本日の出張買取り in 港区

2022.05.24 Category :


大阪市港区へ、出張買取りに行って参りました。

ご両親の住まれていたマンションの処分に伴い、弊社へとご依頼くださいました。

「近く、撤去業者様に部屋の中のものを全て片付けてもらうので、その前に一度見に来ていただけますか?」とご相談くださいました。

詳しくお話を聞かせていただきますと、ご両親が介護施設に入られてから時間をかけてコツコツと部屋の片付けをしながら一度も使っていない頂き物の贈答品や仕舞い込まれていた古めかしい骨董品と思われるものを整理し集めてくださったとのこと。

茶器や花瓶に食器や漆器。江戸時代の髪道具、鹿の角などなど色々なお品ものを捨てずに残しておいてくださいました。

小さなダンボール箱にはご両親が親から受け継いだと思われる特に古いものが数点保管されていました。

真鍮製の変わった形のもの。

何かと思ったら、、、

開閉式の燭台でした。

蝋燭を立てる部分が片口になっており、下部が溶けた蝋の受け皿となっています。

持ち運び用の携帯燭台でしょうか。

初めて見ました。変わった一品ですね。

今回お譲りいただいたものの中で一番グッときた香炉。

古銅製で胴部分に鎧や鞍などの馬具と裏側には武具が打ち出されています。

楕円形の火炉に端正な蕾形の鈕、猪目の煙孔が格調高い一品。時間をかけて育った金味も抜群ですね。

金箔が施されていたようで造られた当時は煌びやかな香炉だったのでしょう。

世代を越えて受け継がれ、守ってきていただいたお陰で出会えました。

次代へ大切にしてくださる方の元へと橋渡しさせていただきます。

この度は数ある買取店の中から弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは贈答品から貴重な時代ものまで幅広いお品ものを取り扱っております。

「処分するには忍びない」と思われましたらどんなものでも遠慮なくご連絡ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



甲を鎧ふ #2『長烏帽子形兜』

2022.05.17 Category :


皆様こんにちは。スタッフのOです。
計16点の鎧兜をご紹介する「甲を鎧ふ」シリーズ、第2回は前回取り上げた豊臣秀吉と縁深い武将の兜をご紹介いたします。
今回の兜は、「賤ヶ岳の七本槍」として名高い加藤清正の「長烏帽子形兜(ながえぼしなりかぶと)」です。

清正が生まれたのは、460年前の1562年。
豊臣秀吉と同じ尾張(現在の愛知県)の生まれであったことから、幼少より小姓(雑用係)として秀吉に仕えていました。

元服の際に「加藤虎之助清正」と改名した清正は、その勇ましい名前のごとく様々な戦で活躍し武功をあげてゆきます。
秀吉が天下人になるきっかけとなったともいえる「賤ヶ岳の戦い」では特に大きな働きを見せたことで、秀吉より多くの褒賞を受け取り「賤ヶ岳の七本槍」として広く名を知られるまでに。

大名として肥後(現在の熊本県)を治めるようになってからは治水や農業政策・熊本城の築城など、政治面でも活躍。
当時治めるのが難しいとされていた肥後を束ねあげ、後世において清正を祀るための「加藤神社」が創建されるほど、民衆からの支持が厚い武将だったそうです。

参考リンク:加藤神社


そんな清正が秀吉主導による朝鮮出兵の際、かぶっていたとされるのが今回ご紹介する「長烏帽子形兜」。

「烏帽子(えぼし)」とは、日本において古来から使用されてきた帽子のこと。
平安時代に成人男性の普段着として普及したものの、徐々に形式的なものへと変化していったことで室町時代末期には儀礼時以外ほとんど使われなくなったそうです。

そんな烏帽子をあえて模した理由はわかりませんが、当時の日本人男性の平均身長が155cmほどであったこと、実物の兜は高さが約75cmと大きいことから、当時の人に馴染みのあるデザインを取り入れつつ、戦場において自身をより強く、大きく見せようとしたのかもしれませんね。


実物は金属や漆で固められた紙でつくられているにも関わらず、まるで布製のように折れ曲がった形が印象的です。

加藤一冑によるミニチュア作品には、清正が家紋として用いていた「蛇目紋」と思われる丸い前立がついています。

もともとは武具の弓の弦を巻いて戦に携帯するための道具である弦巻に似ていることから「弦巻紋」と呼ばれ、武士としての力強さを表現する紋でしたが、
蛇の目にも似ていることから「蛇目紋」とも呼ばれ、当時蛇が神聖な生き物として考えられていたため護符としての意味も加わったと言われています。

実物の写真では前立はついていませんが、大きな兜を被ったり戦を重んずる家紋を用いていた加藤清正という人物の戦への強い意志が伝わってくるような作品ですね。

また、清正は熱心な日蓮宗の信者でもあったそうで、「兜の烏帽子部分に清正自身が書いた『南無妙法蓮華経』と書かれた紙を数百枚も貼り合わせた」という逸話が伝えられているんだとか。

参考リンク:Google Arts & Culture 徳川美術館

こちらの兜は徳川御三家のひとつである紀伊家(紀州徳川家)から尾張徳川家へと受け継がれ、現在では徳川美術館の所蔵品とのこと。
豊臣秀吉・徳川家の双方に仕えた加藤清正の兜が徳川家ゆかりの美術館へ…というのは、納得の来歴です。

