今日の一品 紫被切子鉢

2022.11.24 Category :


大阪市東住吉区のお客様よりお譲りいただきました。

大胆なカットと深い紫色硝子が印象的な切子鉢です。

非常に細かく刻んだ筋と力強く深い筋とが交差し、えも言われぬ美しさを放っています。

器を分割する最も深い筋は笹の葉紋と思われます。

10分割された部分には蜘蛛の巣紋と玉紋が交互に彫られています。

左右対象の蜘蛛の巣紋の美しさもさる事ながら玉紋が凹レンズ効果を生み、器を眺めた時に起こる視覚的効果が眼を楽しませてくれます。

彫の深さを変える事で笹の葉・矢来・霰・魚々子紋など様々な紋様が浮かび上がります。

念入りに磨きを掛けられており、如才無い熟練の手による切子です。

硝子の質や作域から見て昭和初期に大阪で製造されたものと思われます。

切子ガラスと言えば鹿児島で作られる薩摩切子、東京の江戸切子が有名ですが、かつて大阪は切子硝子の一大生産地でした。

東京を凌ぐ数の多種多様な硝子業者がひしめいていたそうで、当時は大阪に行かなければ一人前ではないと言われたそうです。

これだけ手間の掛かった切子硝子ですので当時とても高価なものだったと思います。

所々に欠けがありますが、そんなことは微塵も感じさせない迫力ある一品です。

季節の果物を盛り、テーブルに置くと眼が釘付けになりそうです。

以上、簡単ではありますが昭和初期の紫被切子鉢のご紹介でした。

この度は買取りのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは昭和のものから貴重な時代ものまで古いお品ものを幅広く探しております。

お引越しや空家のお片付けの際には是非ご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォーム・公式LINE等よりお気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。



ORIGEN買受帳 二. Jaeger-LeCoultre Atmos

2022.11.09 Category :


二. Jaeger-LeCoultre Atmos ジャガー・ルクルト アトモス

八月一七日、宝塚市ニテ買イ求ム。

タンクノガス抜ケ、補充セザレバ忽チ止マリヌ。
補充ハ専門ノ技師ニ頼ムベシ。サレド高シ。



蔵戸引取り in 阿倍野区

2022.11.02 Category :


先日、蔵整理にお邪魔させていただいた大阪市阿倍野区のお客様宅に蔵戸を引取りに伺いました。

塗籠仕上げの重厚な観音扉の奥にある蔵戸。
格子組に金網を張ったシンプルなもので鏡板は欅の一枚板です。

長年、風雨と陽射しに耐え随分と木が痩せてしまっており、傷みが激しいので住宅には不向きですが、メンテナンスをすれば店舗などでもう一度使えるかと思います。

貴重な鍵付き
蔵にとても思い入れのあるご依頼人のお母様。
かつては質屋業をされていたそうで子供の頃にはよく家業の手伝いで質預かりの品物を蔵に運んでいたそうです。

「整理していたら、また査定して欲しいものが見つかったので出しておきました」
と追加でご準備くださりました。
ありがとうございます!
青磁の獅子置物や瀬戸の器に錫の酒器などなど年代物が色々。

ブリキ缶や空き箱に入った古い小物達。
「捨てるなんて勿体ない」
「いつか何かに使えるだろう」
きっとそう考えてそっと仕舞っていたのだと思います。

古い箪笥の引手はひとつひとつ紙に包んで保管されていました。
今の家具では金具を外して大切に保管するということはあまりないでしょうから驚きですね。
物を大切にする気持ちを受け継ぎ、どこかに使いたいと思います。

蔵を解体するのはとても寂しく、忍びない気持ちでいっぱいだそうですが将来の事を考えてご決断されたようでした。
微力ではありますが、お譲りいただいたお品ものを引き継いでくださる方の元に橋渡しさせていただきます。

この度はご依頼くださり誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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よろしくお願いいたします。



スタッフMの日録:2

2022.10.21 Category :

こんにちは。スタッフMです。
突然ですがクイズです。
これは一体なんでしょうか?

