大阪市東住吉区のお客様より、お譲りしていただきました。
僅かな光のもとでも美しい姿のお品物をご紹介いたします。
「祖母の時代から家にあるものです。いい物だと聞いており、どなたか大事にしてくださる方へお譲りしたいです」とご相談いただきました。
全体がわからないように撮影してみましたが、どんなお品ものかわかるでしょうか?
旧字体や行書で書かれている字もあるので少し読みづらいですが、大体の文字は読めると思います。
答えは
舟形
吹き墨造り皿
貮拾人前入
です。
お刺身用のお皿ですね。
吹き墨とは染付磁器に多く用いられる伝統技法のひとつ。
シンプルな技法ながら、粒子の細かさや濃淡により、様々な表情を見せてくれます。
吹き墨の技法では有田の十三代今泉今右衛門(人間国宝)が有名ですが、こちらの作者は平安成洸です。京で焼かれた上品な一品です。
美しい濃淡の青を海に見立て、お刺身を盛ったのでしょう。
箱の裏書きに明治四十四年秋新調の墨書きがあります。
110年前のちょうど今頃の季節のお品物です。
明治末期の粋な一品は今なお、新鮮さと洒脱な風格を兼ね備えています。
お造りだけでなく、秋の果物を盛ってもいいかもしれません。
以上、簡単ではありますが平安成洸作の『舟形吹き墨造り皿』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
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