参考リンク:徳川美術館『企画展示 天下統一-信長から家康へ』

以上、簡単ながら「長烏帽子形兜」のご紹介でした。
次回は清正と同じ時代に生き、秀吉とも関わりのあった武将をご紹介できればと思います。

加藤清正
安土桃山時代に活躍した尾張(現在の愛知県)出身の武将。
1562年7月25日(陽暦)生まれ。
長く豊臣秀吉に仕え、1583年に起きた「賤ヶ岳の戦い」での活躍により
肥後(現在の熊本県)を治める大名となる。
1611年、二条城にて徳川家康と豊臣秀頼の会見を見届けたのち、
帰国途中の船中で発病し、熊本城で逝去。

加藤一冑(2代目)
1933年生まれ、東京出身の甲冑師。
兜飾りを制作しつつ、実物の甲冑の模造や修理なども行っている。
国宝などに指定された甲冑の模造・修理で名を馳せた初代より技術を学び、
1969年に「加藤一冑」を継承、現在に至る。
2009年に「東京都名誉都民」を受賞。



今日の一品 Is this a Japanese Early Modern Architecture?

2022.05.10 Category :


大阪市中央区のお客様より買取りさせていただきました。

昭和を代表する版画家のひとりである関野凖一郎氏の木版画です。

立派な大屋根が格好の良い建物ですね。この佇まいは江戸期に建てられた庄屋さんの建物でしょうか。

二段構えの瓦屋根と整然と連続する面格子が美しいです。

一切の無駄を排し、合理的かつ機能的な様式美に到達している姿はその意匠面においてモダニズム建築を先取りしているとでも言えるのでしょうか??

今はマンション暮らしですが、いつかこんな建物に住めたらなぁと憧れます。

人の姿の無い風景ですが、開いた建具がここに住む人の気配だけを感じさせます。

作品の題名が書かれていないので何処の風景かわかりませんが実在する建物だと思いますので資料を探してみます。

場所が判れば実際に見に行きたいと思います。

以上、簡単ではありますが関野凖一郎氏の木版画のご紹介でした。

この度は買取りのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは昭和のものから貴重な時代ものまで古いお品ものを幅広く探しております。

お引越しや空家のお片付けの際には是非ご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

関野凖一郎
1914年10月23日〜1988年4月13日
青森県青森市出身の版画家・洋画家。
1932年:今純三に銅版画を学ぶ。
1939年:東京へ出て恩地孝四郎に師事し、新宿鈴木研究所において油絵を学ぶ。
1971年:青森県文化功労者として青森県褒賞を授与。
1975年:芸術選奨文部大臣賞を受賞。
近代日本版画史に関する多数の著作を残す。



The vase not for sale

2022.04.28 Category :


春の時雨に季節の変化を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

GWまでには晴れ間が広がり、良い天気となってほしいですね。

さて、本日は宝塚市のお客様よりお譲りしていただいた花瓶をご紹介いたします。

引越しに伴う片付けで家具や食器など色々と買取りさせていただいたものの中のひとつです。

クリスタルガラス製の綺麗な花瓶。。。Baccarat…ですが、残念ながらワケあり品です。

ワケあり品では済まない、大ワレあり品ですね。

基本的にはガラスの傷モノは扱いませんが、こちらはワレた姿もなかなか男前だったので引取りさせていただきました。

ヘデラベリーを生けてみました。

硬質ガラスなので小口が鋭く切りたっていて、触れると簡単に手を切ってしまいます。

売物にはできませんね。

光が差すと綺麗な七色に分光します。

流石はBaccaratですね。

販売できないので会社で使おうと思います。

へデラベリーの花言葉は「死んでも離れない」だそうです。

以上、簡単ではありますがワレてしまったBaccaratのガラス花瓶のご紹介でした。

この度は買取りのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは花瓶や和洋食器などのお品ものを幅広く探しております。

お引越しや空家のお片付けの際には是非ご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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よろしくお願いいたします。



甲を鎧ふ #1『一の谷馬藺の兜』

2022.04.21 Category :

皆様はじめまして。スタッフのOです。
今回、初めてblogを書くこととなりました。
お客様からお譲りいただいたお品ものの中で個人的に気になったものなどを少しずつご紹介していこうかと思います。
よろしくお願いいたします。

まずは「甲を鎧ふ」という題で月に1点ずつ、精細につくり込まれたミニチュア版甲冑の置物をご紹介して参ります。

こちらのコレクションは大阪府高槻市のお客様が蒐集され、大切にしていらっしゃったものです。
お譲りいただいた50点の中から厳選した16点を、歴史の勉強も兼ねてひとつずつご紹介いたします。
しばしお付き合いくださいませ。

早速ですが、皆様は画像に写っている兜の持ち主が誰かご存知でしょうか?
有名な兜なのでどこかで見た形だな、と感じる方も多いかもしれません。

答えは…誰もが知る戦国時代の武将、「豊臣秀吉」です。

豊臣秀吉といえば、日本史上類を見ないほどの出世を遂げたことで有名な人物。
天下統一の前には織田信長に仕え、様々な戦を経験してきたといいます。

秀吉が天下人となったきっかけともいえる、かつて織田信長の家臣仲間であった柴田勝家を破った「賤ヶ岳の戦い」は、ちょうど今から439年前の1583年4月にあったそうですよ。

