スタッフ日録:時代に先駆けたオートフォーカス NikonF3AF#3

2023.11.30 Category :

カメラ出張買取 Nikon F3AF
こんにちは、スタッフNです。

写真撮影がご趣味のお客様より、カメラコレクションをお譲りいただきました!

商品撮影スタッフとして、とてもテンションが上がっています!

早速、1番気になったカメラについて感じたことを綴りたいと思います。

スッキリと手に馴染むフォルムと前面の赤いラインがスタイリッシュな Nikon F3AF
カメラ出張買取 Nikon F3AF
上部のパーツは内蔵フラッシュか何かかな?と思ったのですが、ファインダーだと知り驚きました。

オートフォーカス撮影を行うためにはファインダーに単四電池を入れる必要があり、現在のカメラを思うと個性的なデザインだと感じました。
(デザインを手掛けたのは著名なプロダクトデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏)

更に驚いたのは動作確認の際にしっかりとオートフォーカスが機能したことです。

ジリジリと音を立てて被写体を探す動作が意思を持った生き物のようでなんとも可愛らしさを感じます。
カメラ出張買取 Nikon F3AF
先行のベストセラーである名機F3にAFシステムを搭載し、1983年に発売された「F3AF」

Nikon初のオートフォーカスカメラで、プロスペックAFとして大体的に発売されました。

機械式が主流の時代に電子化され、オートフォーカスを搭載したカメラの登場は大変衝撃だったのではないでしょうか。

しかし、高価格で使用できるレンズに制限があり販売台数は約9200台で製造終了しています。

先行のF3が1980年から2000年の約20年に渡り製造されていることを思うと、大変希少なカメラであることが伺えます。

現代では当たり前となったオートフォーカスですが、開発は非常に難しいものであったそうです。

現行のカメラに比べとても重いですが、当時の最先端技術を詰め込んだ歴史に残る貴重な一台です。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


メーカー:Nikon
型式:F3AF電子式35mmフィルム一眼レフカメラ
サイズ:幅 148.5mm 高さ96.5mm 奥行 65.5mm(ボディ)
専用ファインダー:DX-1
専用レンズ:Ai AF NIKKOR 80mm F2.8S、Ai AF NIKKOR 200mm F3.5S

公式サイト↓
第二十三夜 AI AF Nikkor 80mm F2.8S

前回のブログ↓
第二回-本うるし金継ぎ教室


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スタッフ日録:異なる印象を帯びたBACA Flower Base#2

2023.11.15 Category :

骨董品出張買取 ロイヤルコペンハーゲンの花瓶1
急な寒暖差が続きましたがいかがお過ごしでしょうか?

本格的な冬の寒さに備え気を引き締めてまいります!

スタッフNです。

さて今回ご紹介させていただくのはロイヤルコペンハーゲンBACAシリーズのフラワーベースです。

ロイヤルコペンハーゲンと聞くと白地に青の柄のティーカップやソーサー、プレートを想像する方も多いのではないでしょうか。
骨董品出張買取 ロイヤルコペンハーゲンの花瓶2
私自身もロイヤルコペンハーゲンといえば歴史ある陶磁器ブランドで白地に青の絵付けのイメージが強く、このフラワーベースを見た瞬間、完全に一目惚れしてしまいました。

釉薬の濃淡と透け感、そして絵柄の落ち着いた雰囲気がたいへん魅力的です。

サイズもお部屋のインテリアにぴったりで一輪挿しや生花、ドライフラワーなど和洋のスタイルを問わず飾ることができます。
骨董品出張買取 ロイヤルコペンハーゲンの花瓶3
デンマーク王室御用達の格式高いイメージから温かみのある色合いや生活に馴染むデザインのBACAシリーズ。

1969年から73年にかけて巨匠ニルス・トーソン氏主導の下、若手のデザイナーたちと手がけたシリーズです。

「BACA(バッカ)」という名前はラテン語で輪を意味しバックスタンプはリング状のロゴの中にデザイナーのEllen malmer/エレン・マルマー氏のサインが記されています。

現行品とは異なるデザインと独自性は、お譲りくださったお客様のセンスが光るお品物です。

現代のインテリアとも調和しお部屋全体の雰囲気を一新する想像でワクワクが止まりません。

この度は大切なお品をお譲りいただき誠にありがとうございました。


ブランド:ROYAL COPENHAGEN

シリーズ:BACA

サイズ:幅14.5cm/奥行8cm/高さ19cm

デザイナー:Ellen malmer/エレン・マルマー

公式サイト
https://www.royalcopenhagen.jp/

前回のブログ↓
明治の格 出張買取 in 大正区

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スタッフ日録:薩摩切子の歴史と魅力に思いを馳せる#1

2023.10.30 Category :

骨董品出張買取 薩摩切子 お猪口

初めまして、10月より入社したスタッフNです!

