スタッフ日録:回転丸椅子の再生#17

2024.07.26 Category :


暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こんにちは。スタッフNです。

今回は以前にスタッフ日録で紹介した肘掛け椅子と同じようにリペアした古い回転椅子についてご紹介させていただきます。

この丸い回転椅子はおそらく大正から昭和初期頃のものと思われます。

昔は座面のネジをクルクルと回転させて、高さ調節するタイプの椅子が一般的でしたが、油圧式の椅子が登場してからはその姿を見かけることが少なくなりました。

天板と脚はシンプルな作りですが、丈夫な無垢材を使用しているため、長い年月を経た今でもしっかりしていて驚きました。

座面の張り替えは職人さんに依頼しました。

古くなり傷んだ稲藁と麻布を取払い、柔らかく座り心地の良いウレタンに詰め替えてもらいました。

手の感覚を頼りに丸く成形し、均等な高さや厚みに整えます。

最後は生地がシワにならないよう伸縮も考え丁寧に布を張り、鋲を打って完成です。

引き取った時はボロボロで傷んだ椅子でしたが、生地を張り替えて拭き掃除しただけで、見違えるほど綺麗に仕上がりました。

鮮やかな山吹色が空間の雰囲気を明るくしてくれるので、密かに気に入っています。

時々、撮影の小道具として使用したり、スタッフの休憩の際にも活躍しています。

皆様のお住まいにも古い家具や壊れて仕舞われたままの家具がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。


品名:回転丸椅子
産地:日本
時代:大正-昭和初期


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ついに完成|本うるし金継ぎ教室 in ORIGEN


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スタッフ日録:和菓子のかたち#16

2024.07.12 Category :

和菓子木型
奈良県大和高田市にお住まいのお客様より、和菓子の菓子木型をお譲りいただきました。

この木型は古い建物の屋根裏に眠っていたものを店主が見つけたものです。

ご依頼人様は木型の存在すら知らなかったそうで、なぜ屋根裏に木型が残されていたのかはわからないそうです。

四季折々の花や伝統文様が彫刻された木型は、落雁などの干菓子や煉切などの上生菓子を作るのに欠かせない製菓道具です。

機械化や大量生産が当たり前となった現代では、職人の手で作られた木型は非常に貴重なお品ものです。

私自身も、かつて製菓業界に携わっていたため、職人が技巧を凝らし古くからの伝統を受け継いできた製菓道具を見ると深い感慨を覚えます。
和菓子木型
木型職人は和菓子職人の想いを的確に汲み取り、数種類のノミや彫刻刀を用いて繊細な意匠を彫り上げます。

木型には水に強く耐久性に優れた桜の木が使用されておりますが、現在では桜材の入手がしづらくなり、木型職人の数も非常に少なくなっています。

こうした背景の中で職人たちが丹精を込めて作り上げた木型は、資料としての価値も高く、日本の伝統や季節の移ろいが感じられる高い彫刻技術が国内外で評価されています。
和菓子木型
和菓子の木型はお菓子作りの道具でありながら、美術館で展示されるなど単なる道具を超え芸術作品としても評価されています。

経年劣化によって摩耗し乾燥でひび割れ傷んだ木型は、木の枠を足したり修繕することで長く使い続けることができます。

お譲りいただいたお品ものの中にも、ひび割れを釘で修理したものがありました。

傷んだ道具も捨ててしまうのではなく、繕い直し大切に使われていたことが伺えます。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。


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館林源右衛門|出張買取 in 大阪市阿倍野区


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スタッフ日録:獅子鈕牡丹文象耳香炉#15

2024.06.28 Category :

大阪府柏原市にお住まいのお客様より、獅子鈕牡丹文象耳香炉をお譲りいただきました。

真鍮で作られた重厚感のある香炉は江戸末期から明治初期頃に仏具香炉として作られたもので、経年による色艶からは毎日欠かさずに御香を焚いたことが見て取れます。

蓋には親子の獅子が鎮座しており、獅子の体には細かな毛彫が施され、親と子の表情や牙部分の細部に至るまで緻密に作られています。

身には牡丹の帯がめぐらされており、その下の窓にはそれぞれ異なったポーズの獅子が高浮彫で装飾されています。

なにか仏教の教えを表しているのでしょうか。

獅子は百獣の王と呼ばれることから、力や権威の象徴として崇められ、邪気や悪を祓う霊力を持つ聖獣として祭礼や儀式の場を清める役割を担ってきました。

その獅子が唯一恐れるのが体内に寄生し肉を喰らい死に至らしめる害虫。

害虫が牡丹の花から滴る夜露を嫌うことから、獅子は夜になると牡丹の下で眠るといわれています。彫刻や屏風絵などに獅子と牡丹の組み合わせが多いのもこの伝説が元となっています。

獅子身中の虫という仏教の教えを香炉の彫刻を通して説いているのかもしれません。

耳は象耳となっています。

象と仏教の関わりは深く、力強さや忍耐力を称えインドでは「動物の王」として尊ばれてきました。

あらゆる障害を除き、富をもたらす幸運の象徴とされています。

こうした獅子や牡丹、象のモチーフから邪気を払い招福をもたらすといった意味がこめられていることがわかります。

元々は五具足の一つでしたが、時とともに香炉だけが残り、大切に受け継がれたようです。

丹念に作られた造形だけでなく、そこに込められた意味を知ることで、よりお品ものを理解できたように思います。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。


