おくりもの

2023.05.15 Category :


大阪府豊中市のお客様より、お譲りいただいたお品ものを写真に収めてお返しさせていただきました。

「写真を撮って送りますね」

と言ってから約二年になります。

「いつでも時間のある時で大丈夫ですよ」

という優しいお言葉についつい甘えてしまい、随分時間が過ぎてしまいました。

急かすことなく、お待ちくださりありがとうございました。

誰もが知る桃太郎のお姿を見事に表現した生人形です。

高さから推定すると5歳とまだ子供ですが、凛々しいお顔と堂々とした体躯は勇敢な青年のよう。

衣装や持物などの細部に至るまで丁寧に作り込まれており、今にも動き出しそうです。

このお人形は人形師をされていたお父様が遺されたものだそうです。

お形見の品で長い間、ご自宅に保管されてきましたが引越し先にどうしても持っていくことができないため、手放す決断をされました。

お手元からは離れてしまいましたが、いつでも見れるようにと思い、写真に収めてお返しさせていただきました。

この桃太郎の力強い眼差しに見つめられると気を引き締めて頑張ろうという気持ちになります。

気長にお待ちいただきありがとうございました。

どこかに飾っていただければ幸いです。

この度は大切なお品ものをお譲りいただきまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

Original:桃太郎生人形 昭和
Revived product:桃太郎生人形丸窓写真飾 令和五年皐月 Limited,1

これまでのおくりもの
皆朱群鶴蓑亀松竹梅図五ツ組写真飾 令和三年睦月 Limited,2
雛人形青磁壺三ツ窓写真飾 令和四年弥生 Limited,1
建具職人木工手道具黒仕立写真飾 令和四年水無月 Limited,1
大正昭和板硝子写真飾 令和四年師走 Limited,1
雛人形提灯箱三ツ窓写真飾 令和五年弥生 Limited,2



出張買取 in 東住吉区

2023.04.27 Category :


大阪市東住吉区のお客様からご依頼いただきました!

ご自宅のリフォームに際して長年眠っていた古道具類の買取りのご相談をくださいました。

時代の移り変わりと共に使われなくなってしまった火鉢や古家具などを引き取りさせていただきました。

使われることなく、保管されていた当時物の籐手提げ籠。

職人さんが編んだばかりのような綺麗な状態です。
自然素材の籐は乾燥に弱いですが、経年を全く感じさせず、しなやかさを保っています。

籐籠好きの方から「仕入れてもらえたらすべて買います」とご注文をいただいていますので、すぐにお嫁入りします。

かつて、暖を取るために使われた真鍮製の手炙り火鉢。

昭和に大量生産されたものには残念ながらあまり価値がありませんが、高名な鋳物師の作品や古作のものであれば期待できます。
一対入の木箱が複数ある場合や彫刻の無いものは大量生産の可能性が高いですが、ひとつずつ個別の木箱に入っているものや銘のあるものであれば、ひょっとするといいお品ものかもしれません。

その他にも古家具や建具類などなど、お家の片隅で眠っていた品々をお譲りいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に古道具から古家具まで幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 瑠璃色琺瑯水筒

2023.04.11 Category :


大阪市天王寺区の古いお家の蔵から発見し、お譲りいただきました。

瑠璃一色の琺瑯水筒です。

見つけた時には虫喰だらけの古いカーキ色のフェルトカバーに包まれておりました。

傷んだフェルトカバーを取ってみると中から綺麗な瑠璃が姿を見せてくれました。

戦前の琺瑯製品は粗雑な作りのものが多い中、この水筒は細かい部分にまで手をかけているようです。

とてもおおらかな曲線とたっぷりと掛けられたガラス釉薬の風合いから見て、大正〜昭和初期のものかと思います。
製造時に意図せず発生した青から群青、紫まで色ムラのグラデーションがとても綺麗です。

