尼崎にある古いお家よりご依頼をいただきました。
昔ながらの連棟長屋。角地のなかなか味のあるお家です。蔦に覆われた姿は雰囲気があっていい感じですね。
今となっては蔦好きなんですが、中学生の頃に住んでいた家が隣家から伸びてくる蔦に悩まされており、夏場はしょっちゅう壁からひっぱり剥がしていたことを思い出しました。
ある日、根っこから撲滅してやろうと思い、辿りにたどり遂に見つけたボス幹をノコギリで切断したところ、全ての蔦が枯れ果てパリパリになり逆に取るのが困難になったことがあります。。。皆様も呉々もお気をつけください。
さて私のどうでもいい失敗談はこれくらいにしまして、今回のご相談内容のお話に移ります。
失礼ながら、完全にお化け屋敷。。。です。
お判りかと思いますが、右側に大きく傾いております。
中から確認すると柱が腐って床が落ち、かなり危険な状態。一階部分だけでなく二階の床も同じように落ちているので構造的に危機的状況です。
どうしてこうなるのと思うのですが聞けば、ここはご依頼人様の親戚の倉庫だそうで本人が介護施設に入って今後は管理できなくなるので代わりに片付けているとのことでした。
「随分昔に建てた家で以前は住んでいたのですが、いつの頃からか倉庫のようになっていたようです。もうボロボロですが、借地の地代が昔のままの値段でとても安いからずっと借りたままにしていたようです」
とのこと。なるほどお寺が多くある地域なので、恐らく地主さんはお寺さんでしょうね。
地代の値上げもなさそうです。
と言う訳で住まなくなってから数十年もの間、倉庫として色々なものを保管しておられました。昔の人のあるあるですが兎に角、何でもかんでも捨てずに残されております。
茶道と華道の先生をされていたようで古いダンボールには茶碗や花瓶などの御道具が多く入っていましたが、中には紙切れや布切れを詰めた箱もあり、そういった物まで捨てずに保管しているのには感動すら覚えます。
あまりの量にこんなに溜め込まなくても。。。と思いつつも、そうやって捨てずに残していただいているからこそ、こうして品物を手にできるのだとしみじみ感じる次第であります。
家の中の写真も撮りたかったのですが、真っ暗でダメでした。
写真にあるような昭和の水屋などの古家具も人気のお品ものです。
その他には絵葉書や古書、鉄瓶、煎茶道具、古伊万里などの陶磁器類といったものを買取りさせていただきました。
琴浦窯の近くということもあり、和田桐山先生の抹茶茶碗を多くお持ちでした。
私は物の無い時代を経験した世代ではありませんので必要のないものは持ちたくないと感じますが、大量廃棄には疑問があり、既にある古いものを大切にして何かに活かせないかと常々考えています。
きっとこの家の方もいつか何かに活かせる時が来ると信じ、その時を待っていたのかもしれません。
全てではありませんが、少しでも多くのものを橋渡しできるように努めさせていただきます。
この度はご依頼いただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
長年、足を踏み入れていない古い建物の整理や空家の処分の際は是非、お気軽にご相談ください。
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