秀吉が「豊臣」の前に「羽柴」の姓を名乗っていたことは有名ですが、なんとそのうちの「柴」の字は当時信長の重臣であった柴田勝家から取ったそう。
名前の由来にまでなった人物を打ち倒すその苛烈さがあったからこそ、戦国の世を統一できたのかもしれませんね。

秀吉の辞世の句には、戦国の世を荒々しく駆け抜けた武人の栄華と悲哀が見て取れます。

「つゆとをち つゆときへにしわがみかな 難波の事もゆめの又ゆめ」
(露のように生まれ露のように消えゆく我が身であることよ。大阪での栄華も我が人生も、まるで夢の中で見る夢のようであった。)

華やかで豪壮な安土桃山の時代に生きつつも、最期に自身を「露」とたとえた秀吉。
まさに戦乱の世の諸行無常・盛者必衰を思わせるような句ではないでしょうか。

そんな秀吉の兜として有名なのが、今回ご紹介する「一の谷馬藺の兜(いちのたにばりんのかぶと)」です。

画像に写っているのは兜飾りなどで有名な加藤一冑によるミニチュア作品。
美しく放射状に配置された後立のバランスが見事です。

こちら、なんと鉢が手の平に乗るくらいのサイズなんですよ。
頭に被ることはできませんが、小さくても威風堂々とした様はまさに武具然としていますね。

「馬藺(ばりん)」とは菖蒲の一種で、後立はその葉をかたどったもの。
単なる武具としてではなく、秀吉の怒涛ともいえる人生を彷彿とさせるような勢いを感じさせます。

実物は漆塗で黒く仕上げられた鉢のフチに金の蒔絵が施されており、秀吉のお洒落心が伝わってくるようです。

こちらの兜は三河(現在の愛知県)の藩士であった志賀家の祖が秀吉より賜ったものとして、現代まで伝えられてきたそう。
今日では東京国立博物館所蔵とのことです。

参考リンク:ColBase 国立文化財機構所蔵品統合検索システム

以上、簡単ながら「一の谷馬藺の兜」のご紹介でした。

「自宅に本物の甲冑がある!」

そんな方は少ないかと思いますが…先祖の甲冑の処分に困っている、そんな場合は是非ご相談ください。

次回は豊臣秀吉とゆかりのある武将の作品をご紹介できればと思います。
よろしくお願いいたします。

豊臣秀吉
安土桃山時代に活躍した尾張(現在の名古屋市)出身の武将。
1537年2月6日生まれとされるが、出生の時期には諸説あり。
百姓の子として生を受けるも武人を志して独り立ちし、数々の戦功で足軽から太政大臣へと上り詰める。
1598年、62歳で逝去。

加藤一冑(2代目)
1933年生まれ、東京出身の甲冑師。
兜飾りを制作しつつ、実物の甲冑の模造や修理なども行っている。
国宝などに指定された甲冑の模造・修理で名を馳せた初代より技術を学び、1969年に「加藤一冑」を継承、現在に至る。
2009年に「東京都名誉都民」を受賞。



今日の一品 water shape

2022.04.14 Category :


硝子工芸作家
津田清和氏の作品を手にしました。

ふくらんだ気泡のような、うすい硝子が水の姿を教えてくれます。

口縁部まで水を満たすと、まるで水晶のように光を集め、やさしく拡散します。

器形は瓶子と呼ばれるもので底部から肩にかけて大きく張った曲線を描き、口は小さく窄む形が特徴です。

古くに中国で考案された陶磁器の器形で当時は酒瓶として用いられましたが、使い勝手が悪く次第に作られなくなったそうです。

しかし、その姿はとても美しく今なお、鑑賞陶磁として高く評価されています。

これまで陶磁器で作られてきた瓶子を宙吹き硝子で試みたのが津田清和氏です。

目を凝らすと、かすかに緑色を帯びており、ゆらゆらと波打ち、小さな気泡を含んでいます。

古い硝子の質や陶磁器の形を沢山、研究されているんだと思います。

津田清和氏はこの瓶子を「水のトルソー」とも呼んでおられるそうです。

花は最近、お気に入りのパーロット咲きのチューリップ。

黄色に赤縞が特徴的なフレミングパーロットです。

台にしているのは以前にお客様からお譲りいただいた江戸時代の朱塗棚。

歴史ある棚の上に置き、水をいっぱいに満たすだけで背筋がすっと伸びる瓶子です。

高台が凄く小さいので慎重に扱い、割らないように気をつけます。。。

以上、簡単ではありますが津田清和氏の硝子瓶子のご紹介でした。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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今日の一品 Medicine chest