大量生産された工業製品であり日用品ですが、希少な一点物のやきものにも負けない魅力があると思います。

飲み口には古いコルクキャップが付いていました。

これを肩から提げていた戦前の人々を想像するとかっこいいですね。

素材が鉄なので水筒として使うのはちょっと勇気がいりますので一輪花生にしました。
玄関に然りげ無く飾るだけで目に留まることは間違いないでしょう。

以上、簡単ではありますが瑠璃色琺瑯水筒の紹介でした。

ORIGENでは骨董品を中心に古道具から古家具まで幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

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下山道-GEZANDOU-#2

2023.03.31 Category :


今年は「専門知識を深める」ために出来るだけ時間をつくり、やきものの産地や美術館、博物館など全国津々浦々に赴きたいと考えています。
GEZANDOUはその旅の記録と備忘録のための写真アルバムです。

今回は過去記録となりますが昨年、姫路市立美術館に行った際の記録写真を。

姫路市立美術館の建物は旧姫路陸軍兵器倉庫だったそうです。
敗戦後は姫路市役所としての利用を経て美術館として今日に至ります。
ひと言では語り得ない歴史を持つ建物ですが赤レンガと瓦葺屋根が実に綺麗で惚れ惚れする建築です。

姫路城
別名:白鷺城
本丸の大天守は国宝でユネスコ世界遺産にも登録されています。
夕日に照らされた白漆喰総塗籠の壁面が神々しい。
姫路市立動物園内に撮影ベスポジを発見し、ベストタイミングにパシャリ。

姫路市立美術館公式サイト
https://www.city.himeji.lg.jp/art/
姫路城公式サイト
https://www.city.himeji.lg.jp/castle/


展覧会は現代美術家の杉本博司による『本歌取り 日本文化の伝承と飛翔』
会期:二〇二二年九月十七日-十一月六日※既に終了

折りに触れ、赴いている杉本博司の展覧会ですが今回の展示が最も巫山戯ておられました。
作品のクオリティもさることながら、文化財級の希少な古美術品との取り合わせは氏にしかできない芸当です。

真言密教における種子曼荼羅を本歌とする東西曼荼羅では鎌倉時代の種子曼荼羅(胎蔵界)を1930年代に印刷されたニュートンの宇宙所見を表具にして掛軸に仕立てておられました。
西洋的な世界観の中心に東洋の宇宙観(胎蔵界)が配されている点が印象的でした。

人間は神によって創られたのか、それとも人間が神を考えだしたのか。。。それとも。。。

杉本博司公式サイト
https://www.sugimotohiroshi.com/

また次回も旅の記録を紹介したいと思います。

ご清聴ありがとうございました。



スタッフMの日録:6 博多探訪・発見

2023.03.17 Category :

お久しぶりです。スタッフMです。
スタッフMの日録も6回目を迎えました。
一番身近な仕事場の作業机からスタートして、事務所近辺の探索、出張の記録…
と徐々に範囲を広げていった日録ですが、今回は一気に博多へと飛びます。

目的は福岡県立美術館で開催される『野見山暁治 寄贈記念展』(現在会期は終了しています。)
いつか実物を間近で見たいと思いながら幾年。
会期最終日に弾丸旅程で滑り込むことができました。

作家の出身が福岡県ということもあり、展示品は作家本人による寄贈作品。
100歳を超えてから制作された新作も含めた総点数約60点の作品が一堂に集められていました。

初期の作品から102歳で制作された最新作まで衰えぬ筆致と実物のマチエール。
一見すると多数が抽象画。しかし本人は「抽象画を描いたことはない」と言う。
心象風景でもあり、同時に目で見たありのままのものでもある。
炭鉱の風景から一枚一枚辿っていくと、
作家の思考の過程までをも作家ゆかりの地で追体験した心地でした。
ひとつの納得と大いなる刺激を得て、美術館をあとにしました。

余談ですが、福岡県立美術館は移転となる予定のようで、
現在の美術館の建物自体がもうすぐ見られなくなるようです。
隈研吾氏の設計による新福岡県立美術館は2029年開館予定とのこと。
再訪する楽しみがひとつ増えました。



新しい風を吹き込みながらもその歴史を端々に垣間見ることができる、
商人によって復興し栄えた力強い町博多…
きっとまた近いうちに明太子ご飯をお腹いっぱい食べにいこうと決意しました。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:出張・引取・覚書