品名:獅子鈕牡丹文象耳香炉
産地:高岡銅器
時代:江戸末期-明治初期


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スタッフ日録:翡翠の簪#14


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スタッフ日録:翡翠の簪#14

2024.06.19 Category :

簪買取大阪
大阪市天王寺区にお住まいのお客様より、美しい翡翠の簪をお譲りいただきました。

この簪は明治から大正時代頃のもので、非常に色目の美しい翡翠と精緻な唐草文が施された軸を組み合わせた上品なお品ものです。

また本作には現在採掘が禁止されている糸魚川翡翠が使われており、軸には18金が使用されてます。

滑らかな曲線に削り出された翡翠と緻密な彫金技術のどちらの技にも目を見張るものがあります。

相当に手間暇をかけて作られており、非常に高価なお品ものであったのだと思います。
簪買取大阪
現代では和装は普段着から特別な日の装いへと変わり、簪を身に付ける機会もなくなりました。そのため、仕舞われたままになっている方も多いのではないでしょうか。

女性のお洒落としての髪飾りの文化は、いつから始まったのか私なりに調べてみました。

日本における簪の起源は縄文時代まで遡ることができますが、江戸時代中期に急速に発展したと言われています。

江戸時代初期の垂髪が主だった頃は、髪をまとめるための実用的なものが用いられていました。

しかし、中期に入ると遊女たちが黄楊の櫛や鯨の笄を使用し、大名の奥方など身分が高い女性たちは鼈甲の飾り櫛を愛用するようになりました。
簪買取大阪
翡翠や珊瑚、瑪瑙、鼈甲といった天然素材から、金や銀などの貴金属、蒔絵や象嵌が施されたものまで、実に様々な材質やデザインがあります。

四季の風景や草花、物語の一場面、吉祥模様など職人たちはその技術を競い合い、時には存分に楽しんで制作に励んだと言われています。

簪は身分を問わず、当時の女性たちのお洒落に欠かせない必需品となり、珍しい意匠や豪華なものは話題となったことでしょう。
簪買取大阪
明治時代に入り、西洋化が急速に進む中で江戸時代のような四季や物語を感じる華やかな装飾を施したものは少なくなり、通年で使用できるシンプルなデザインが増えたそうです。

同時に日本髪から洋髪への変化とともに、簪を身に付ける機会も次第に減りました。

今回お譲りいただいた簪も時代の流れとともに使われなくなり、長い間、着物箪笥に仕舞われていたものです。

希少な天然素材を用い、高い技術で作られたお品を次代に繋ぎたいと思います。

皆様も一度、箪笥の中に眠ったままの貴重な髪道具がないか、見てみてくださいね。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠に有難うございました。


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スタッフ日録:KUMATORI MUSEUMに出店しています#13


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スタッフ日録:KUMATORI MUSEUMに出店しています#13

2024.06.06 Category :


先日のblogにて、ご案内させていただいた「KUMATORI MUSEUM」in 重要文化財・中家住宅が6月2日より始りました!

私も店番として参加させていただきました!

ORIGENは出張買取がメインのお店ですので、イベントへの出店や実際に古いものを買われるお客様とお話する機会はほとんどありません。

私は社内勤務なので、お客様と直接やりとりすると思うと大変緊張しました。

そんな中、開場直後から数名のお客様が見に来てくださいました。

皆様、気になったお品ものを手に取り、じっくり見ていただきました。

切子ガラスのコップや明治時代のうつわを手に取ったお客様が「懐かしい!」とおっしゃる姿を見て、とても嬉しい気持ちになりました。

店番の合間に、展示を見たりフード出店されている百日草さんのお弁当と珈琲をいただきました。

中庭のベンチに腰掛け、晴れた青空の下でいただく昼食は格別で、身体に優しいお弁当とハンドドリップのコーヒーで心も満たされました。

展示されている絵や写真作品に目を惹きつけられ、つい足を止めてじっくりと見入ってしまいました。

細かな描写や、独特の色使いを間近で見ることが出来ます。

400年以上もの歴史を紡いできた中家住宅で工芸品や美術展示に触れ、心豊かな時間を過ごしませんか?

皆様のご来場を心よりお待ちしております。


KUMATORI MUSEUMは6月9日(日)11時〜16時まで開催されております。

ORIGENでは陶磁器や漆器、小さな置物や花入など、昔の人々の暮らしの中で使われてきたお品をお持ちしました。

是非、お手に取ってご覧ください。

隣接する熊取交流センターすまいるズ煉瓦館ではオリナスジカンvol.3が開催されます。

こちらでは美味しいモノや丁寧に作られたモノ、ワクワクするコトに出会える場所として約50組の素敵なお店が集まります。※こちらのイベントは6月9日10時−16時に1日のみ開催


【KUMATORI MUSEUM】
日時 : 6月2日(日)〜6月9日(日)※6/5(水)休館日
場所 : 重要文化財・中家住宅


【オリナスジカンvol.3】
日時 : 6月9日(日)10:00-16:00※雨天決行、荒天中止
場所 : 熊取交流センター煉瓦館・重要文化財・中家住宅
駐車場 : 約150台
出店数 : 約60店舗


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スタッフ日録:本うるし金継ぎ教室備忘録#12

2024.05.31 Category :

本うるし金継ぎ教室
こんにちは。スタッフNです。

昨年10月から始まった『本うるし金継ぎ教室』

私たちスタッフも参加させていただき、約4ヶ月をかけて無事に完成させることが出来ました!