2022.04.07 Category :


大阪市生野区のお客様よりお譲りしていただきました。

御祖父様の時代から漢方薬店を営まれていたそうで、その頃から貴重な漢方薬を納めていた薬箪笥です。

薬箪笥といえば数百種類の薬を仕分けるための抽斗の数の多さが特徴です。

こちらは朝鮮薬箪笥です。
日本や中国にも薬箪笥はありますが、それぞれに特徴があり見比べるのも面白いです。

水平垂直のものを見ると気持ちがいいですね。碁盤の目のように整った桟が美しい。

ツマミは可愛らしい勾玉形。

東洋医学の世界観を示す陰陽太極図がモチーフなのだと思います。

外れて無くなった箇所はリングやヒートンで代用されています。

全く同じものを見つけるのは難しいですが、風合いの似た金物を探して合わせたいところです。

使われ始めてから100年程は経過していると思われます。

抽斗からは色々な香りがします。漢方薬独特のツンとする香りやズンと重い香りまで様々。

綺麗にメンテナンスして便利な整理箪笥として使っても良いですし、迫力があるのでお店のディスプレイなどにも良いかと思います。

金物はトロトロに経年変化しており、とても良い金味です。

希少な漢方薬は鍵を掛けて保管していたようです。

古くから漢方薬店をされていたため、今では希少価値が高い原料や薬事法上の理由で市場に出せない漢方薬なども沢山残っているそうです。

お客様のご厚意でガラス瓶に保管されていた貴重な沈香である伽羅の香りを楽しませていただきました。
ガラス瓶の蓋を開けた瞬間に言葉に出来ないほどの素晴らしい香りが部屋に広がりました。
時間が経っても、その香りは消えず「これが本物か」と驚きました。

以上、簡単ではありますが買取りさせていただきました朝鮮薬箪笥のご紹介でした。

この度は長年大切にされてきた薬箪笥と貴重な名香体験をさせていただきありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に古いものを幅広く探しております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

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謙虚な美

2022.03.31 Category :


茶道や華道といった高尚な素養は全くありませんが、見様見真似でいけてみました。

椿の蕾は老朽化に伴い解体されることとなった古い家屋のお庭から。

お譲りいただいた花入に以前、すぐに枯らしてしまった山野草の枝を添えて。

花入は高岡銅器の周素觚。

唐銅の落ち着いた色調と曲線が美しい。

水を注ぎ入れた花入の口にできる小さな水面には景色を一変させる力があります。

椿は関西に江戸期から伝わる赤角倉。

淡い紅色の蕾が花開けば千重咲きに。

「花は野にあるようにいけ」と利休さんは言われたそうです。蕾を摘んだ時と同じように雨に見立て水滴を。

月並みですが、とても儚い枝木と蕾の姿を見ていると一瞬という時間が永遠にすら感じられます。

僅かな風や水の揺らぎで呆気なく崩れてしまうので全神経を指先に集中させる。

その時に感じる「無」の境地。

一切の邪念のない心の境地。

いつの日かそんな場所に辿り着けるように修行を続けて参ります。なんつって。

椿:赤角倉
枝:山野草枯枝
花入:唐銅 周素觚 高岡銅器
台:古い木箱

この度は美しい椿と花入をお譲りいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

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A vase with secret emotions.

2022.03.24 Category :


雨が降ったり、晴れ間が広がったりと不安定な天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は朝の陽気が気持ち良く…春眠暁を覚えずでやっていきたいところですが…そういう訳にはいかず…頑張って働きます。

さて、本日は爽やかで心地良い春の季節にぴったりな花器をご紹介いたします。

花器と言っても本来はオイルランプのタンク部分。

永い時を経て火屋は失われ、これだけでぽろっと現れました。

それを花器に見立てたました。

黄色いガラスにミルクガラスで施された植物の茎のようなパターンが印象的です。

古いガラス特有のヌメっした光沢のある質感が有機的なモチーフと調和しております。

1800年代後半~1900年代初頭に開花した美術運動であるアールヌーボーの時代に英国で作られたものかと思います。

お花は近くの花屋さんに薦めていただいたパーロット咲きの白いチューリップ。

蕾の状態から数日で綺麗に花開きました。
花開く前の蕾の姿も可愛らしいチューリップです。

その名の通り、オウムの羽に似た花弁が特徴的です。

白いチューリップの花言葉は「失われた愛」だそうです。

黄色いガラスの正体はただのガラスではなく、ヴァセリンガラス(ウランガラス)でした。

ヴァセリンガラスとは
1800年代中頃~1900年代初頭の約50年間だけ製造された希少なガラスです。
人体に影響の無い僅かなウランが含まれています。

ヨーロッパを中心にアメリカや日本でも短い期間だけ製造され、その希少性と美しさに魅了されるコレクターが世界中にいます。

ブラックライトがなかった当時は夜明け前の紫外線を多く含む空の光の下で発光する姿を鑑賞していたそうです。
とてもロマンチックですね。

以上、簡単ではありますがヴァセリンガラス製のオイルランプ(花器見立て)のご紹介でした。

因みにパーロット咲きの花言葉は「秘めた感情」だそうです。

この度は珍しいヴァセリンガラスのお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

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今日の一品『白磁染付輪違い紋湯呑』

2022.03.17 Category :


兵庫県尼崎市のお客様よりお譲りしていただきました。

今回は個人的なツボに入ってしまった一品です。

廃棄される食器の中になにか良い器が無いか見せていただいていると棚の奥に光るものが……!