ORIGEN買受帳 十. 亀文堂 波多野正平造 紫斑銅双耳花生

2023.03.10 Category :

十. 亀文堂 波多野正平造 紫斑銅双耳花生

京都市内ノオ宅ニテ買受ケル。
亀文堂初代デアル波多野正平作ノ独創的ナ鉄瓶ハ高額デ取引サレル。

前頁「九. 手吹き硝子霰コップ



ORIGEN買受帳 九. 手吹き硝子霰コップ

2023.02.24 Category :


九. 手吹き硝子霰コップ

高槻市ノ土蔵ニテ。
「手吹キ硝子」ト「プレス硝子」ノモノガ、アル。
見分ケ方ハ、コップ内側ノ凹凸ニヨル。

前頁「八. 松本民芸家具 44型 ウインザーチェア



ORIGEN買受帳 八. 松本民芸家具 44型 ウインザーチェア

2023.02.03 Category :


八. 松本民芸家具 44型 ウインザーチェア

大阪市阿倍野区、民藝好キノ方ヨリ、買受ケル。
柳宗悦愛用ノ英國椅子ヲ本歌トスル松本民藝家具ノ「44型 ウインザーチェア」デアル。

前頁「七. 一分判金



スタッフMの日録:出張・引取・覚書

2023.01.18 Category :

スタッフMです。
正月気分もようやく抜けました。

布団から出るのはまだまだつらいですが、
えいやと飛び出して冷たく澄んだ空気を吸い込みながら歩く朝はとてもすがすがしく。
なんだかんだ、この季節が好きです。

時は遡って5月某日。

夏は遠くとも、汗ばむ季節。
うずたかく積まれた布、布、古布。
いずれも持ち主様の思い入れのある品であるため、丁重に…

なおかつお引取りするお品物と
それ以外の選別とお片付けを、同時進行でスピーディにこなします。

実際には───
汗をかきかき 雪崩を回避し、箱から箱へ、
二人がかりで上階から下階へのバケツリレー。
スタッフMがお手伝いに行った日を含めて、3日ほどかかったでしょうか?
達成感もひとしおな大仕事として記憶に残っております。

みなさまの眼にはこの雄姿、どのように写りましたでしょうか。


そして、この時引き取ったあまりにも大量の古布山はというと…

なんとまだ…仕分け終わってないのです。

今年こそ、この山を踏破します。
がんばります。




スタッフMでした。

前回の日録はこちら
スタッフMの日録:4 ネオン電球



今日の一品 紫被切子鉢

2022.11.24 Category :


大阪市東住吉区のお客様よりお譲りいただきました。

大胆なカットと深い紫色硝子が印象的な切子鉢です。

非常に細かく刻んだ筋と力強く深い筋とが交差し、えも言われぬ美しさを放っています。

器を分割する最も深い筋は笹の葉紋と思われます。

10分割された部分には蜘蛛の巣紋と玉紋が交互に彫られています。

左右対象の蜘蛛の巣紋の美しさもさる事ながら玉紋が凹レンズ効果を生み、器を眺めた時に起こる視覚的効果が眼を楽しませてくれます。

彫の深さを変える事で笹の葉・矢来・霰・魚々子紋など様々な紋様が浮かび上がります。

念入りに磨きを掛けられており、如才無い熟練の手による切子です。

硝子の質や作域から見て昭和初期に大阪で製造されたものと思われます。

切子ガラスと言えば鹿児島で作られる薩摩切子、東京の江戸切子が有名ですが、かつて大阪は切子硝子の一大生産地でした。

東京を凌ぐ数の多種多様な硝子業者がひしめいていたそうで、当時は大阪に行かなければ一人前ではないと言われたそうです。

これだけ手間の掛かった切子硝子ですので当時とても高価なものだったと思います。

所々に欠けがありますが、そんなことは微塵も感じさせない迫力ある一品です。

季節の果物を盛り、テーブルに置くと眼が釘付けになりそうです。

以上、簡単ではありますが昭和初期の紫被切子鉢のご紹介でした。

この度は買取りのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

ORIGENでは昭和のものから貴重な時代ものまで古いお品ものを幅広く探しております。

お引越しや空家のお片付けの際には是非ご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォーム・公式LINE等よりお気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。