金継ぎの一連の流れや思い出を覚えている限り、綴りたいと思います。
本うるし金継ぎ教室
まずは割れて欠けた磁器の下処理からスタート。初めての金継ぎなので私は小皿や小さなグラスを選びました。

アルコールで油分を拭ったり、ヒビを削ったりと地味な作業ですが根気と集中力を要します。

また、欠けたパーツを接着するために麦漆や刻苧漆、錆漆を使用するのですが、練り込む際にちょうど良い塩梅がわからず苦戦しました。

接着のズレを何度も修正しつつ、マスキングテープでしっかりと固定して初日はあっという間に時間が過ぎました。

ここから約2週間ほど乾燥させます。

三回目以降の金継ぎ教室では水研ぎと下地〜中塗りをしました。

錆漆を塗った表面が平らで滑らかになるよう水をつけたサンドペーパーで研ぎます。

実はこの時、余分に研いでしまったお皿が接着からやり直しとなってしましました。

なんとか絵漆の下塗りまで辿り着き、乾燥と中塗りを挟んで水研ぎを2〜3度繰り返します。
本うるし金継ぎ教室
各工程を文章にすると簡単な作業に見えますが、丁寧に行わないと仕上がりに影響するので慎重に作業を進めました。

また、中塗りの削り過ぎ・塗り過ぎでやり直しとなり。。

先生に泣きつきながらも、何とか次の工程に移ることが出来ました。

そんな苦労の連続の中、仕上げの金粉を乗せ出来上がったうつわを手に取った時には達成感があり感動もひとしおでした。
本うるし金継ぎ教室
特に苦労したのはガラスの金繕いでしょうか。

断面に生漆を塗り半乾きの状態で金箔を貼って、あとは陶磁器と同じように接着と水研ぎで整えていきますが、はみ出した漆が茶色く透けて見えたり乾燥が足りなかったりと一番時間がかかってしまいました。

初心者感が否めない仕上がりになりましたが、手間をかけた分とても可愛らしく感じます。

完成品をそれぞれ持ち帰る前に、参加したスタッフ全員分の食器を並べ記念撮影をしました。

教室では参加者の皆さんとお互いの作業の様子を見せあったり、和気藹々とお話しさせていただいたりと大変有意義な時間を過ごすことができました。

先生も丁寧に教えていただき、大変貴重で楽しい経験ができました。

この場を借りてお礼申し上げます。


参加者さま募集のお知らせ。金継ぎ教室に参加してみませんか?

合成接着剤を使う簡易金継ぎではなく、本漆を用いた本金継ぎを学べます。

古いものを大切に守り、次代に繋げる技術を一緒に学びませんか。

折角の機会ですので、ご興味のある方は是非ご参加ください。

ご興味、ご関心と直したい器があればどなたでもご参加いただけます。

割れた器が無い場合はご相談ください。

少人数制の為、席に限りがございます。

お早めにお申し込みくださいませ。

修理中の陶磁器・道具類は保管いたしますので身軽にお越しいただけます。

受講の回数は2~3点の修復で約8回です。
金継ぎがスムーズに進んだ場合の目安になります。
※修復する器の程度や状態、経験や個人差等により回数は前後いたします。


お申し込み方法

『大阪福島金継ぎ教室 むつき』ホームページのお問い合わせフォーム、もしくはinstagramのDMからお申し込みください。

Instagram:kintsugi.fukushima
HP:大阪福島金継ぎ教室 むつき


先生のご紹介
大阪福島金継ぎ教室 むつき
森本直子先生
2003年 大阪芸術大学デザイン学部卒業
2007年 裏千家茶道専門学校卒業
10年以上茶道に関連する仕事に従事した後に金継ぎと出会い、技法を習得


前回のブログ↓
KUMATORI MUSEUM in 重要文化財-中家住宅


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スタッフ日録:ROYAL COPENHAGEN 無邪気な仔犬#11

2024.04.26 Category :

ロイヤルコペンハーゲン買取大阪
こんにちは。スタッフNです。

雨続きの4月、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は大阪府箕面市にお住まいのお客様より、お譲りいただいたダックスフンドの仔犬をかたどったロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンをご紹介いたします。

今にも動き出しそうな可愛らしい仕草や無邪気な表情に癒されますね。
ロイヤルコペンハーゲン買取大阪
フィギュリンとは陶磁器で作られた人形や彫刻などの立体造形を指し、その歴史は18世紀にまで遡ります。

王侯貴族が宮廷文化や異国情緒を楽しんだり、愛馬の姿を写し取り、愛でるために作らせたのが始まりと言われています。

ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンは1898年パリ万博で最初の作品が発表されて以来、現在も新作や限定コレクションが製造されており、毎年恒例のイヤーフィギュリンは大変人気の高いお品ものです。
ロイヤルコペンハーゲン大阪
ひとつひとつ、丁寧に作られたパーツは、つなぎ目が自然で滑らかに見えるように造形されています。

