思考の過程までをも作家ゆかりの地で追体験した心地でした。
ひとつの納得と大いなる刺激を得て、美術館をあとにしました。

余談ですが、福岡県立美術館は移転となる予定のようで、
現在の美術館の建物自体がもうすぐ見られなくなるようです。
隈研吾氏の設計による新福岡県立美術館は2029年開館予定とのこと。
再訪する楽しみがひとつ増えました。



新しい風を吹き込みながらもその歴史を端々に垣間見ることができる、
商人によって復興し栄えた力強い町博多…
きっとまた近いうちに明太子ご飯をお腹いっぱい食べにいこうと決意しました。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:出張・引取・覚書



ORIGEN買受帳 十. 亀文堂 波多野正平造 紫斑銅双耳花生

2023.03.10 Category :

十. 亀文堂 波多野正平造 紫斑銅双耳花生

京都市内ノオ宅ニテ買受ケル。
亀文堂初代デアル波多野正平作ノ独創的ナ鉄瓶ハ高額デ取引サレル。

前頁「九. 手吹き硝子霰コップ



おくりもの

2023.03.03 Category :


大阪府堺市のお客様より、お預かりしていた雛人形と家紋入の提灯箱を写真に収めてお返しさせていただきました。

昨年に制作したおくりものを見ていただき、空き家になっていたご実家の処分に際し、おくりものの制作と買取り、お片付けのご相談をくださいました。

買取りできるもの、廃棄するもの、残しておきたいものを一緒に選別する中、雛人形と家紋入の提灯箱を前に手を止められました。

「両親が揃えた雛人形をそのまま廃棄するのは忍びなく、、、
昔から家にある提灯箱はひとつだけ手元に残しておきたいんですが、虫喰でボロボロで」

どちらも出来れば残しておきたいけれども保管場所や管理に困り、やむ終えず手放すこととなったお品ものです。

雛人形は昭和50年頃のもの。

お預かりした時には残念ながら男雛の冠と立纓(りゅうえい)、笏(しゃく)、女雛の釵子(さいし)が欠損していました。
そのままだとなんだか寂しい気がしましたので、補うことにしました。

笏は薄板から削り出しました。
立纓は作るのが難しかったので冠と共にサイズの合うものを気長に探していたのですが、なかなか出会わず、、、冠は何とか見つかったものの、立纓は昨年に撮影したものから画像合成しました。

釵子は同じく処分に困られている方が持っておられた女雛のものがシンデレラフィット。
事情をお伝えしたところ、快くお譲りくださいました。

「私と妹の分でふたつ。小振りなものがいいです」
とだけご要望をいただき、おまかせで制作させていただきました。

「急がないので、いつでも大丈夫です」
お言葉に甘えてのんびりしていましたがギリギリになって大慌て。
なんとか3月3日に間に合いました。

どこかに飾っていただければ幸いです。

この度は大切なお品ものをお譲りいただきまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

Original:男雛女雛 昭和/提灯箱 明治時代
Revived product:雛人形提灯箱三ツ窓写真飾 令和五年弥生 Limited,2

これまでのおくりもの
皆朱群鶴蓑亀松竹梅図五ツ組写真飾 令和三年睦月 Limited,2
雛人形青磁壺三ツ窓写真飾 令和四年弥生 Limited,1
建具職人木工手道具黒仕立写真飾 令和四年水無月 Limited,1
大正昭和板硝子写真飾 令和四年師走 Limited,1