正解は…
色々な腕時計の内臓部品たちです。

デジタル時計があたりまえになって久しいですが、
こうして改めてひとつひとつのパーツを観察してみると
時計とは本当に機構そのものなんだなと感嘆します。

この仕事に携わっていなければ意識せず、
知らずに生きていたろうなというものに出会って
自分の認識や感覚が広がっていくのを実感する瞬間というのが、
つまり普段のお仕事のなかで”印象に残る瞬間”なのかなぁと思います。
小さな小さな時計のパーツ、ユーモアを感じる根付の意匠、手彫りのお仏像…
対峙するのがどんなお品物であってもそういった瞬間があります。


商品選定時に不要とされたものの中で、
どうにも気になったり愛着が湧いて捨てられなかったものたちを少しだけ、
こっそり机の棚の上に安置しています。
ほんのちいさいものだけ。
作業の合間にふと見上げて癒されています。



ORIGEN買受帳 一. 李朝十二角虎足小盤

2022.10.14 Category :

今日からORIGENの買受帳を公開します!
ぜひごゆっくりご覧ください。

一. 李朝十二角虎足小盤

七月二二日、大阪市阿倍野区ニテ買イ求ム。
少々脚ガ不安定ナルモ、意匠ト経年ニヨルソノ深イ趣ハ失ワレズ。
修繕ノ後、販売ス。



蔵整理 in 阿倍野区

2022.10.07 Category :


大阪市阿倍野区のお客様より、蔵整理のご依頼をいただきました。

お祖父様の建てられた母屋の一部と蔵を解体するにあたりご相談くださいました。

蔵整理と言ったものの…事前に査定の準備をしてくださり、ご依頼者様自らお品ものを蔵から別室へと運んでくださっていました。
ありがとうございます!

どんなものがあったかと言いますと明治時代の瀬戸物や漆器を中心に火鉢や鉄瓶、雛人形などなど昔の暮らしぶりを窺い知れる生活用品などです。

当時の服装を想像できるものもありました。
お祖父様のものと思われる洒落たフェルトハット。
明治時代に地方から大阪に出てこられ、当時まだ手付かずだった阿倍野の土地を切り開いた方だったそうです。

捻り文の染付豆皿やふくら雀の豆皿など可愛らしいお品ものが共箱・揃いで残っていて嬉しかったです。

その他にも鉢や雛茶碗、塗椀などなど小さなものを多数お譲りいただきました。

この度はお祖父様の代から引き継がれてきたお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

解体工事の直前に再度、蔵戸の引取りにお伺いすることになっていますのでそちらもご紹介できればと思います。

以上、簡単ではありますが蔵にあった明治時代のお品もの紹介でした。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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よろしくお願いいたします。



Renovation #3

2022.10.04 Category :


パテ
次の日もパテ
また次の日もパテ
パテ
来る日も来る日もパテ

気になったのでざっくり計算してみると約20000パテでした。

ひたすらにパテを打ち続ける職人さんには脱帽です。

しかし、その苦労も塗装してしまえば無に帰します。

否!

見えない部分の努力があってこその仕上がり。
むしろ見えないことがいい仕事である証かと思います。

早速、養生シートを外して家具を並べてみたり、商品を撮影してみたりしてみました。

日中は南側の窓から入る光が部屋全体によく回りますので開放的でとても気持ちがいいです。

今後は自主企画で展示を行ったり、ギャラリー・教室・撮影スタジオ等をお探しの方にむけて貸し出しさせていただく予定です。
また詳しい内容が決まりましたら改めてお知らせいたします。

そして施設概要のお知らせ前ですが、10月22日より人物デッサン・クロッキーの自習室、上本町デッサンスペースさんにお貸しする事になりました。
ご興味のある方は是非、下記リンクよりご覧ください。

上本町デッサンスペース
WEBサイト
予約サイト
Instagram @u_d_space

場所:大阪府大阪市天王寺区城南寺町1-16 3F SHINGAN

●10月スケジュール
裸婦デッサン
22日、29日16:00〜18:00(2日間同じ固定ポーズ)

裸婦クロッキー
23日 14:00〜16:00
30日 18:00〜20:00

着衣クロッキー
23日 18:00〜20:00
30日 14:00〜16:00

▼前回

Renovation #2



スタッフMの日録:1

2022.09.21 Category :

初めまして。スタッフMです。
商品の清掃や修復を主として、社内の何でも屋としてさまざまなことを担当させてもらっています。
これから印象に残った商品やお仕事の日常を紹介していきたいと思います。
第一回目となる今回は、普段のお仕事に使っている道具たちをご紹介いたします!