高度な技術と丁寧な職人技に加え、ロイヤルコペンハーゲンらしい愛らしいモチーフや優しい色使いも相まって女性のファンが多いお品ものです。

また、ダックスフンドのデザインはオラフ・マティーセン氏が手掛けており、愛情を持って仔犬を観察していたことが伺えます。

こうしてブログで紹介するために何度も触れていると、愛着が湧いて手放せなくなりそうです。

お譲りくださったお客様も、愛情を持って大切にされていたのではと思います。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。


ブランド:ROYAL COPENHAGEN
シリーズ:アニマルフィギュリン
サイズ: 横幅11cm/高さ6.5cm
デザイナー:Olaf Mathiesen/オラフ マティーセン


公式サイト↓
ROYAL COPENHAGEN


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四世 秦蔵六造|瑞雲 塗金銅香炉 出張買取 in 川西市


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スタッフ日録:三田青磁の陽刻牡丹文豆皿#10

2024.03.08 Category :

三田青磁買取大阪
まだまだ肌寒い日が続く三月、皆様いかがお過ごしでしょうか?
スタッフNです。

宝塚市にお住まいのお客様より、三田青磁の豆皿をお譲りいただきました。

淡く優しい色合いと釉薬のぷっくりとした質感に手仕事ならではの温もりや個性が感じられます。

翡翠色の食器は和洋中どのスタイルとも相性がよくテーブルセッティングを考えるのが楽しくなりますね。

日本では平安時代に青磁の文化が認識されるようになりましたが、中国や韓国から輸入した青磁の質が高く好んで使われていたため、日本で初めて青磁が焼かれたのは江戸時代後期と言われています。

三田青磁は中国龍泉青磁、韓国高麗青磁と並び「世界三大青磁」の一つとして高く評価されていましたが、昭和初期に製造が途絶えたため「幻の青磁」と呼ばれているそうです。
三田青磁買取大阪
文様は陽刻と呼ばれる型押し技法で成形されています。

青磁の中に白く浮かび上がった牡丹がとても可愛らしいですね。

一般的なやきものは釉薬を一度かけて仕上げますが、三田青磁は何度も重ねて焼成する技法を用いており、独特な濃淡による自然な奥行きが感じられます。

また、職人によって釉薬の配合が異なり一つとして同じ色が出せないのも三田青磁の個性的な点といえます。
三田青磁買取大阪
陶磁器の個性として釉薬の剝落の跡も見どころの一つで、釉薬と胎土の収縮率が違うため起こる釉ハゲを「虫喰い」と呼ぶそうです。

ただの傷や粗悪品と見做すのではなく、個性や特徴として愛でて楽しむ独特の感性に「蓼食う虫も好き好き」のことわざが浮かびました。

ひとつひとつ異なる色や文様の味わいを鑑賞し、違いを楽しむことができるのは三田青磁の最大の魅力ですね。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠に有難うございました。


産地:兵庫県三田市三輪町
品名:三田青磁陽刻牡丹文豆皿


参考サイト↓
三田青磁


前回のブログ↓
「鹿に寿老人 のったり香炉」出張買取実例


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スタッフ日録:WEDGWOOD フロレンティーンターコイズ#9

2024.02.26 Category :

WEDGWOOD買取大阪
豊中市にお住まいのお客様より、WEDGWOODのフロレンティーンターコイズ・ティーセットをお譲りいただきました。

鮮やかなターコイズを基調にギリシャ神話に登場する「グリフォン」と果物の組み合わせがユニークかつ存在感があり、とても素敵なデザインです。

高級な洋食器としては珍しく金彩が施されていないため、電子レンジや食洗機で扱うことができ現代的ですね。

このフロレンティーンターコイズは19世紀後半から100年以上続く歴史あるパターンで、ボーダー状のデザインは16世紀のグロテスク文様が基になっているそうです。
WEDGWOOD買取大阪
グロテスクと聞くと恐ろしいものや不気味なものを想像しますが、この言葉は洞窟(grotto=グロッタ)を意味するイタリア語に由来しています。

15世紀に古代ローマの宮殿「ドムス・アウレア(黄金宮殿)」が地底から発掘されたことにより生まれた美術様式がグロテスク文様と呼ばれるようになりました。

そこには半人半獣や非実在的な植物をモチーフとした装飾壁面が施されており、当時の芸術家たちに強く影響を与えルネッサンス期に流行したそうです。

カップの図柄に描かれているグリフォンは、大地の王ライオンと空の王ワシを掛け合わせた幻想生物で王家の象徴として貴族に愛されるモチーフです。
WEDGWOOD買取大阪
また、珈琲紅茶兼用カップとして定評のある「リーシェイプ」は1910年頃にWEDGWOOD社で開発され、日本で好んで飲まれているブラックコーヒーと相性の良いカップとして定評があるそうです。

手に持った時の優しい質感やおさまりの良さ、独特のデザインと汎用性の高さが100年以上経った現代でも愛される所以でしょうか。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠に有難うございました。


ブランド:WEDGWOOD
商品:フロレンティーンターコイズ ティーセット


公式サイト↓
WEDGWOOD


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大阪府松原市で骨董品を買取させていただきました!