白磁にいくつかの輪違い紋が染付された至ってシンプルな湯呑ですが…ありそうでない一品。

なによりも輪という図形にはとても強い思い入れがあり、真っ直ぐに眼に飛び込んできました。

その始まりは古美術商であった祖先が残した石板に刻まれた紋章でした。

この紋章は丸に抜け十字という家紋に似ていますが調べても同じものがなく、オリジナルで創った紋章だと考えています。

当時どういった意味を込めたのかはわかりませんが、この紋章から着想を得て屋号や会社のロゴマークを創りました。

改めてORIGENの関連マークを集めてみると、輪の数が凄いことに……
神秘の数字9!!笑

染付の藍青色もコーポレートカラーの青に近い色で愛着が湧きます。

日常的に使われていたもので箱がありません。高台に銘があるものの確証が持てないので作者の紹介ができませんが、九谷で活躍されている方の作品のようです。

とても気に入りました。大切に使わせていただきます。

この度は輪違い紋のお品ものとの嬉しい出会いをいただき誠にありがとうございました。

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Renovation #1

2022.03.10 Category :


元印刷会社の製品展示室。実は店子としてお借りしている建物の空きスペースです。

長期間使われていなかった為、かなり古びていますが南向きの窓から差す光がとても明るく、開放的な空間はポテンシャル抜群です。

ここを綺麗に改装して展示やイベントスペースを創ろうかと計画しております。

劣化したフロアタイルの接着剤を専用の機械で削り取っていきます。

プロの方にお任せする前に自力作業で工事費用を節約。

Let’s DIY!

業者向けの研磨機械。タフポリッシャーをレンタル。

「機械やし楽やろ」と甘く考えていましたが、凄いパワーの機械をハンドリングするのにはかなり筋力を使います。

早速、自力作業の辛さが身に染み。。。業者さんの労力を痛感しております。。。

さて、どんなスペースになるのやら。華道教室とか良いな~と考えています。先生が居りませんが。。。

つづく。



おくりもの

2022.03.03 Category :


お客様より、お譲りいただきました中国の青磁壺と廃棄することになっていたひな人形を写真に収めてお返しさせていただきました。

中国の青磁壺はお祖父様の時代から床の間に飾られていたもので中国の方からの贈りもの。

ひな人形はお客様が子供の頃からひな祭りの時期に飾られていた昭和のもの。

どちらも実家の処分に際し保管場所に困り、やむ終えず手放すこととなったお品ものです。

今の住宅では床の間の無いのが当たり前なっているので大きな壺の飾り場所に困ってしまうことも多いかと思います。

ひな人形の大きな雛段の組立や保管もとても大変ですね。

昔は大家族が多かったのでそういったことも家族総出で毎年できていたのかも知れません。

お約束から2年もお待たせしてしまいましたが、なんとか今年の桃の節句に間に合いました。

気長に待っていただきありがとうございました。どこかに飾っていただければ幸いです。

この度は大切なお品ものをお譲りいただきまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

Original:男雛女雛 昭和/青磁牡丹唐草文壺 清時代
Revived product:雛人形青磁壺三ツ窓写真飾 令和四年弥生 Limited,1



どこかの街 織源三丁目三番三号

2022.02.28 Category :


「古い蔵を解体することになりました。あちこち傷んでおりますが100年以上もの間、中の品物を守ってくれました。改修工事も考えましたが、もう職人さんが居らず修理は難しいようです。滅多に入ることがないので中に何があるかはわかりません。一度見にきていただけますか」

毎年、ご相談件数が増えている蔵整理のご依頼。
100年以上の時を経た大正時代の蔵は壁や窓、蔵戸などあちこちが古び、危険な状態になっていることも少なくありません。
そんな状態でも分厚い土壁が外界の熱や湿気を遮断し、かろうじて中の品物を守っています。

鏡の如く光を反射する黒漆喰やその隙間が紙1枚と言われる蔵窓の三段切は高度な左官技術。経験豊富な左官職人にしかできない特別な技です。

100年もの時間に耐えられる蔵を建てた当時の職人技は悲しいことに今や失われつつある技術になりつつあります。

解体することが決まり、それからご依頼をいただく場合がほとんどですので蔵の最後に立ち会うことになります。
いつも「なんとか解体せずにこの蔵を活かす道はないのか」と勝手に自問自答しています。

ご依頼くださった所有者様も色々と考え尽くした結果、解体という選択をされている方もいらっしゃいます。
なので蔵整理のお手伝いの際にはお品ものをひとつひとつ丁寧に拝見するように心がけております。

時の止まった暗く冷んやりとした静寂の空間には貴重なお品ものが眠っているかもしれません。
ORIGENでは古いお品ものを幅広く探しております。お気軽にご相談ください。

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from east osaka

2022.02.23 Category :


大阪府東大阪市のお客様より出張買取のご依頼をいただきました。

「家の老朽化している部分をリフォームすることになったんですが、片付けていると古いものが色々出てきました。もう随分捨てたり、欲しい方に差し上げてしまったのですが。。。そんな感じでもいいですか?」とご依頼いただきました。

お気遣いありがとうございます。
おおかたのものを捨ててから「やっぱり一度見に来てもらおうかな…?」となるパターンはご依頼あるあるですので全然大丈夫です!

今回は苦労して自力で処分している姿を見兼ねたご友人の方が「ここのお店に頼んでみたら?」と言って当店を勧めていただいたそうです。どなた様かわかりませんが、ありがとうございます!!