甲を鎧ふ #6

2022.09.14 Category :

皆様こんにちは。スタッフのOです。
「甲を鎧ふ」シリーズ第6回は吉川元春の「総金桃象兜」をご紹介します。

前回ご紹介した毛利元就の次男である元春。
毛利家と同じ安芸(現在の広島県)の国人領主である吉川家の養子になった元春が吉川家の家督を継いだことで、毛利家は勢力を強めます。
また小早川家の家督を継いだ実弟・小早川隆景と共に毛利家の中国地方経略をサポート。
この体制は毛利両川(もうりりょうせん)と称され、現代にも伝えられています。

今回ご紹介する「総金桃象兜」。
まったく同じデザインのものは見つかりませんでしたが、
元春が宗形神社に奉納したと伝えられている「桃形兜」と鉢の形が、
前立は毛利家因縁の相手である尼子家に仕え、
元春とも戦った山中鹿助の「鉄錆十二間筋兜」に取り付けられたものと似ています。

▼参考リンク
・米子市 市指定文化財「桃形兜」
・吉川史料館「吉川広家展 展示品のご紹介 鉄錆十二間筋兜」


敵である鹿介の前立と似ているのはなぜでしょうか?
両者の間にはこんな話があります。

鹿介は城を包囲した元春に、主人・尼子勝久の命乞いをするも勝久が自害したことで
元春に自身と部下は見逃してもらうことになります。
また元春は敵ながら戦いぶりを認めており、毛利家の家臣として土地を与える約束まで。
しかし元春も知らなかった計画により鹿介は毛利家に殺害されてしまいます。
これを哀れんだ元春は鹿介が投降した際身に付けていた兜を家宝としました。
それが現在も吉川資料館でそれが保管されています。

加藤一冑はこの話を元に、現実では前立の失われている「桃形兜」に月の前立をつけたのかもしれません。

鉢は今までご紹介してきた兜に比べて素朴な印象を受けますが、
三日月のような大きな前立がかえって引き立っており、
全体のシンプルなデザインと相まって堂々としたおもむきを感じさせます。

威厳を感じさせつつも煌びやかな印象を与える鉢と錣(しころ)の金色は、
兜飾りとして家の中の風景にもよく映えるかと思います。

以上、簡単ながら「総金桃象兜」のご紹介でした。

全16回を予定していた「甲を鎧ふ」シリーズですが、誠に勝手ながら今回で終了となります。
お読みいただいた方々に心より感謝とお詫びを申し上げます。

吉川元春
戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した安芸国(現在の広島県)の武将。
1530年(陽暦)生まれ。
弟の小早川隆景とともに毛利家を支えつつ各地の戦に参戦し、毛利家の山陰地方経略に大きく貢献した。
勇猛な一方で学問も好んだとされており、書写した太平記は重要文化財に指定されている。
1586年、九州での戦に参加するも病を患い、陣中にて57歳で死去。

加藤一冑(2代目)
1933年生まれ、東京出身の甲冑師。
兜飾りを制作しつつ、実物の甲冑の模造や修理なども行っている。
国宝などに指定された甲冑の模造・修理で名を馳せた初代より技術を学び、1969年に「加藤一冑」を継承、現在に至る。
2009年に「東京都名誉都民」を受賞。