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スタッフ日録:Noritake Studio Collection うさぎの蓋物#8

2024.02.12 Category :

骨董品買取 大阪 ノリタケ
こんにちは。スタッフNです。

生駒市にお住まいのお客様より、ノリタケのうさぎの蓋物をお譲りいただきました。

干支や縁起物などのシリーズでしょうか?手のひらに収まるサイズ感とコロンとしたフォルムがとても可愛らしく魅力的です。
骨董品買取 大阪 ノリタケ
お部屋のアクセントとして飾ったり、お気に入りのアクセサリーをしまう小物入れとして使うのも素敵ですね。

絵付けや装飾がないシンプルなお品ものですが、丁寧な職人技を感じます。

日本の陶磁器ブランドとして歴史も長く、知名度も高いことから多くの方がノリタケの食器や置物を手にしたことがあるのではないでしょうか。
骨董品買取 大阪 ノリタケ
このノリタケスタジオコレクションはボーンチャイナシリーズの最高級品グレードで1973年頃に国内向けに製造されました。

高度な技術と優れた品質は廃盤となった現在も愛好家たちの間で根強い人気を誇っています。

またボーンチャイナとは、BONEは骨を意味し原材料に牛の灰骨を加えた磁気の種類を指します。

柔らかな乳白色と優れた透光性が特徴で、日本ではノリタケが初めて開発に成功しました。

創業当初の「白く緻密で美しい食器を作りたい」この熱意と妥協なき精神で成し遂げられたのです。

一見艶やかな陶器に見えるお品ものですが、実際に手に取って見ているとうさぎのふんわりとした毛並みや小動物特有の柔らかさが伝わるようです。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠に有難うございました。


ブランド:Noritake BONE CHINA Studio Collection
年代:1973-1987
商品:うさぎの蓋物


公式サイト↓
NORITAKE ONLINE


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「生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真」


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スタッフ日録:100年の記憶#7

2024.01.19 Category :

アンティーク肘掛け椅子買取大阪
こんにちは。スタッフNです。

今回は会社の3階にあるギャラリースペースで使用している古い肘掛け椅子をご紹介いたします。

ここは金継ぎ教室やデッサン会を開催したり、時にはスタッフの休憩所として利用しているスペースです。

真っ白な壁とコンクリートの床が一見無機質に見えますが、差し込む光が柔らかくとても居心地の良い癒される空間です。
アンティーク肘掛け椅子買取大阪
この椅子はかつて大阪市西区の古い会社の応接室で使われていたもので、年代は大正時代のものだそうです。

その後、使われなくなり長い間、倉庫に保管されていた椅子を引き取りました。

自力で傷んだ生地や壊れたバネやビスを取り除き、椅子張り職人さんに布を張り替えていただき、新たな椅子として再生しました。

生地はヨーロッパ製のデッドストックを使用しています。
アンティーク肘掛け椅子買取大阪
自らの手で修理・修繕することでものに対する愛着がより一層深まりますね。

この椅子が作られてから100年以上が経過していますが、昔のものは丁寧に作られているのでリペアすることで長く使うことができます。

古い家具をお持ちの方はリペアして新たな生命を吹き込んでみてはいかがでしょう?

余談ですが、修繕後に販売予定でしたが店主が大変気に入り、今では会社用として大切に使っています。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


年代:大正時代
特徴:楢材


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うるしの粋「段肩身替り雑煮椀」


第一回 本うるし金継ぎ教室

上本町デッサンスペース


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スタッフ日録:萩の七化け #6

2024.01.06 Category :

萩焼 茶器 買取大阪
あけましておめでとうございます。スタッフNです。

みなさんは「萩の七化け」という言葉をご存知でしょうか?

山口県萩市で焼かれる日本を代表するやきものの一つである萩焼。

使い続けることで器の色味や風合いが経年変化する萩焼の特徴を指した言葉なのだそうです。
萩焼 茶器 買取大阪
堺市にお住まいのお客様より、可愛らしい茶器をお譲りいただきました。

手のひらに収まるサイズ感や木の葉を象ったフォルムが愛らしい一品。

角度や明かりによって寒色や暖色にも見える色味には独特な味わいを感じます。

せっかくの機会なのでお茶を淹れ、スタッフたちでいただきました。
萩焼 茶器 買取大阪
萩焼の原料となる胎土は水分の吸収率がよい、とても柔らかなやさしい土です。

焼成の過程で土と釉薬の収縮率の差によって「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる細かな亀裂ができます。

この貫入に茶渋などが染み込むことで、うつわの色味や風合いが変化することを「萩の七化け」と呼びます。

また萩焼は「一楽、二萩、三唐津」と称され、優れた茶陶としても高く評価されているやきものです。

土や釉薬から生まれる独特な風合いと、絵付や装飾のない素朴な姿。

萩焼は使い続けることで魅力が増し「育てるように使う」ことができる「変化する」やきものです。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


産地:山口県萩市
品名:宝瓶/木の葉型煎茶碗


参考サイト↓
萩焼会館

前回のブログ↓
あけましておめでとうございます。


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スタッフ日録:卓上の最高傑作ピュイフォルカ#5

2023.12.18 Category :

ピュイフォルカ買取 大阪
こんにちは、スタッフNです。

今回はフランス銀器の最高峰「ピュイフォルカ」のカトラリーをご紹介させていただきます。

ハンドル部分の編み込みが繊細で美しくアール・ヌーヴォーのモチーフが好きな方にはたまらないデザインではないでしょうか?

