「1年後、実家を解体することになりまして古いものが色々とあるので一度見に来ていただけませんか」とご縁をいただきました。
仕事の合間を縫って少しずつ、お家の整理をされておられ、古いものが見つかる度にご連絡いただきお伺いさせてもらいました。
足を運ぶ度に家財が減っていき、いよいよ解体工事の着工直前。
最後に残っていた建具の硝子に眼が止まり、少し分けていただきました。
決して珍しい硝子でも建具でもないのですが、割れてしまったせいなのか。
一枚の建具に時代もデザインも異なる硝子が嵌められていました。
多いものでは四種類もの硝子が嵌められており、割れたにしては違和感がありました。
いつの頃か意図して異なる硝子を選んで嵌め込んだのかもしれません。
昔の板ガラスには実に豊富な種類があります。
今回、お譲りいただいた硝子は大正-昭和期のもので結霜・銀河・霰・菱・燕・ダイヤ・磨・透明の八種。
「解体時に割って廃棄されるのがどうにも気持ち的に…」
ほんの一部ですが小さくカットして額に収めさせていただきました。
思いつきで作り始めた為、厚みの異なる硝子を薄い額に収めて固定するのには予想外に手こずりました。
デザイン/設計部とミリ単位の調整を繰り返し、最終的には6層に。
春には同地に新しいお家を建てられるとのこと。
光の差し込む窓辺に飾っていただければ幸いです。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
Original:板硝子/大正-昭和
Revived product:大正昭和板硝子写真飾
令和四年師走 Limited,1
これまでのおくりもの
・皆朱群鶴蓑亀松竹梅図五ツ組写真飾 令和三年睦月 Limited,2
・雛人形青磁壺三ツ窓写真飾 令和四年弥生 Limited,1
・建具職人木工手道具黒仕立写真飾 令和四年水無月 Limited,1