美術館散歩 in 大阪中之島美術館

2022.09.07 Category :


大阪中之島美術館で開催中の岡本太郎展とみんなのまち大阪の肖像(2)を見に行ってきました。

今年の春に開館した大阪中之島美術館。
開館当初は沢山の来館者でごった返していましたが、随分落ち着いてきた様子でした。

大人気の岡本太郎展もストレス無く、観覧できましたよ。

一番好きだった作品。

生涯、自分の作品をほとんど手放さなかったという岡本太郎のパリ時代の作品と推定される抽象絵画。

93年にパリのゴミ集積場に捨てられていたものをとあるデザイナーが発見し、拾って保管していたものだそうです。

パリ時代の作品は大戦でその殆どが焼失しているそうです。
詳しい経緯は不明ですが、残った僅かな作品が廃棄寸前から奇跡的に現代にまで生き残り、
幻の作品をゴミ集積場で手にするというのはとても夢のある話ですね。

丸と歪に曲がった線が太陽の塔に描かれているものに似ているなぁと思いました。

みんなのまち大阪の肖像(2)では大阪にゆかりのある作家の作品や企業の製品が展示されています。

こちらの家電コーナーがなかなか良かったです。

どれも個性的かつ細部にまで妥協せずに製造されていることが伝わってきます。当時の家電メーカーにとって夢のある時代だったんだなと感じます。

カラフルでポップなデザインは今見ても新鮮なデザイン。斬新でユーモアを感じる広告物も面白い。

古いお家に行くとレトロな小型家電はよく見かけますが、冷蔵庫や洗濯機はなかなか残っていないなぁと思いながら眺めました。

10月22日からはお隣の国立国際との共同企画ですべて未知の世界へーGUTAI 分化と統合が開催されます。
今から楽しみです。

大阪中之島美術館https://nakka-art.jp/
大阪中之島美術館 国立国際美術館 共同企画
すべて未知の世界へーGUTAI 分化と統合https://nakka-art.jp/exhibition-post/gutai-2022/



今日の一品 美術竹芸

2022.09.03 Category :


大阪市阿倍野区のお客様よりお譲りしていただきました。

梅文様の可愛らしい竹細工。

日本家屋の室内装飾に使われる竹丸窓と呼ばれるもので和風建築には欠かせない一品です。

長年、美術竹芸の職人をされていた方が残されたお品もの。恐らく注文が入った時のために作り置いていたものかと思います。

材質は煤竹。

煤竹は藁葺き屋根の家屋を取り壊す際に天井からとれる竹材。
囲炉裏の煤に燻され飴色に変化するのには凡そ100年から200年もの歳月が必要です。

近年は藁葺き屋根の減少に伴い、煤竹の量も減っているそうです。

色が少しだけ薄い部分は縄の結ばれていた部分です。

巻紙の新聞紙もなかなかの年代物。

「軟弱な言葉は似合わない」
なんの記事でしょうね。

昔はどこの家にもあった竹丸窓ですが、今では昔ながらの大工さんの建てる家か凝った人が建てる数寄屋建築でしか使われないものになっています。

買取りでお邪魔する古いお家ではよく見かける竹丸窓。
本来は土壁の中に埋め込むものですが、壁に掛けるだけでも絵になります。

障子の隙間から見える梅の花を上手く演出した面白い一品かと思います。

以上、簡単ではありますが煤竹の丸窓のご紹介でした。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



本日の出張買取 in 近江八幡市

2022.08.31 Category :


滋賀県近江八幡市へ、出張買取りに行って参りました!

「祖父が残したものと父がずっと置いていた古い物を査定していただきたいです」とご相談くださいました。

骨董市で買ってきたお品ものから形見分けで受け継いだものといったものまで色々とお持ちという事でご自宅にお伺いさせていただきました。

昭和の掛時計や伊万里の大皿、古銭や切手に絵葉書などなど、色々とご準備くださいました。

こちらは曽祖母さまから受け継がれてきたという鼈甲の櫛と染付磁器の帯留。

金蒔絵で細密な図柄を施した髪道具。ひとつの櫛を作るのに一体どれほどの手間隙をかけているのだろうか…といつも思います。途方も無い時間をかけて作られたものを捨ててしまうのは忍びないですよね。

お父さまとお祖父さまが収集していたという古銭類。

価値のある古銭である一圓銀貨に貿易銀!
おぉっと思いきや…贋作でした…残念。

昔から贋作が多い古銭ですが、最近では3Dプリンターで複製されたものがあり、顕微鏡で見ないとわからないらしい…です。恐ろしい…気をつけなければ…
今回のものは本物の目方を満たさないよくある贋作でした。