今まで触れたことのない骨董品や美術品 古道具、服飾品などなど、毎日さまざまな商品に囲まれ発見の連続です。

私が、日々の撮影や商品に触れる中で感じることや魅力を皆様と共有できたらと思います。

まず始めに、先輩より各商品の取り扱いや清掃について教わりました。

そんななか、ひときわ目を惹かれたのが薩摩切子のお猪口グラス。

手のひらに収まるサイズ感といい、光の反射や角度によって変化する色合いがとても奇麗です。

ふと、桐箱に記された「復元」が気になり薩摩切子の歴史について個人的に調べてみました。

骨董品出張買取 薩摩切子 お猪口2

薩摩切子は、鹿児島県で生産される切子の一種であり、美しい彫刻や模様が特徴です。

薩摩切子の歴史は、江戸時代にさかのぼります。

当時の薩摩藩主が海外から職人を招いてガラス工芸の技術を取り入れたことが始まりとされています。

しかし、切子製造を奨励した藩主が亡くなると製造は縮小、さらに幕末や明治初期の戦乱などで工場が消失し製造が一時中断してしまいます。

昭和初期、薩摩切子の再生を目指す人々が現れ、わずかな資料や昔の写真を参考に薩摩切子の特徴的な模様や彫刻の試行錯誤を繰り返し職人の創造力と繊細な技術が結集し、再び広く知られるようになりました。

骨董品出張買取 薩摩切子 お猪口3

繊細な模様やグラデーションと透明の美しい対比は、復元を目指した職人たちの熱意や技量に圧倒される思いです。

今回、薩摩切子をお譲りくださったお客様も、きっと綺麗な薩摩切子に魅了されたのではないでしょうか。

商品の歴史や製造に込められた意味を知ると、さらに愛着が深まり、より一層大切に扱う気持ちで身が引き締まりますね。

次回も気になる商品をご紹介いたします、お楽しみに♪


お品:復元薩摩切子 色被せガラス 切子猪口 赤・黄・青

薩摩びーどろ工芸
公式サイト

前回のブログ↓
花器買取 生野区の李朝白磁


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スタッフMの日録:6 博多探訪・発見

2023.03.17 Category :

お久しぶりです。スタッフMです。
スタッフMの日録も6回目を迎えました。
一番身近な仕事場の作業机からスタートして、事務所近辺の探索、出張の記録…
と徐々に範囲を広げていった日録ですが、今回は一気に博多へと飛びます。

目的は福岡県立美術館で開催される『野見山暁治 寄贈記念展』(現在会期は終了しています。)
いつか実物を間近で見たいと思いながら幾年。
会期最終日に弾丸旅程で滑り込むことができました。

作家の出身が福岡県ということもあり、展示品は作家本人による寄贈作品。
100歳を超えてから制作された新作も含めた総点数約60点の作品が一堂に集められていました。

初期の作品から102歳で制作された最新作まで衰えぬ筆致と実物のマチエール。
一見すると多数が抽象画。しかし本人は「抽象画を描いたことはない」と言う。
心象風景でもあり、同時に目で見たありのままのものでもある。
炭鉱の風景から一枚一枚辿っていくと、
作家の思考の過程までをも作家ゆかりの地で追体験した心地でした。
ひとつの納得と大いなる刺激を得て、美術館をあとにしました。
野見山暁治 寄贈記念展の様子

余談ですが、福岡県立美術館は移転となる予定のようで、
現在の美術館の建物自体がもうすぐ見られなくなるようです。
隈研吾氏の設計による新福岡県立美術館は2029年開館予定とのこと。
再訪する楽しみがひとつ増えました。
福岡県立美術館外観イラスト

博多塀スケッチ
博多塀スケッチ2
新しい風を吹き込みながらもその歴史を端々に垣間見ることができる、
商人によって復興し栄えた力強い町博多…
きっとまた近いうちに明太子ご飯をお腹いっぱい食べにいこうと決意しました。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:出張・引取・覚書

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スタッフMの日録:出張・引取・覚書

2023.01.18 Category :

スタッフMです。
正月気分もようやく抜けました。

布団から出るのはまだまだつらいですが、
えいやと飛び出して冷たく澄んだ空気を吸い込みながら歩く朝はとてもすがすがしく。
なんだかんだ、この季節が好きです。

時は遡って5月某日。

夏は遠くとも、汗ばむ季節。
うずたかく積まれた布、布、古布。
いずれも持ち主様の思い入れのある品であるため、丁重に…
なおかつお引取りするお品物と
それ以外の選別とお片付けを、同時進行でスピーディにこなします。