蔵戸引取り in 阿倍野区

2022.11.02 Category :


先日、蔵整理にお邪魔させていただいた大阪市阿倍野区のお客様宅に蔵戸を引取りに伺いました。

塗籠仕上げの重厚な観音扉の奥にある蔵戸。
格子組に金網を張ったシンプルなもので鏡板は欅の一枚板です。

長年、風雨と陽射しに耐え随分と木が痩せてしまっており、傷みが激しいので住宅には不向きですが、メンテナンスをすれば店舗などでもう一度使えるかと思います。

貴重な鍵付き
蔵にとても思い入れのあるご依頼人のお母様。
かつては質屋業をされていたそうで子供の頃にはよく家業の手伝いで質預かりの品物を蔵に運んでいたそうです。

「整理していたら、また査定して欲しいものが見つかったので出しておきました」
と追加でご準備くださりました。
ありがとうございます!
青磁の獅子置物や瀬戸の器に錫の酒器などなど年代物が色々。

ブリキ缶や空き箱に入った古い小物達。
「捨てるなんて勿体ない」
「いつか何かに使えるだろう」
きっとそう考えてそっと仕舞っていたのだと思います。

古い箪笥の引手はひとつひとつ紙に包んで保管されていました。
今の家具では金具を外して大切に保管するということはあまりないでしょうから驚きですね。
物を大切にする気持ちを受け継ぎ、どこかに使いたいと思います。

蔵を解体するのはとても寂しく、忍びない気持ちでいっぱいだそうですが将来の事を考えてご決断されたようでした。
微力ではありますが、お譲りいただいたお品ものを引き継いでくださる方の元に橋渡しさせていただきます。

この度はご依頼くださり誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

ORIGENでは骨董品を中心に幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたしますのでお気軽にご相談ください。

経験豊富な店主が細かく拝見いたします。

丁寧な査定と明朗会計をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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よろしくお願いいたします。



Revived stool

2022.10.31 Category :


スツールを作りました。

原型は出張買取で伺った古い民家に残されていたもの。
学校の工作の授業で作ったと思われる古い素人作りの椅子です。

実際は椅子というか荷物置きとして長年、部屋の片隅で使われていた様子。
特に大切にされていたり、思い入れがあったようには見受けられませんでしたが、
何故か捨てられずにずっと形の残るもの、、、というものがあります。
手鋸で切った建材を素人が釘で打ち、雑にペンキを塗っただけの非常に簡単な造りの椅子ですが、
その作為の無さが胸を撃ちました。

素人の作った単なる古い椅子と言ってしまえばそれまでの一脚ですが、
今まで何脚もの古い椅子を見てきた目に自信があります。

作者不明の椅子に新たな価値を与え、蘇らせてみたいと思いました。
ただ複製品として再現するのではなく、
原型にリスペクトを持ちつつも、それを超えていくことを目指しました。
椅子の名前は弊社のキーコンセプトでもある「復活」という言葉からRevived stoolと名付けました。
古い椅子に新たな価値と意味を与え、生かすという意味を込めています。

製作は大阪で大工道具と手道具のみで家具を作られているKUMITATERU様に依頼しました。
原型の椅子には無い、細かな意匠や加工を加えることで、
より洗練された本歌とは異なる佇まいの一脚となりました。
同時に一生ものの椅子として長い時間と強い負荷に耐えうる
強度を持たせる為の工夫も凝らしていただきました。

Revivedに込めた意味にも賛同くださり、あと1mm、もう1mmと
何度も再加工と再製作のために作業場と弊社を往復していただきました。
粘り強く、お付き合いいただきありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。

さて、急に家具作りを始めたり、贈り物を作ってみたりと
本業である買取事業を中心に眺めて見ると一体何屋さんなのかと自分でも思いますが、
全ては互いに重なり合っており、緩やかな弧を描きながら
遠い終着点に向かってゆっくりと歩みを進めています。
必ずいつか全てが繋がると自分自身にそう言い聞かせています。

出会った人と共に、ものに新たな生命と価値を与えられる企業を目指すこと。
企業理念のひとつが実現しました。
ご清聴くださりありがとうございました。

Revived stool EB
・ヨーロッパビーチ材
・自然塗料クリアオイル仕上げ
・座面:W362mmxD313mm
・高さ:420mm
受注生産品(納期は1ヶ月前後)
・販売価格66,000円(税込)
ONLINE SHOPにて販売しております。

KUMITATERU
WEBサイト
https://kumitateru.mystrikingly.com
Instagram
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YOUTUBE
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