美しさの中に重厚感と繊細さを兼ね備えており、この銀器一式が食卓に並ぶ姿は壮観に違いありません。

かくいう私もピュイフォルカの銀器を目の当たりにするのは初めてで知識が皆無なため、その歴史について調べてみました。

ピュイフォルカは、フランスのオルフェーブル(銀器細工工房)の一つで1820年にエミール・ピュイフォルカが創業しました。

工房のホールマーク(刻印)には当初制作していた折りたたみナイフのマークが記されています。

19世紀後半。2代目ルイ・ヴィクトールは銀器が最も洗練され、卓越していた時代のデザインや技術を学び取るべく、18世紀王侯貴族の銀器蒐集に注力しました。現在、その一大コレクションは「コレクション・ピュイフォルカ」としてルーヴル美術館に展示されています。
ピュイフォルカ買取 大阪
ミラーズ・アンティーク百科事典で「フランスアール・デコにおける最も重要な銀細工師」と称賛される3代目ジャン・ピュイフォルカは第一次世界大戦に従軍し、戦後は銀細工職人・デザイナーの見習いを始め、後にアール・デコ様式の銀器を生み出しました。

技術やセンスだけでなくレオナルド・ダ・ヴィンチの黄金比率を基準にし、ピタゴラスやアルキメデスといった数学者の思考に基づいて計算し尽くされたデザインは伝統の先にある革新へと道を開いたそうです。
古布買取 大阪
そんなフランス最高峰の銀器の敷物として使用したのはジャパンブルーと称される藍染の継ぎ接ぎ古布です。

藍染特有の深みある紺色と古布ならでは使い込まれた味が銀器の洗練された雰囲気と好対照。
とても美しく調和しています。

江戸時代から日本庶民に親しまれる染物とフランス最高峰の銀器が組み合わさることで、それぞれの魅力を引き立てながらより一層美しさを放っています。

世代を超え受け継がれた最高峰の銀器に触れることができ大変光栄です。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


ブランド:PUIFORCAT/ピュイフォルカ
シリーズ:ROYAL/ロワイヤル
特徴:スターリングシルバー(ルイ15世紀様式)


公式サイト↓
PUIFORCAT official website
参考サイト↓
ジャン・ピュイフォルカ-Wikipedia
前回のブログ↓
歳末のご挨拶と年末年始のお知らせ


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スタッフ日録:新たな技法が織りなす軌跡#4

2023.12.07 Category :

ロイヤルコペンハーゲン買取大阪花瓶
こんにちは。2023年も残り一ヶ月を切りましたね。

年末年始の予定がまだ決まっていないスタッフNです。

先月のスタッフ日録にてロイヤルコペンハーゲンBACAシリーズの花瓶をご紹介させていただきました。

今回はまた趣の異なったデザインのお品ものをご紹介させていただきます。
ロイヤルコペンハーゲン買取大阪花瓶
大阪府枚方市のお客様より、情緒的な風景画が描かれた花瓶をお譲りいただきました。

この風景はコペンハーゲン郊外の海岸沿いの別荘でしょうか。

草木が潮風に靡いているように見え、釉薬の艶も相まって肌寒さを感じます。
ロイヤルコペンハーゲン買取大阪花瓶
1884年。ロイヤルコペンハーゲンのアートディレクターに任命されたアーノルド・クロー氏は釉薬の下に絵付けを施すアンダーグレイズ技法を考案。

従来の絵付けでは困難だった繊細な描写や色彩の表現を可能にしました。

クロー氏は葛飾北斎や歌川広重の版画に影響を受け、ジャポニズムの要素を取り入れた数々の作品を生み出し1889年のパリ万博でグランプリを獲得。

ロイヤルコペンハーゲンは国際的な躍進を遂げ今日に至ります。

現行品にないシリーズを調べるとブランドの軌跡を感じ奥深い世界に触れることができますね。

もし、お手元に珍しいデザインのお品ものがございましたら一度、調べてみてはいかがでしょうか。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。


ロイヤルコペンハーゲン公式サイト↓(アーノルド・クローについて)
The world’s greatest! 1889
前回のブログ↓
大阪府羽曳野市で骨董品を買取させていただいきました!


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スタッフ日録:時代に先駆けたオートフォーカス NikonF3AF#3

2023.11.30 Category :

カメラ出張買取 Nikon F3AF
こんにちは、スタッフNです。

写真撮影がご趣味のお客様より、カメラコレクションをお譲りいただきました!

商品撮影スタッフとして、とてもテンションが上がっています!

