今日の一品 紫被切子鉢

2022.11.24 Category :


大阪市東住吉区のお客様よりお譲りいただきました。

大胆なカットと深い紫色硝子が印象的な切子鉢です。

非常に細かく刻んだ筋と力強く深い筋とが交差し、えも言われぬ美しさを放っています。

器を分割する最も深い筋は笹の葉紋と思われます。

10分割された部分には蜘蛛の巣紋と玉紋が交互に彫られています。

左右対象の蜘蛛の巣紋の美しさもさる事ながら玉紋が凹レンズ効果を生み、器を眺めた時に起こる視覚的効果が眼を楽しませてくれます。

彫の深さを変える事で笹の葉・矢来・霰・魚々子紋など様々な紋様が浮かび上がります。

念入りに磨きを掛けられており、如才無い熟練の手による切子です。

硝子の質や作域から見て昭和初期に大阪で製造されたものと思われます。

切子ガラスと言えば鹿児島で作られる薩摩切子、東京の江戸切子が有名ですが、かつて大阪は切子硝子の一大生産地でした。

東京を凌ぐ数の多種多様な硝子業者がひしめいていたそうで、当時は大阪に行かなければ一人前ではないと言われたそうです。

これだけ手間の掛かった切子硝子ですので当時とても高価なものだったと思います。

所々に欠けがありますが、そんなことは微塵も感じさせない迫力ある一品です。

季節の果物を盛り、テーブルに置くと眼が釘付けになりそうです。

以上、簡単ではありますが昭和初期の紫被切子鉢のご紹介でした。

この度は買取りのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは昭和のものから貴重な時代ものまで古いお品ものを幅広く探しております。

お引越しや空家のお片付けの際には是非ご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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よろしくお願いいたします。



蔵戸引取り in 阿倍野区

2022.11.02 Category :


先日、蔵整理にお邪魔させていただいた大阪市阿倍野区のお客様宅に蔵戸を引取りに伺いました。

塗籠仕上げの重厚な観音扉の奥にある蔵戸。
格子組に金網を張ったシンプルなもので鏡板は欅の一枚板です。

長年、風雨と陽射しに耐え随分と木が痩せてしまっており、傷みが激しいので住宅には不向きですが、メンテナンスをすれば店舗などでもう一度使えるかと思います。

貴重な鍵付き
蔵にとても思い入れのあるご依頼人のお母様。
かつては質屋業をされていたそうで子供の頃にはよく家業の手伝いで質預かりの品物を蔵に運んでいたそうです。

「整理していたら、また査定して欲しいものが見つかったので出しておきました」
と追加でご準備くださりました。
ありがとうございます!
青磁の獅子置物や瀬戸の器に錫の酒器などなど年代物が色々。

ブリキ缶や空き箱に入った古い小物達。
「捨てるなんて勿体ない」
「いつか何かに使えるだろう」
きっとそう考えてそっと仕舞っていたのだと思います。

古い箪笥の引手はひとつひとつ紙に包んで保管されていました。
今の家具では金具を外して大切に保管するということはあまりないでしょうから驚きですね。
物を大切にする気持ちを受け継ぎ、どこかに使いたいと思います。

蔵を解体するのはとても寂しく、忍びない気持ちでいっぱいだそうですが将来の事を考えてご決断されたようでした。
微力ではありますが、お譲りいただいたお品ものを引き継いでくださる方の元に橋渡しさせていただきます。

この度はご依頼くださり誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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よろしくお願いいたします。



Revived stool

2022.10.31 Category :


スツールを作りました。

原型は出張買取で伺った古い民家に残されていたもの。
学校の工作の授業で作ったと思われる古い素人作りの椅子です。

実際は椅子というか荷物置きとして長年、部屋の片隅で使われていた様子。
特に大切にされていたり、思い入れがあったようには見受けられませんでしたが、
何故か捨てられずにずっと形の残るもの、、、というものがあります。
手鋸で切った建材を素人が釘で打ち、雑にペンキを塗っただけの非常に簡単な造りの椅子ですが、
その作為の無さが胸を撃ちました。

素人の作った単なる古い椅子と言ってしまえばそれまでの一脚ですが、
今まで何脚もの古い椅子を見てきた目に自信があります。

作者不明の椅子に新たな価値を与え、蘇らせてみたいと思いました。
ただ複製品として再現するのではなく、
原型にリスペクトを持ちつつも、それを超えていくことを目指しました。
椅子の名前は弊社のキーコンセプトでもある「復活」という言葉からRevived stoolと名付けました。
古い椅子に新たな価値と意味を与え、生かすという意味を込めています。