いい御蔵様にいい御庭様ですね。

余談ですが、建築には昔から興味があり今も少しだけ齧っているので準備されているリフォームの計画やお店としての家の活用のお話をしているとついつい盛り上がってしまい…

ご依頼人様「ちょっと珈琲でも飲みながらもう少し詳しくお話しましょうか」と違う方向に…
30分後
私「ところでこの珈琲美味しいですね」
ご依頼人様「美味しい珈琲豆なんで阿倍野まで買いに行ってるんですよ」
私「えっ阿倍野のどこですか?僕、阿倍野育ちなので…」
30分後
私「そろそろ査定させていただきましょうか笑」

御蔵様の内部へ

箪笥や塗物、瀬戸物に贈答品から鏡台、衣桁にスキー板まで色んなものが雑然と保管されています。

木箱の箱書を見ていると家が建てられた大正〜昭和期のものが多く残されています。

ひとつひとつ確認しながら査定対象になるものを探していきます。

古伊万里のそば猪口に伊万里焼の鉢、籐籠や花台、古い着物のハギレ、藍染の古布、芝浦製作所の扇風機などの古いものが色々と見つかりました。

庭に運び出して細かく査定し、一点一点ご説明をさせていただき買取させていただきました。

夕方に別の査定があった為、残念ながらその日に全てを見ることができませんでしたが後日の再訪をお約束しました。

コーヒータイムで少しのんびりし過ぎました。でもそういう心の余裕って大事ですよね。

休憩時にご依頼人様から教えていただいた見晴らし台へ。大阪市内を一望できる絶景スポット。

東大阪市でも山手側は生駒山の豊かな自然を味わえるとてもいい場所でした。

また改めてお伺いさせていただきます。

この度はご依頼いただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

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さて下は前回の間違い探しの答えです!

・鯉幟の目
・鯉幟の鱗
・左奥の女性の襟元の柄
・左手前の女性の裾の柄
・中央奥の女性の着物の柄
・中央の女性の口紅
・竹の節の数
・掛け軸の絵の顔の向き
・右手前の女性の足袋の色
・畳の縁の太さ



Is this the reality of the Meiji era?

2022.02.16 Category :


大阪市住吉区のお客様より随分前に骨董市で見つけて購入されたというステレオグラムをお譲りしていただきました。

インスタグラムではありません。ステレオグラムです。ご存知ですか?

19世紀前半に発明され、欧米を中心に世界的に大流行した写真技法です。

わずかにアングルの異なる写真を並行して貼り付けた台紙を専用スコープを使って見ると視差を脳が勝手に補正し立体的な像が見えるというものです。
今で言うところのVRですね。

僕はスコープを使わずとも交差法(より眼にして焦点を前後に動かす)が得意で手で掴めるんじゃないかと思うほどハッキリした3D画像が浮かび上がります。

当時はステレオグラムを制作する専門の撮影会社が多数あり写真家たちが世界中に派遣されあらゆる風景や人、物が写真に撮られたそうです。

写真が発明されて、ただでさえ写真の発明に驚いただろうに立体的に見えるなんて魔術以外の何物でもなかったでしょうね。明治時代の人の驚きは現代人とは比べものにはならないでしょう。


今回のものはニューハンプシャー州リトルトンにかつてあったキルバーンブラザーズが製造したもののようです。
アメリカアンティークのバイヤーが現地で仕入れ、骨董市で売っていたんでしょうね。

タイトルはJapanese Ceremony in offering a present,Japan.
明治時代に贈り物をする日本人の姿。無論かなり演出されていますね。
焼鳥は原始的な食べもので今も昔も変わりませんね。

古いものが色々写っていたのでついつい取り扱い対象にチェックを入れてしまいました。
明治時代の和小物や煎茶器などは人気のあるお品ものですので、どこかに眠っていないか是非探してみて下さいね。

最後となりましたが、実は1枚目の写真は左右で10個の間違い箇所があります。
超ハイレベルにしてみたので頑張って探してみてくださいね。
写真が小さいのでぜひ拡大しながら見てみてください。
答えは次回2月23日のブログにて!

ORIGENでは明治時代のお品ものを幅広く探しております。
時代物であればどんなお品ものでもお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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よろしくお願いいたします。



織源骨董舗 買受品目の御案内

2022.02.09 Category :


「ようこそおいでくださいました。

織源の橒木権右衛門でございます。本日はどのような御用件でございましょうか。

ほうほう、ふむふむ、左様でございましたか当店ではかような御品物を取り扱っております」

品目一覧に記載しておりませぬ御品物でもどうぞ御気軽にご相談くださいませ。

また買受ではなく、御愛蔵品・所蔵品の売却代行も御受けいたしておりますので御遠慮なく御申し付けください。

当店では古い御品物を幅広く探しております。

店主自ら細かく拝見いたします。

丁寧な査定・明朗会計を御約束。古いものの売却は織源に御任せください。
御品物の買受や売却代行に関するご相談は電気通信通話または電子手紙にてお問い合わせください。
よろしくお願い申し上げます。



