こんにちは。スタッフNです。
新学期や新生活が始まった4月。皆様いかがお過ごしでしょうか。
奈良県生駒郡三郷町のお客様より、戯れる仔犬たちをかたどった可愛らしい置物をお譲りいただきました。
丸々とした仔犬たちが無邪気にじゃれ合う様子を見事に再現しており、今にも動き出しそうに感じます。
このお品ものは、骨董品がお好きだったというお祖父様が気に入っておられたお品のひとつで、長い間お手元に置かれていたそうです。
銘が彫られていないため、作者は不明ですが、作風から察するに円山応挙の仔犬図を模して作られたものと思われます。
明治から大正初期頃に制作されたものと推定され、ふっくらとした造形や躍動感あふれるポーズから、犬好きの職人が心を込めて作り上げたのではと妄想しています。
円山応挙は当時としては珍しく生まれて間もない仔犬を絵の主題として描いており、なかでも東京国立博物館所蔵の名品「朝顔狗子図杉戸」はご存知の方も多いのではないでしょうか。
応挙の描く仔犬たちは、垂れた耳や眠たげな瞳、短いマズルなど、生まれたての仔犬の特徴を丹念に描いており、応挙の仔犬に対する愛着が伝わってきます。
こうした仔犬たちの愛らしさや、柔らかな質感を金属で再現した職人の技術も見事です。
※マズル:動物の口吻・鼻面
あまりに愛らしいので会社の入り口に飾っておりますが、その無邪気な姿はスタッフだけでなく、お客様やご来訪の方々にも好評で自然と笑顔があふれます。
特に短い尻尾が可愛らしく、小さな尻尾をめいいっぱい振っている姿が目に浮かぶようで日々の疲れも癒される思いです。
この度は大切なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。
品名:銅器|仔犬置物
産地:日本|無銘
時代:明治-大正初期頃
東京国立博物館公式サイト↓
朝顔狗子図杉戸
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