ORIGEN買受帳 九. 手吹き硝子霰コップ

2023.02.24 Category :


九. 手吹き硝子霰コップ

高槻市ノ土蔵ニテ。
「手吹キ硝子」ト「プレス硝子」ノモノガ、アル。
見分ケ方ハ、コップ内側ノ凹凸ニヨル。

前頁「八. 松本民芸家具 44型 ウインザーチェア



おくりもの

2023.02.10 Category :


「1年後、実家を解体することになりまして古いものが色々とあるので一度見に来ていただけませんか」とご縁をいただきました。

仕事の合間を縫って少しずつ、お家の整理をされておられ、古いものが見つかる度にご連絡いただきお伺いさせてもらいました。

足を運ぶ度に家財が減っていき、いよいよ解体工事の着工直前。

最後に残っていた建具の硝子に眼が止まり、少し分けていただきました。

決して珍しい硝子でも建具でもないのですが、割れてしまったせいなのか。

一枚の建具に時代もデザインも異なる硝子が嵌められていました。

多いものでは四種類もの硝子が嵌められており、割れたにしては違和感がありました。

いつの頃か意図して異なる硝子を選んで嵌め込んだのかもしれません。

昔の板ガラスには実に豊富な種類があります。

今回、お譲りいただいた硝子は大正-昭和期のもので結霜・銀河・霰・菱・燕・ダイヤ・磨・透明の八種。

「解体時に割って廃棄されるのがどうにも気持ち的に…」

ほんの一部ですが小さくカットして額に収めさせていただきました。

思いつきで作り始めた為、厚みの異なる硝子を薄い額に収めて固定するのには予想外に手こずりました。
デザイン/設計部とミリ単位の調整を繰り返し、最終的には6層に。

春には同地に新しいお家を建てられるとのこと。

光の差し込む窓辺に飾っていただければ幸いです。

この度は大切なお品ものをお譲りいただきまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

Original:板硝子/大正-昭和
Revived product:大正昭和板硝子写真飾
令和四年師走 Limited,1

これまでのおくりもの
皆朱群鶴蓑亀松竹梅図五ツ組写真飾 令和三年睦月 Limited,2
雛人形青磁壺三ツ窓写真飾 令和四年弥生 Limited,1
建具職人木工手道具黒仕立写真飾 令和四年水無月 Limited,1



ORIGEN買受帳 八. 松本民芸家具 44型 ウインザーチェア

2023.02.03 Category :


八. 松本民芸家具 44型 ウインザーチェア

大阪市阿倍野区、民藝好キノ方ヨリ、買受ケル。
柳宗悦愛用ノ英國椅子ヲ本歌トスル松本民藝家具ノ「44型 ウインザーチェア」デアル。

前頁「七. 一分判金



スタッフMの日録:出張・引取・覚書

2023.01.18 Category :

スタッフMです。
正月気分もようやく抜けました。

布団から出るのはまだまだつらいですが、
えいやと飛び出して冷たく澄んだ空気を吸い込みながら歩く朝はとてもすがすがしく。
なんだかんだ、この季節が好きです。

時は遡って5月某日。

夏は遠くとも、汗ばむ季節。
うずたかく積まれた布、布、古布。
いずれも持ち主様の思い入れのある品であるため、丁重に…

なおかつお引取りするお品物と
それ以外の選別とお片付けを、同時進行でスピーディにこなします。

実際には───
汗をかきかき 雪崩を回避し、箱から箱へ、
二人がかりで上階から下階へのバケツリレー。
スタッフMがお手伝いに行った日を含めて、3日ほどかかったでしょうか?
達成感もひとしおな大仕事として記憶に残っております。

