姫路の浄土

2022.08.05 Category :


姫路市への出張査定帰りに天台宗別格本山である書寫山圓教寺に行ってまいりました。

何の気なしに目を向けた町の掲示板に貼られたチラシで
境内のお堂で現代美術家の展示が行われていると知り、
これは何かのお導きではないかと思い立ち寄ることにしました。

圓教寺のことを何も知らずに向かったため、
てっきり目的のお堂近くまで車で行けるかと思いましたが
目的地に着くとそこは山の麓。。。
圓教寺は山岳寺院で登山道を歩いて登るかロープウェイで上がるかしかないとのこと。。。

閉場の時間も迫っており観覧できるかも不安なため、どうしようか悩みましたが
これもきっと阿弥陀様のお導きと思いロープウェイに飛び乗りました。

ロープウェイ山上駅から更にバスに揺られて無事に山道に到着したものの境内は広く、
目的のお堂である常行三昧堂までは少し距離があります。

小走りで走りながら舞台造りの摩尼殿やお地蔵様をゆっくり見たいなぁ〜と思いつつ
原生林の木洩れ陽の中、先を急ぎました。

勾配のある参道を最後まで登り切ると大講堂(重要文化財)が現れます。建造は室町中期。

ゴリゴリの室町枓栱ときょうをじっくり眺めたいところでしたが
閉場まで時間がないので今回はお預け。

その大講堂の正面にある常行三昧堂(重要文化財)に鎮座されるのは木造阿弥陀如来坐像でございます。

何とか間に合いました。

圓教寺を創建した性空上人の弟子である安鎮の作。造立は1005年だそうです。

千年以上前のものとは驚き。お堂の中心に鎮座する像高3メートル近い阿弥陀如来様は圧巻です。

一切の無駄を排した簡素な設えがより存在感を際立たせているように思います。

阿弥陀様の周囲には現代美術家杉本博司氏の光学ガラス製の五輪塔が並びます。

全方位に配置される五輪塔は阿弥陀如来様をお守りする菩薩様の様にも思えます。

よく眼を凝らすと五輪塔の内部には遥か昔から変わらぬ景色が。。。。。。

御念仏を唱えながら阿弥陀様の周りを廻ればきっと悟りの境地へと到達することでしょう。

時を超えて衆生を極楽浄土へと誘うべく、阿弥陀様は今日も説法を続けられます。

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…………………………….

圓教寺には他にも文化財や史跡が多数ありますので再訪したいと思います。

次回は修験者に成りたいと思います。。。。。。

『圓教寺×杉本博司 Five Elements 五輪塔 地 水 火 風 空』展は8月31日まで
開場時間が10-16時
詳しくは公式HPをご覧ください。
圓教寺公式サイト
小田原文化財団公式サイト
姫路市立美術館公式サイト