丹波篠山の旅

2022.02.04 Category :


古家具の引取りがあり、丹波篠山市へ行ってまいりました。

午後からのお約束前に折角なので少しだけ辺りを散策してきました。

写真は国の伝統建築保存地区である河原町妻入商家群。美しい白壁の建築が立ち並ぶ景色は壮観。

名勝ですね。この日は霰の降るとても寒い日でした。曇りで空が白く、白壁と屋根に積もる雪も相まって少し幻想的な景色。

お気に入りの丹波古陶館に再訪。

平安・鎌倉・室町・江戸期の素晴らしい古丹波コレクションや幻の磁器、王地山焼が見られます。

コの字型の建物内をじっくり順に巡れば外へ出る頃には古丹波に魅了されていることでしょう。

自然釉の美しい緑色の玉垂れを眺めながら「ええなぁ〜欲しいなぁ〜」と訪れる度に嘆いてしまいます。。。

まだ時間に余裕があったので丹波古陶館の近くで昼食をいただくことに。

丹波といえば黒まめ。

黒まめといえば小田垣商店さん。

享保十九年(1734年)に丹波篠山市で創業した老舗豆類卸小売商。

江戸期から大正期の建物が素晴らしい。無論、登録有形文化財。

2021年4月には全10棟のうち5棟が現代美術家の杉本博司氏と榊田倫之氏の率いる新素材研究所の手によって改修されております。

本店に併設された小田垣豆堂では杉本博司氏の手掛けた庭園を望みながら食事ができます。

この日は幸運なことに私だけの貸切状態。

丹波篠山の里山リゾットとODAGAKIモンブラン。。。。。

これは食い道楽には堪らない。
本当に美味しすぎて再訪確定でございます。

最後は黒豆茶でほっこり一息。この後、温泉に浸かって帰ろうかな。

いやいや、古家具の引取りがメイン。お仕事お仕事!!

仕事のことを忘れるくらい丹波黒豆と丹波栗の美味しさに感動しました。。。絶品。。。丹波篠山に行かれた際には是非。

さてそろそろ、引取りに伺うとしましょうか。

ご清聴ありがとうございました。

丹波古陶館
https://www.tanbakotoukan.jp/index.html
王地山焼
https://ojiyamayaki.com/
小田垣商店
https://www.odagaki.co.jp/



どこかの街 織源三丁目六番九号

2022.01.28 Category :

とある街のお話…

「地方の旧市街にある祖父母宅はもう随分と長い間空家になっています。

昭和のはじめ頃からこの地で文具店を営んでいました。

昔はお客さんで賑わっていたこの辺りもほとんどのお店が廃業し、今ではシャッター通りになってしまい街の風景も様変わりしました。

お店と倉庫には大昔に仕入れたと思われる商品や店を始めた頃から変わらぬままの古いものが色々と残されています。」

時折、ご連絡をいただく古い商店の在庫やお店に残された陳列棚や備品の買取りのご相談。

これまで文具店や時計店・玩具・工芸品・陶芸品・額縁・・・・ちょっと変わり種では古い診療所や病院、薬局などなど、一般家庭からのご依頼とは異なる様々なご相談をお受けしてきました。

昔からご商売をされているお店では知らず知らずのうちに古いものが溜まっていることもしばしば…

古い商店に残されているおき古し商品や陳列棚などの古道具類には人気のあるお品ものも少なくありません。

お店を閉めて長い間、足を踏み入れていない古い商店や倉庫などには貴重なお品ものが眠っているかもしれません。

ORIGENでは古いお品ものを幅広く探しておりますので業種に関わらずお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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よろしくお願いいたします。



尼崎のTSUTAYA

2022.01.21 Category :


尼崎にある古いお家よりご依頼をいただきました。

昔ながらの連棟長屋。角地のなかなか味のあるお家です。蔦に覆われた姿は雰囲気があっていい感じですね。

今となっては蔦好きなんですが、中学生の頃に住んでいた家が隣家から伸びてくる蔦に悩まされており、夏場はしょっちゅう壁からひっぱり剥がしていたことを思い出しました。
ある日、根っこから撲滅してやろうと思い、辿りにたどり遂に見つけたボス幹をノコギリで切断したところ、全ての蔦が枯れ果てパリパリになり逆に取るのが困難になったことがあります。。。皆様も呉々もお気をつけください。

さて私のどうでもいい失敗談はこれくらいにしまして、今回のご相談内容のお話に移ります。

失礼ながら、完全にお化け屋敷。。。です。

お判りかと思いますが、右側に大きく傾いております。
中から確認すると柱が腐って床が落ち、かなり危険な状態。一階部分だけでなく二階の床も同じように落ちているので構造的に危機的状況です。

どうしてこうなるのと思うのですが聞けば、ここはご依頼人様の親戚の倉庫だそうで本人が介護施設に入って今後は管理できなくなるので代わりに片付けているとのことでした。

「随分昔に建てた家で以前は住んでいたのですが、いつの頃からか倉庫のようになっていたようです。もうボロボロですが、借地の地代が昔のままの値段でとても安いからずっと借りたままにしていたようです」

とのこと。なるほどお寺が多くある地域なので、恐らく地主さんはお寺さんでしょうね。
地代の値上げもなさそうです。

と言う訳で住まなくなってから数十年もの間、倉庫として色々なものを保管しておられました。昔の人のあるあるですが兎に角、何でもかんでも捨てずに残されております。

茶道と華道の先生をされていたようで古いダンボールには茶碗や花瓶などの御道具が多く入っていましたが、中には紙切れや布切れを詰めた箱もあり、そういった物まで捨てずに保管しているのには感動すら覚えます。