骨董品出張買取 査定の様子のスケッチ

実際には───
汗をかきかき 雪崩を回避し、箱から箱へ、
二人がかりで上階から下階へのバケツリレー。
スタッフMがお手伝いに行った日を含めて、3日ほどかかったでしょうか?
達成感もひとしおな大仕事として記憶に残っております。

骨董品出張買取 査定の様子のスケッチ2

みなさまの眼にはこの雄姿、どのように写りましたでしょうか。
そして、この時引き取ったあまりにも大量の古布山はというと…

なんとまだ…仕分け終わってないのです。
今年こそ、この山を踏破します。
がんばります。

スタッフMでした。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:4 ネオン電球

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スタッフMの日録:4 ネオン電球

2022.12.14 Category :

今回は印象に残ったある電球の記録です。
骨董品出張買取 ネオン電球のスケッチ
骨董品出張買取 チャームランプ

以下追加情報です💡

今回の電球はASAHI(旭光電機工業)によるもので、
現在は製造終了した「チャームランプ」という商品。
全部で18種類、文字やハートなど様々なものがあったようです。

MoMAに展示されているものを製造したのはアメリカのAeroluxという会社。
1930年代後半〜1970年代中頃までネオン電球を製造していたそうです。
カラフルに光る理由は中に入れられたネオンやアルゴンのガスが熱でオレンジや紫に光るため。
一部には燐光物質が塗られており、これがネオンが光る際に緑に蛍光する。
ただこれはもろく剥がれやすいそう。
(ASAHIの電球が同じ作りかは不明です。)

またMoMAで展示されているのは作家Dan Flavinによる『Roses』という作品で、
これに使用された、ということのようです。
Dan Flavin Roses

ぜひ「aerolux neon bulb」で検索してみてください。
素敵な電球が見られます!

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:3 うえまち探訪

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スタッフMの日録:3 うえまち探訪

2022.11.16 Category :

こんにちは、スタッフMです。

すっかり秋めいてきました。
夏のあいだは朝に事務所に到着した時点で汗だくになっていましたが、
ようやく通勤が心地よい貴重な季節の到来です。

探訪と題しましたがそれほど大げさなものではなく、
そんな通勤時やお昼休みなどに事務所の近辺で目にする
印象的な光景をぽつぽつと紹介していきたいと思います。

上本町 お寺の松の木
上本町 お寺の松の木の背景

事務所の周りにはほかにも歴史ある寺院や建物が至る所に存在しています。
何気ないいつもの通り道にまだまだ歴史のドラマが残っているんだろうな、
と心を過去にタイムスリップさせていると
同じ道でも飽きることがないです。

—-
大福寺(大阪市天王寺区上本町4-1-15)

1869年に「浪華仮病院」および「仮医学校」が設立され、
その主席教授にオランダ軍医ボードウィンが招かれた。
この仮医学校が現在の大阪大学医学部の起源、
そしてボードウィンの薬を改良し販売されたのが現在の太田胃散とのこと。

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スタッフMの日録:2

2022.10.21 Category :

こんにちは。スタッフMです。
突然ですがクイズです。
これは一体なんでしょうか?
骨董品出張買取記録 腕時計のパーツ

正解は…
色々な腕時計の内臓部品たちです。

デジタル時計があたりまえになって久しいですが、
こうして改めてひとつひとつのパーツを観察してみると
時計とは本当に機構そのものなんだなと感嘆します。

この仕事に携わっていなければ意識せず、
知らずに生きていたろうなというものに出会って
自分の認識や感覚が広がっていくのを実感する瞬間というのが、
つまり普段のお仕事のなかで”印象に残る瞬間”なのかなぁと思います。
小さな小さな時計のパーツ、ユーモアを感じる根付の意匠、手彫りのお仏像…
対峙するのがどんなお品物であってもそういった瞬間があります。

事務所の小物
商品選定時に不要とされたものの中で、
どうにも気になったり愛着が湧いて捨てられなかったものたちを少しだけ、
こっそり机の棚の上に安置しています。
ほんのちいさいものだけ。
作業の合間にふと見上げて癒されています。

前回の日録はこちら スタッフMの日録:1

次の日録はこちら スタッフMの日録:3 うえまち探訪

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スタッフMの日録:1

2022.09.21 Category :

初めまして。スタッフMです。
商品の清掃や修復を主として、社内の何でも屋としてさまざまなことを担当させてもらっています。
これから印象に残った商品やお仕事の日常を紹介していきたいと思います。
第一回目となる今回は、普段のお仕事に使っている道具たちをご紹介いたします!
骨董品清掃道具
骨董品清掃道具 ヘラなど

次の日録はこちら スタッフMの日録:2

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