製作は大阪で大工道具と手道具のみで家具を作られているKUMITATERU様に依頼しました。
原型の椅子には無い、細かな意匠や加工を加えることで、
より洗練された本歌とは異なる佇まいの一脚となりました。
同時に一生ものの椅子として長い時間と強い負荷に耐えうる
強度を持たせる為の工夫も凝らしていただきました。

Revivedに込めた意味にも賛同くださり、あと1mm、もう1mmと
何度も再加工と再製作のために作業場と弊社を往復していただきました。
粘り強く、お付き合いいただきありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。

さて、急に家具作りを始めたり、贈り物を作ってみたりと
本業である買取事業を中心に眺めて見ると一体何屋さんなのかと自分でも思いますが、
全ては互いに重なり合っており、緩やかな弧を描きながら
遠い終着点に向かってゆっくりと歩みを進めています。
必ずいつか全てが繋がると自分自身にそう言い聞かせています。

出会った人と共に、ものに新たな生命と価値を与えられる企業を目指すこと。
企業理念のひとつが実現しました。
ご清聴くださりありがとうございました。

Revived stool EB
・ヨーロッパビーチ材
・自然塗料クリアオイル仕上げ
・座面:W362mmxD313mm
・高さ:420mm
受注生産品(納期は1ヶ月前後)
・販売価格66,000円(税込)
ONLINE SHOPにて販売しております。

KUMITATERU
WEBサイト
https://kumitateru.mystrikingly.com
Instagram
@kumitateru2017
YOUTUBE
https://www.youtube.com/channel/UCztLdFVNHMF1j9hjRthEQOw



Reviving the roots of 1900

2021.05.10 Category :


謹啓 薫風のみぎり 皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます

平素は格別のご厚情を賜り御礼申し上げます

さて この度弊社は 組織を株式会社に改め
令和三年五月十日付けで
株式会社IWAGONを設立する運びとなりました

これもひとえに皆様方のひとかたならぬご懇情の賜物と衷心より感謝申し上げます

これを機により一層 精進し皆様のご期待にお応えして参りたいと存じます

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます

なお 法人組織名は株式会社IWAGONとなりますが買取り・売却代行事業の屋号は変わることなくORIGENとしてこれまで通り営業を続けてまいります

何卒よろしくお願い申し上げます

謹白

令和三年五月十日

株式会社IWAGON 代表取締役 下山律

 

 

法人概要ページ:https://iwagon-1900.com/

 

さてここからは社名のIWAGONに関して少しお話しさせていただきます

漢字では「岩権」と書き「イワゴン」と読みます

あまり聞いたことのない 不思議な響きがある名前かと思います

この名前は私の祖先である権右衛門と岩吉兄弟が博多で『岩権 骨董舗』を始めたことに由来します

写真は屋台で有名な中洲の清流公園内にある1900年に建造された博多町家寄進高灯籠です

灯籠には当時の豪商の屋号を刻んだ石板が嵌め込まれています

はっきりとした起源は不明ですが
幕末から商いをはじめ 昭和三十年代に曽祖父が暖簾を下すまで存在しておりました

時は経ち
過去の家業のことは全く知らず この業界に飛び込んだ時に母よりはじめて 岩権のことや灯籠の存在を聞きました

はじめて灯籠を見た時にはその立派な姿にも驚きましたが 正面の真ん中に配置された石板を見た時の驚きは今も忘れられません

よく見ていただくと権と岩の字の間に不思議な記号が見えると思います

今見ればもしかすると家紋なのかと想像できるのですが 当時はこの記号が過去と現在を繋ぐ現在地を示す記号に見え 少し大袈裟かもしれませんが この業界にいること そして この灯籠の前に私が立っていることを運命のように感じ不思議な気持ちになりました

その時にいつか曽祖父の代でその歴史に一度 幕を下ろした屋号を復活させることを心に決めました

IWAGONの下に記したReviving the roots of 1900という言葉にはその決意の意味を込めています

少し長くなってしまいましたが 法人名のルーツとシンボルマークに込められた言葉に対する思いを書かせていただきました

この屋号に恥じない会社になることはもちろんのことですが その先に思い描いているものがあります
いつか実現し 皆様にお披露目できる日に向かって頑張ってまいります

まずは日々ご依頼くださるお客様おひとりおひとりからのご相談に親身に取り組むことを心がけ 縁と繋がりを大切にする企業を目指します

最後となりましたが ORIGENに続き 今回も素晴らしいシンボルマークを作っていただきましたセッテンデザイン株式会社の平山氏にこの場をお借りしてお礼申し上げます