みなさまの眼にはこの雄姿、どのように写りましたでしょうか。


そして、この時引き取ったあまりにも大量の古布山はというと…

なんとまだ…仕分け終わってないのです。

今年こそ、この山を踏破します。
がんばります。




スタッフMでした。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:4 ネオン電球



今日の一品 紫被切子鉢

2022.11.24 Category :


大阪市東住吉区のお客様よりお譲りいただきました。

大胆なカットと深い紫色硝子が印象的な切子鉢です。

非常に細かく刻んだ筋と力強く深い筋とが交差し、えも言われぬ美しさを放っています。

器を分割する最も深い筋は笹の葉紋と思われます。

10分割された部分には蜘蛛の巣紋と玉紋が交互に彫られています。

左右対象の蜘蛛の巣紋の美しさもさる事ながら玉紋が凹レンズ効果を生み、器を眺めた時に起こる視覚的効果が眼を楽しませてくれます。

彫の深さを変える事で笹の葉・矢来・霰・魚々子紋など様々な紋様が浮かび上がります。

念入りに磨きを掛けられており、如才無い熟練の手による切子です。

硝子の質や作域から見て昭和初期に大阪で製造されたものと思われます。

切子ガラスと言えば鹿児島で作られる薩摩切子、東京の江戸切子が有名ですが、かつて大阪は切子硝子の一大生産地でした。

東京を凌ぐ数の多種多様な硝子業者がひしめいていたそうで、当時は大阪に行かなければ一人前ではないと言われたそうです。

これだけ手間の掛かった切子硝子ですので当時とても高価なものだったと思います。

所々に欠けがありますが、そんなことは微塵も感じさせない迫力ある一品です。

季節の果物を盛り、テーブルに置くと眼が釘付けになりそうです。

以上、簡単ではありますが昭和初期の紫被切子鉢のご紹介でした。

この度は買取りのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは昭和のものから貴重な時代ものまで古いお品ものを幅広く探しております。

お引越しや空家のお片付けの際には是非ご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォーム・公式LINE等よりお気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。



蔵戸引取り in 阿倍野区

2022.11.02 Category :


先日、蔵整理にお邪魔させていただいた大阪市阿倍野区のお客様宅に蔵戸を引取りに伺いました。

塗籠仕上げの重厚な観音扉の奥にある蔵戸。
格子組に金網を張ったシンプルなもので鏡板は欅の一枚板です。

長年、風雨と陽射しに耐え随分と木が痩せてしまっており、傷みが激しいので住宅には不向きですが、メンテナンスをすれば店舗などでもう一度使えるかと思います。

貴重な鍵付き
蔵にとても思い入れのあるご依頼人のお母様。
かつては質屋業をされていたそうで子供の頃にはよく家業の手伝いで質預かりの品物を蔵に運んでいたそうです。

「整理していたら、また査定して欲しいものが見つかったので出しておきました」
と追加でご準備くださりました。
ありがとうございます!
青磁の獅子置物や瀬戸の器に錫の酒器などなど年代物が色々。

ブリキ缶や空き箱に入った古い小物達。
「捨てるなんて勿体ない」
「いつか何かに使えるだろう」
きっとそう考えてそっと仕舞っていたのだと思います。

古い箪笥の引手はひとつひとつ紙に包んで保管されていました。
今の家具では金具を外して大切に保管するということはあまりないでしょうから驚きですね。
物を大切にする気持ちを受け継ぎ、どこかに使いたいと思います。

蔵を解体するのはとても寂しく、忍びない気持ちでいっぱいだそうですが将来の事を考えてご決断されたようでした。
微力ではありますが、お譲りいただいたお品ものを引き継いでくださる方の元に橋渡しさせていただきます。

この度はご依頼くださり誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



Revived stool

2022.10.31 Category :


スツールを作りました。

原型は出張買取で伺った古い民家に残されていたもの。
学校の工作の授業で作ったと思われる古い素人作りの椅子です。

実際は椅子というか荷物置きとして長年、部屋の片隅で使われていた様子。
特に大切にされていたり、思い入れがあったようには見受けられませんでしたが、
何故か捨てられずにずっと形の残るもの、、、というものがあります。
手鋸で切った建材を素人が釘で打ち、雑にペンキを塗っただけの非常に簡単な造りの椅子ですが、
その作為の無さが胸を撃ちました。

素人の作った単なる古い椅子と言ってしまえばそれまでの一脚ですが、
今まで何脚もの古い椅子を見てきた目に自信があります。

作者不明の椅子に新たな価値を与え、蘇らせてみたいと思いました。
ただ複製品として再現するのではなく、
原型にリスペクトを持ちつつも、それを超えていくことを目指しました。
椅子の名前は弊社のキーコンセプトでもある「復活」という言葉からRevived stoolと名付けました。
古い椅子に新たな価値と意味を与え、生かすという意味を込めています。

製作は大阪で大工道具と手道具のみで家具を作られているKUMITATERU様に依頼しました。
原型の椅子には無い、細かな意匠や加工を加えることで、
より洗練された本歌とは異なる佇まいの一脚となりました。
同時に一生ものの椅子として長い時間と強い負荷に耐えうる
強度を持たせる為の工夫も凝らしていただきました。