こちらは指物師をしていたというお祖父さまの作られた小抽斗。

テープの跡がちょっと残念ですが、なんとかなるでしょう。
古いものですのでくたびれてはいますが、磨けばまだまだ使えます。

今回は大阪から少し距離のある滋賀県八幡市からのご依頼でした。
「遠いけど大丈夫ですか」とお気遣いありがとうございます。滋賀県内は全域出張エリアですので遠慮なくご相談くださいませ!
近畿一円出張費無料で参上いたします。

この度は数ある買取店の中から弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは昭和の懐かしいものから貴重な時代ものまで幅広いお品ものを取り扱っております。

「処分するには忍びない」と思われましたらどんなものでも遠慮なくご連絡ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 献上の壺

2022.08.19 Category :


大阪市天王寺区のお客様よりお譲りいただきました。

「家にある古い物を処分するので…一度見にきてもらえますか…ガラクタしか無いかもしれませんが…」
とご依頼いただきお伺いさせていただきました。

昭和の記念品や贈答品でいっぱいの押入れの中を見させていただくと…奥の方にひときわ古いダンボール箱が埋れています。

引っ張り出して中を見てみると小さな壺が目に映りました。

ガラクタ(≒宝)に紛れてなんとも可愛らしい茶壺があるではありませんか。

鉄釉と白釉が掛け分けられ、肩には灰釉が少しだけ流し掛けられています。
そして三つの耳がついたお決まりの様式と言えば…

江戸時代に信楽で焼成された腰白壺です。
徳川家や諸大名など当時の有力者への献上茶を詰めるために御用御茶壺として用いられた一品。

それまでは焼締陶器であった信楽焼が施釉陶器となった最初期に焼成されたのが腰白壺だそうです。

どういった経緯で押入れに収まったのかはわかりませんが「多分、おじいちゃんの物?だと思います」との事でした。

ゴロゴロとあちこちを転がって辿り着いた押入れの中で随分と長い間眠っていた様です。

汚れたガラクタがひょっとするとお宝に化けるかもしれません。

以上、簡単ではありますが信楽焼の腰白壺のご紹介でした。

腰白壺
信楽焼
高150mm×口径59mm×胴径115mm×底径68mm
江戸時代後葉
大阪市天王寺区出押入れ収納出
Tea-leaf jar with iron and white glaze, KOSHIJIRO type Shigaraki Ware
Late Edo period
Found in a closet, Tennoji Ward, Osaka City

※KOSHIJIRO type = jars with white(JIRO) glaze on the lower part(KOSHI).
※It lost a wooden lid.

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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甲を鎧ふ #5『烏帽子の兜』

2022.08.12 Category :


皆様こんにちは。スタッフのOです。
「甲を鎧ふ」シリーズ第5回、今回は毛利元就の「烏帽子の兜」をご紹介します。

元就は戦国時代のさなか、安芸国(現在の広島県)の国人領主・毛利弘元の次男として生まれましたが、次々と親族が亡くなったことで長らく不遇の時を過ごします。
ですがその後、家督を継ぎ、並み居る武将を打ち倒したことで中国地方全体を領するほどの戦国大名に。

また、元就といえば協力・結束の重要性を3本の矢に例えた「三矢の訓(みつやのおしえ)」が有名ですが、これは元就が自身の子供たちに送った書状が元になってつくられた逸話だそうです。

▼参考リンク
・一般社団法人 三原観光協会 『三原観光navi』

今回ご紹介する「烏帽子の兜」。
このデザインが実在するのかわかりませんでしたが、
厳島神社に毛利元就が奉納したものとして『銀小札白糸威胴丸具足』というものがあり、その兜が烏帽子形をしています。
また、元就が活躍した戦国時代では、儀礼的な場において烏帽子が用いられていたそうです。