早速、1番気になったカメラについて感じたことを綴りたいと思います。

スッキリと手に馴染むフォルムと前面の赤いラインがスタイリッシュな Nikon F3AF
カメラ出張買取 Nikon F3AF
上部のパーツは内蔵フラッシュか何かかな?と思ったのですが、ファインダーだと知り驚きました。

オートフォーカス撮影を行うためにはファインダーに単四電池を入れる必要があり、現在のカメラを思うと個性的なデザインだと感じました。
(デザインを手掛けたのは著名なプロダクトデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏)

更に驚いたのは動作確認の際にしっかりとオートフォーカスが機能したことです。

ジリジリと音を立てて被写体を探す動作が意思を持った生き物のようでなんとも可愛らしさを感じます。
カメラ出張買取 Nikon F3AF
先行のベストセラーである名機F3にAFシステムを搭載し、1983年に発売された「F3AF」

Nikon初のオートフォーカスカメラで、プロスペックAFとして大体的に発売されました。

機械式が主流の時代に電子化され、オートフォーカスを搭載したカメラの登場は大変衝撃だったのではないでしょうか。

しかし、高価格で使用できるレンズに制限があり販売台数は約9200台で製造終了しています。

先行のF3が1980年から2000年の約20年に渡り製造されていることを思うと、大変希少なカメラであることが伺えます。

現代では当たり前となったオートフォーカスですが、開発は非常に難しいものであったそうです。

現行のカメラに比べとても重いですが、当時の最先端技術を詰め込んだ歴史に残る貴重な一台です。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


メーカー:Nikon
型式:F3AF電子式35mmフィルム一眼レフカメラ
サイズ:幅 148.5mm 高さ96.5mm 奥行 65.5mm(ボディ)
専用ファインダー:DX-1
専用レンズ:Ai AF NIKKOR 80mm F2.8S、Ai AF NIKKOR 200mm F3.5S


公式サイト↓
第二十三夜 AI AF Nikkor 80mm F2.8S
前回のブログ↓
第二回-本うるし金継ぎ教室


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スタッフ日録:異なる印象を帯びたBACA Flower Base#2

2023.11.15 Category :

骨董品出張買取 ロイヤルコペンハーゲンの花瓶急な寒暖差が続きましたがいかがお過ごしでしょうか?

本格的な冬の寒さに備え気を引き締めてまいります!

スタッフNです。

さて今回ご紹介させていただくのはロイヤルコペンハーゲンBACAシリーズのフラワーベースです。

ロイヤルコペンハーゲンと聞くと白地に青の柄のティーカップやソーサー、プレートを想像する方も多いのではないでしょうか。
骨董品出張買取 ロイヤルコペンハーゲンの花瓶
私自身もロイヤルコペンハーゲンといえば歴史ある陶磁器ブランドで白地に青の絵付けのイメージが強く、このフラワーベースを見た瞬間、完全に一目惚れしてしまいました。

釉薬の濃淡と透け感、そして絵柄の落ち着いた雰囲気がたいへん魅力的です。

サイズもお部屋のインテリアにぴったりで一輪挿しや生花、ドライフラワーなど和洋のスタイルを問わず飾ることができます。
骨董品出張買取 ロイヤルコペンハーゲンの花瓶
デンマーク王室御用達の格式高いイメージから温かみのある色合いや生活に馴染むデザインのBACAシリーズ。

1969年から73年にかけて巨匠ニルス・トーソン氏主導の下、若手のデザイナーたちと手がけたシリーズです。

「BACA(バッカ)」という名前はラテン語で輪を意味しバックスタンプはリング状のロゴの中にデザイナーのEllen malmer/エレン・マルマー氏のサインが記されています。

現行品とは異なるデザインと独自性は、お譲りくださったお客様のセンスが光るお品物です。

現代のインテリアとも調和しお部屋全体の雰囲気を一新する想像でワクワクが止まりません。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


ブランド:ROYAL COPENHAGEN
シリーズ:BACA
サイズ:幅14.5cm/奥行8cm/高さ19cm
デザイナー:Ellen malmer/エレン・マルマー


公式サイト
https://www.royalcopenhagen.jp/
前回のブログ↓
明治の格 出張買取 in 大正区


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スタッフ日録:薩摩切子の歴史と魅力に思いを馳せる#1

2023.10.30 Category :

骨董品出張買取 薩摩切子 お猪口
初めまして、10月より入社したスタッフNです!

今まで触れたことのない骨董品や美術品 古道具、服飾品などなど、毎日さまざまな商品に囲まれ発見の連続です。

私が、日々の撮影や商品に触れる中で感じることや魅力を皆様と共有できたらと思います。

まず始めに、先輩より各商品の取り扱いや清掃について教わりました。

そんななか、ひときわ目を惹かれたのが薩摩切子のお猪口グラス。

手のひらに収まるサイズ感といい、光の反射や角度によって変化する色合いがとても奇麗です。

ふと、桐箱に記された「復元」が気になり薩摩切子の歴史について個人的に調べてみました。
骨董品出張買取 薩摩切子 お猪口
薩摩切子は、鹿児島県で生産される切子の一種であり、美しい彫刻や模様が特徴です。

薩摩切子の歴史は、江戸時代にさかのぼります。

当時の薩摩藩主が海外から職人を招いてガラス工芸の技術を取り入れたことが始まりとされています。

しかし、切子製造を奨励した藩主が亡くなると製造は縮小、さらに幕末や明治初期の戦乱などで工場が消失し製造が一時中断してしまいます。

昭和初期、薩摩切子の再生を目指す人々が現れ、わずかな資料や昔の写真を参考に薩摩切子の特徴的な模様や彫刻の試行錯誤を繰り返し職人の創造力と繊細な技術が結集し、再び広く知られるようになりました。
骨董品出張買取 薩摩切子 お猪口
繊細な模様やグラデーションと透明の美しい対比は、復元を目指した職人たちの熱意や技量に圧倒される思いです。