あまりの量にこんなに溜め込まなくても。。。と思いつつも、そうやって捨てずに残していただいているからこそ、こうして品物を手にできるのだとしみじみ感じる次第であります。

家の中の写真も撮りたかったのですが、真っ暗でダメでした。

写真にあるような昭和の水屋などの古家具も人気のお品ものです。

その他には絵葉書や古書、鉄瓶、煎茶道具、古伊万里などの陶磁器類といったものを買取りさせていただきました。

琴浦窯の近くということもあり、和田桐山先生の抹茶茶碗を多くお持ちでした。

私は物の無い時代を経験した世代ではありませんので必要のないものは持ちたくないと感じますが、大量廃棄には疑問があり、既にある古いものを大切にして何かに活かせないかと常々考えています。

きっとこの家の方もいつか何かに活かせる時が来ると信じ、その時を待っていたのかもしれません。

全てではありませんが、少しでも多くのものを橋渡しできるように努めさせていただきます。

この度はご依頼いただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

長年、足を踏み入れていない古い建物の整理や空家の処分の際は是非、お気軽にご相談ください。

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古美術品などの骨董品を中心に時代家具から時代建具といったものまで幅広く取り扱っております。
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よろしくお願いいたします。



HIBACHI tte ENA

2022.01.17 Category :


雪が散らつく寒い日が続いていますね。

こんにちは、こんばんは。

正月気分もようやく抜けて、いよいよ本格始動と行きたいところですが壁や天井を打ち抜いた、だだっ広い鉄骨造の事務所では暖房がなかなか効かずスタッフ全員が毎日肩を震わせながら春の訪れを今か今かと待ちわびております。

と言うわけで今日はそんな寒い季節に大活躍の最近話題のアレをご紹介します!

昔はどこの家庭にも必ずあったものですが、最近はめっきり使われることが無くなりました。

今でも昔ながらのお家に伺えば大抵ひとつふたつは押し入れの奥に眠っているか、庭に転がっているもの。

2022年の内閣府の調査では日本国内において、その約9割は家屋の玄関先に配置され汚染された河川やため池に代わる小魚等の主要な生息地としてアップサイクルされており、人と生き物が共存しえるサスティナブルな社会の実現に貢献しているという調査結果も発表され。。。

ここまで言えばもうお判りのアレです。

火鉢です。

最近話題と言いましたが、ただのマイブームでございます。

火鉢が使われることの無くなった時代に都会で育った僕にとっては火を起こし、掛けた鉄瓶から出る湯気のゆらゆらを眺めているだけで心癒されます。

昔は当たり前だったことですが、今では家で炭火を使うのはなかなか勇気が入りますね。

火の不始末による火事も多かったのでしょうね。連棟木造家屋が多かった時代にひとたび火災が起こると延焼して大災害になってしまいます。そうして段々と使われなくなっていったのでしょう。

幸い事務所は鉄骨・コンクリート剥き出しなので火災の心配は少ないですが、火の粉が飛ぶとドキッとして何処に落ちるかを目で追ってしまいます。

お品ものは信楽焼のもので海鼠釉と呼ばれる黄~濃紺色が混ざり合い流れる色彩が特徴。昭和に大量生産されたものですのでよくあるものではありますが、一点一点異なった景色となっており、見ようによっては面白い。

正直なところ、実用以外にはメダカの水槽かプランターカバーくらいにしか用途が思いつかず、火鉢を引き取る事は少ないのですが写真のものはお客さんに頼まれて(言葉は悪いですが半ば強引に押し込まれてしまった)引き取ったものです。

しかも!!
持ち帰った後によく見ると底部から胴部にかけて30センチものヒビがあるではないか。。。。。。

なんとも残念な気持ちになりましたが、直径が60センチほどもあるので廃棄するのも大変です。何より、そのまま廃棄するのは。。。

そこでヒビに沿って穴を開け、ひとつひとつ手作りした楔を打ち込みました。

どうでしょうか!かなりカッコ良くなったのでは思います!

素材はホームセンターに売っているごく普通の銅の針金です。

短く切って曲げ、金槌で打ち込みました。

最後に薬品で銅を黒く変色させて仕上げ、ヒビの隙間は黒色の新うるしで補修しました。

陶器に穴を開けたり、楔を打つのは初めてだったのでダメ元でしたが案外上手くいきました。

図らずも手にすることとなったキズものの火鉢でしたが、結果的にはヒビを逆手に取ることでありふれた大量生産の火鉢が唯一無二の一点ものとなりました。何より、ものの命を少し延ばせてよかったと思います。

時折、鳴るぱちっぱちっという炭の音が心地良く、ヒーターやエアコンの熱とは異なる炎の暖かみが感じられます。

炎を見ていると何故かとても懐かしい気持ちになり、ぼーっと見入ってしまいます。
遠い過去に刻まれた普遍的な記憶が呼び覚まされているのかどうかはわかりません。

今度、焼芋を作ってみようと思います。

ご静聴ありがとうございました。

信楽焼 海鼠釉 大火鉢
昭和20~30年代