▼烏帽子に関する兜についてご紹介した過去のブログ記事
・鎧を甲ふ #2『長烏帽子形兜』

そして毛利家といえば一文字に三つ星紋ですが、
元就は合戦前に戦の縁起物の沢鷹(おもだか)にトンボが止まったのを見て勝利を確信、
本当に勝利しことから「長門沢鷹紋」をもう一つの家紋にしたという話があります。

トンボは前にしか進まないことなどから
戦への意気込みと重ねられ勝虫(かちむし)と呼ばれ好まれていたとのこと。
トンボが作品の意匠として取り入れられたのも納得です。

※長門…現在の山口県の北西部の辺りの旧国名。 長州。

▼参考リンク
ホットライン教育ひろしま 銀小札白糸威胴丸具足
レファレンス協同データベース 「トンボのことを「勝虫(かちむし、かつむし)」と呼ぶが、その由来などが知りたい。」

加藤一冑によるミニチュア作品は、金色のトンボや烏帽子形の鉢が煌びやかながらも水浅葱色の緒があることで落ち着いた雰囲気に。
また、錣(しころ)の黒と紐の少し深みのある茶色が兜全体の印象を引き締めているように感じられます。

以上、簡単ながら「烏帽子の兜」のご紹介でした。
次回は元就の子である吉川元春をご紹介できればと思います。

毛利元就
戦国時代に活躍した安芸国(現在の広島県)の武将。
1497年(陽暦)生まれ。
家督を継いだのち、「厳島の戦い」などの大戦を経験。
一代で中国地方の統一を果たし、広大な領土の支配体制を整えることに尽力した。
1571年、75歳で死去。

加藤一冑(2代目)
1933年生まれ、東京出身の甲冑師。
兜飾りを制作しつつ、実物の甲冑の模造や修理なども行っている。
国宝などに指定された甲冑の模造・修理で名を馳せた初代より技術を学び、1969年に「加藤一冑」を継承、現在に至る。
2009年に「東京都名誉都民」を受賞。



姫路の浄土

2022.08.05 Category :


姫路市への出張査定帰りに天台宗別格本山である書寫山圓教寺に行ってまいりました。

何の気なしに目を向けた町の掲示板に貼られたチラシで
境内のお堂で現代美術家の展示が行われていると知り、
これは何かのお導きではないかと思い立ち寄ることにしました。

圓教寺のことを何も知らずに向かったため、
てっきり目的のお堂近くまで車で行けるかと思いましたが
目的地に着くとそこは山の麓。。。
圓教寺は山岳寺院で登山道を歩いて登るかロープウェイで上がるかしかないとのこと。。。

閉場の時間も迫っており観覧できるかも不安なため、どうしようか悩みましたが
これもきっと阿弥陀様のお導きと思いロープウェイに飛び乗りました。

ロープウェイ山上駅から更にバスに揺られて無事に山道に到着したものの境内は広く、
目的のお堂である常行三昧堂までは少し距離があります。

小走りで走りながら舞台造りの摩尼殿やお地蔵様をゆっくり見たいなぁ〜と思いつつ
原生林の木洩れ陽の中、先を急ぎました。

勾配のある参道を最後まで登り切ると大講堂(重要文化財)が現れます。建造は室町中期。

ゴリゴリの室町枓栱ときょうをじっくり眺めたいところでしたが
閉場まで時間がないので今回はお預け。

その大講堂の正面にある常行三昧堂(重要文化財)に鎮座されるのは木造阿弥陀如来坐像でございます。

何とか間に合いました。

圓教寺を創建した性空上人の弟子である安鎮の作。造立は1005年だそうです。

千年以上前のものとは驚き。お堂の中心に鎮座する像高3メートル近い阿弥陀如来様は圧巻です。

一切の無駄を排した簡素な設えがより存在感を際立たせているように思います。

阿弥陀様の周囲には現代美術家杉本博司氏の光学ガラス製の五輪塔が並びます。

全方位に配置される五輪塔は阿弥陀如来様をお守りする菩薩様の様にも思えます。

よく眼を凝らすと五輪塔の内部には遥か昔から変わらぬ景色が。。。。。。

御念仏を唱えながら阿弥陀様の周りを廻ればきっと悟りの境地へと到達することでしょう。

時を超えて衆生を極楽浄土へと誘うべく、阿弥陀様は今日も説法を続けられます。

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…………………………….