今回、薩摩切子をお譲りくださったお客様も、きっと綺麗な薩摩切子に魅了されたのではないでしょうか。

商品の歴史や製造に込められた意味を知ると、さらに愛着が深まり、より一層大切に扱う気持ちで身が引き締まりますね。

次回も気になる商品をご紹介いたします、お楽しみに♪


商品:復元薩摩切子 色被せガラス 切子猪口 赤・黄・青
参考サイト↓
薩摩びーどろ工芸
前回のブログ↓
花器買取 生野区の李朝白磁


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スタッフMの日録:6 博多探訪・発見

2023.03.17 Category :

お久しぶりです。スタッフMです。
スタッフMの日録も6回目を迎えました。
一番身近な仕事場の作業机からスタートして、事務所近辺の探索、出張の記録…
と徐々に範囲を広げていった日録ですが、今回は一気に博多へと飛びます。

目的は福岡県立美術館で開催される『野見山暁治 寄贈記念展』(現在会期は終了しています。)
いつか実物を間近で見たいと思いながら幾年。
会期最終日に弾丸旅程で滑り込むことができました。

作家の出身が福岡県ということもあり、展示品は作家本人による寄贈作品。
100歳を超えてから制作された新作も含めた総点数約60点の作品が一堂に集められていました。

初期の作品から102歳で制作された最新作まで衰えぬ筆致と実物のマチエール。
一見すると多数が抽象画。しかし本人は「抽象画を描いたことはない」と言う。
心象風景でもあり、同時に目で見たありのままのものでもある。
炭鉱の風景から一枚一枚辿っていくと、
作家の思考の過程までをも作家ゆかりの地で追体験した心地でした。
ひとつの納得と大いなる刺激を得て、美術館をあとにしました。
野見山暁治 寄贈記念展の様子

余談ですが、福岡県立美術館は移転となる予定のようで、
現在の美術館の建物自体がもうすぐ見られなくなるようです。
隈研吾氏の設計による新福岡県立美術館は2029年開館予定とのこと。
再訪する楽しみがひとつ増えました。
福岡県立美術館外観イラスト

博多塀スケッチ
博多塀スケッチ2
新しい風を吹き込みながらもその歴史を端々に垣間見ることができる、
商人によって復興し栄えた力強い町博多…
きっとまた近いうちに明太子ご飯をお腹いっぱい食べにいこうと決意しました。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:出張・引取・覚書

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スタッフMの日録:出張・引取・覚書

2023.01.18 Category :

スタッフMです。
正月気分もようやく抜けました。

布団から出るのはまだまだつらいですが、
えいやと飛び出して冷たく澄んだ空気を吸い込みながら歩く朝はとてもすがすがしく。
なんだかんだ、この季節が好きです。

時は遡って5月某日。

夏は遠くとも、汗ばむ季節。
うずたかく積まれた布、布、古布。
いずれも持ち主様の思い入れのある品であるため、丁重に…
なおかつお引取りするお品物と
それ以外の選別とお片付けを、同時進行でスピーディにこなします。

骨董品出張買取 査定の様子のスケッチ

実際には───
汗をかきかき 雪崩を回避し、箱から箱へ、
二人がかりで上階から下階へのバケツリレー。
スタッフMがお手伝いに行った日を含めて、3日ほどかかったでしょうか?
達成感もひとしおな大仕事として記憶に残っております。

骨董品出張買取 査定の様子のスケッチ2

みなさまの眼にはこの雄姿、どのように写りましたでしょうか。
そして、この時引き取ったあまりにも大量の古布山はというと…

なんとまだ…仕分け終わってないのです。
今年こそ、この山を踏破します。
がんばります。

スタッフMでした。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:4 ネオン電球

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スタッフMの日録:4 ネオン電球

2022.12.14 Category :

今回は印象に残ったある電球の記録です。
骨董品出張買取 ネオン電球のスケッチ
骨董品出張買取 チャームランプ

以下追加情報です💡

今回の電球はASAHI(旭光電機工業)によるもので、
現在は製造終了した「チャームランプ」という商品。
全部で18種類、文字やハートなど様々なものがあったようです。

MoMAに展示されているものを製造したのはアメリカのAeroluxという会社。
1930年代後半〜1970年代中頃までネオン電球を製造していたそうです。
カラフルに光る理由は中に入れられたネオンやアルゴンのガスが熱でオレンジや紫に光るため。
一部には燐光物質が塗られており、これがネオンが光る際に緑に蛍光する。
ただこれはもろく剥がれやすいそう。
(ASAHIの電球が同じ作りかは不明です。)

またMoMAで展示されているのは作家Dan Flavinによる『Roses』という作品で、
これに使用された、ということのようです。
Dan Flavin Roses

ぜひ「aerolux neon bulb」で検索してみてください。
素敵な電球が見られます!

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:3 うえまち探訪

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