Revivedに込めた意味にも賛同くださり、あと1mm、もう1mmと
何度も再加工と再製作のために作業場と弊社を往復していただきました。
粘り強く、お付き合いいただきありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。

さて、急に家具作りを始めたり、贈り物を作ってみたりと
本業である買取事業を中心に眺めて見ると一体何屋さんなのかと自分でも思いますが、
全ては互いに重なり合っており、緩やかな弧を描きながら
遠い終着点に向かってゆっくりと歩みを進めています。
必ずいつか全てが繋がると自分自身にそう言い聞かせています。

出会った人と共に、ものに新たな生命と価値を与えられる企業を目指すこと。
企業理念のひとつが実現しました。
ご清聴くださりありがとうございました。

Revived stool EB
・ヨーロッパビーチ材
・自然塗料クリアオイル仕上げ
・座面:W362mmxD313mm
・高さ:420mm
受注生産品(納期は1ヶ月前後)
・販売価格66,000円(税込)
ONLINE SHOPにて販売しております。

KUMITATERU
WEBサイト
https://kumitateru.mystrikingly.com
Instagram
@kumitateru2017
YOUTUBE
https://www.youtube.com/channel/UCztLdFVNHMF1j9hjRthEQOw



Reviving the roots of 1900

2021.05.10 Category :


謹啓 薫風のみぎり 皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます

平素は格別のご厚情を賜り御礼申し上げます

さて この度弊社は 組織を株式会社に改め
令和三年五月十日付けで
株式会社IWAGONを設立する運びとなりました

これもひとえに皆様方のひとかたならぬご懇情の賜物と衷心より感謝申し上げます

これを機により一層 精進し皆様のご期待にお応えして参りたいと存じます

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます

なお 法人組織名は株式会社IWAGONとなりますが買取り・売却代行事業の屋号は変わることなくORIGENとしてこれまで通り営業を続けてまいります

何卒よろしくお願い申し上げます

謹白

令和三年五月十日

株式会社IWAGON 代表取締役 下山律

 

 

法人概要ページ:https://iwagon-1900.com/

 

さてここからは社名のIWAGONに関して少しお話しさせていただきます

漢字では「岩権」と書き「イワゴン」と読みます

あまり聞いたことのない 不思議な響きがある名前かと思います

この名前は私の祖先である権右衛門と岩吉兄弟が博多で『岩権 骨董舗』を始めたことに由来します

写真は屋台で有名な中洲の清流公園内にある1900年に建造された博多町家寄進高灯籠です

灯籠には当時の豪商の屋号を刻んだ石板が嵌め込まれています

はっきりとした起源は不明ですが
幕末から商いをはじめ 昭和三十年代に曽祖父が暖簾を下すまで存在しておりました

時は経ち
過去の家業のことは全く知らず この業界に飛び込んだ時に母よりはじめて 岩権のことや灯籠の存在を聞きました

はじめて灯籠を見た時にはその立派な姿にも驚きましたが 正面の真ん中に配置された石板を見た時の驚きは今も忘れられません

よく見ていただくと権と岩の字の間に不思議な記号が見えると思います

今見ればもしかすると家紋なのかと想像できるのですが 当時はこの記号が過去と現在を繋ぐ現在地を示す記号に見え 少し大袈裟かもしれませんが この業界にいること そして この灯籠の前に私が立っていることを運命のように感じ不思議な気持ちになりました

その時にいつか曽祖父の代でその歴史に一度 幕を下ろした屋号を復活させることを心に決めました

IWAGONの下に記したReviving the roots of 1900という言葉にはその決意の意味を込めています

少し長くなってしまいましたが 法人名のルーツとシンボルマークに込められた言葉に対する思いを書かせていただきました

この屋号に恥じない会社になることはもちろんのことですが その先に思い描いているものがあります
いつか実現し 皆様にお披露目できる日に向かって頑張ってまいります

まずは日々ご依頼くださるお客様おひとりおひとりからのご相談に親身に取り組むことを心がけ 縁と繋がりを大切にする企業を目指します

最後となりましたが ORIGENに続き 今回も素晴らしいシンボルマークを作っていただきましたセッテンデザイン株式会社の平山氏にこの場をお借りしてお礼申し上げます