圓教寺には他にも文化財や史跡が多数ありますので再訪したいと思います。

次回は修験者に成りたいと思います。。。。。。

『圓教寺×杉本博司 Five Elements 五輪塔 地 水 火 風 空』展は8月31日まで
開場時間が10-16時
詳しくは公式HPをご覧ください。
圓教寺公式サイト
小田原文化財団公式サイト
姫路市立美術館公式サイト



お盆休みのお知らせ

2022.08.03 Category :

今年も開催されます、ORIGENのお盆休みのお知らせです🍆🥒
お盆休み中も電話・メール・LINEでのお問い合わせを受け付けております!
どうぞお気軽にご連絡ください。

通常営業は8/17(水)からとなります。

お休みの方も、ご多用の方も、どうぞご自愛ください。



どこかの街 織源町九丁目六番三号

2022.07.29 Category :


「古くなった実家。空家になり、片付けないと。と思いながらも早5年。。。
思うように手が進まず、時間だけが過ぎてしまいました。見に行く度に傷んでいく実家。
今年こそ処分したいと考えています。ご相談させていただいてもいいでしょうか。。。」

毎年、ご相談件数が増えている空家整理に伴う出張買取りのご相談。
何から手をつけていいのか悩んでしまい、片付けが一向に進まず、
気づけば数年もの歳月が経過してしまった。
という方も少なくありません。

「全て廃棄してしまおうか、、でも誰か使ってくださる方がいるかも、、
売れるかな、、売れないか。。。勿体ないなぁ。。。」

築年数の古いお家であればあるほどに長い年月をかけて溜め込まれた品々が大量にあり、
親や祖父母の残したものの思い出を整理しながら思い入れのある品を探したり、
価値あるものを探したりしなければなりません。

ただでさえ忙しい日常生活に加え、
物を大切にしたいと考えておられる故に時間が掛かってしまう状況。
よく分かります。

実は長い時を経たものを短い時間できちんと仕分けするのはとても気を遣います。
じっくり見る余裕のない査定は、どうしても見落としなどしやすいため
ぜひゆとりがある状況が望ましいです。

ですが実際はみなさま色々なご事情があり、
時間が全くないという方からのご相談も少なくありません。
急な不動産売却やお引越しに伴う家財品の整理で1週間以内に査定してほしいといった案件から、
なんと「今日明日中に査定して全て引き取ってほしい」というタイトなご依頼も。

そのような場合でも遠慮なくご相談ください。
可能な限り迅速にお伺いして細かく丁寧な査定をさせていただきます。

・どこに相談していいのか判らず、時間を掛けて業者を探されている方
・急な依頼でどこの業者さんにも査定・引取りを断られてしまった方
・一度、別の業者さんに見てもらったけれど少ししか引き取ってもらえなかった方

など、同じ想いや経験をお持ちの方が沢山居られるかと思います。

ORIGENではご相談内容に応じて適切な査定ができるように努めておりますので、
いつでもお気軽にご相談ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



甲を鎧ふ #4『紺糸威胴丸具足』

2022.07.22 Category :


皆様こんにちは。スタッフのOです。
早くも第4回となった「甲を鎧ふ」シリーズ、
今回は織田信長の「紺糸威胴丸具足(こんいとおどしどうまるぐそく)」をご紹介します。

織田信秀の三男だった信長は、元服した5年後に父が死去。
家督を継ぎ、一族間の激しい勢力争いも蹴散らし尾張を統一。
その後も「桶狭間の戦い」や「長篠の戦い」など数々の大戦を経験し、
怒涛の勢いで領地を拡大、朝廷から高級の官職へ任命されるなどします。

そんな信長が着用したと伝えられている「紺糸威胴丸具足」。
威(おどし)は札(さね)と呼ばれるパーツに紐を通してつなぎ、甲冑をつくりあげること。
「紺糸」は藍染によるもの。
藍の持つ殺菌・防虫効果による実用的な面と、
また古くはこの色が「褐色(かちいろ)」と呼ばれたことから験担ぎとしても好まれたそう。

また、織田信長といえば南蛮由来の品々を身に付けた
洋風の出で立ちをイメージされる方が多いかと思いますが、
史料から確認できる情報などから、現在ではこの具足のように
日本では一般的なデザインの甲冑を身につけて戦っていたというのが定説のようです。

兜には織田家の家紋である木瓜紋と鍬形の前立が取り付けられています。
また、加藤一冑によるミニチュア作品には吹き返しにも木瓜紋の飾りが取り付けられています。
鉢は筋兜(すじかぶと)と呼ばれる形で、これは時代の変遷に伴って戦い方が変化したことにより
大型化した兜を軽量化するために工夫された形だそう。

実物の具足は、信長の次男を祖とする柏原織田家に伝来し、
信長を祀る京都の建勲神社(たけいさおじんじゃ)に奉納されたとのこと。
信長が命を落とした京都に具足が辿り着くのは、必然にも思えますね。

以上、簡単ながら「紺糸威胴丸具足」のご紹介でした。
次回は毛利元就をご紹介できればと思います。

▼参考リンク
徳川美術館『夏季特別展 信長・秀吉・家康 -それぞれの天下取り-』
京都国立博物館 コレクション 『紺色威胴丸 兜・大袖付』
建勲神社 ホームページ

織田信長
戦国時代から安土桃山時代の尾張(現在の愛知県)の武将。
1534年(陽暦)生まれ。
様々な戦を経験し勢力を強めるも、当時の家臣である明智光秀の謀反により天下統一に届くことなく一生を終える。
1582年、京都にて死去。

加藤一冑(2代目)
1933年生まれ、東京出身の甲冑師。
兜飾りを制作しつつ、実物の甲冑の模造や修理なども行っている。
国宝などに指定された甲冑の模造・修理で名を馳せた初代より技術を学び、1969年に「加藤一冑」を継承、現在に至る。
2009年に「東京都名誉都民」を受賞。



本日の出張買取り in 堺市

2022.07.15 Category :


大阪府堺市のお客様より、古い建具をお譲りいただきました。

草木が鬱蒼と生い茂るお庭が印象的なお屋敷です。

二百坪はあろうかと思われる敷地には茅葺屋根の母屋に増築された建物、土蔵、納屋が立ち並びます。

母屋は恐らく明治期に建てられたものかと思いますが、大正-昭和期に生活様式の変化に合わせた大規模な改修工事が行われているようです。

今回は空家になっていたご実家の処分を決断され、解体工事前にご依頼をいただきました。

家を建てた方から見れば孫や曽孫に当たる世代の方が受け継いだ古いお家の処分を決断する。そのようなケースが年々とても増えてきていると肌で感じております。


さて庭に面した縁側に取り付けられている建具はとても綺麗な比率で分割された硝子引戸。
正方形で分割しただけのものはよく見かけますが、バランス良く3種類の矩形で分割したものは比較的珍しいデザインです。恐らくお誂え品かと思われます。

欄間は磨りガラスと合わせた格子になっております。こちらも綺麗ですね。


折角なのでデザイン部に『モンドリアンのコンポジション風、大正ロマン色ガラス仕立て』と発注しました。笑

住まわれていた頃は庭木も綺麗に手入れされさぞかし綺麗なお庭だったことでしょう。草木の生命力がすごいですね。

以上、簡単ではありますが買取させていただいた大正期の硝子引戸のご紹介でした。

この度はご依頼いただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

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品格

2022.07.07 Category :


どこかで撮影した古い家屋の格子戸
光を拡散する磨りガラスと組み合わさると形容しがたい美しさを放つ。
狂いなく連続する整列体を好物とする私にとっては見ているだけで意識を失ってしまいそうになる代物です…

長さの異なる材の組み合わせ方や本数でその家の職業がわかるという親子格子。
写真の組み方は呉服屋格子
美しさと実利を兼ねた合理的な格子戸でした。

ORIGENでは昭和初期以前の時代建具や照明器具、古家具などを探しております。古い家屋の解体をされる際などには是非ご一報ください。

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