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スタッフ日録:獅子鈕牡丹文象耳香炉#15

2024.06.28 Category :

大阪府柏原市にお住まいのお客様より、獅子鈕牡丹文象耳香炉をお譲りいただきました。

真鍮で作られた重厚感のある香炉は江戸末期から明治初期頃に仏具香炉として作られたもので、経年による色艶からは毎日欠かさずに御香を焚いたことが見て取れます。

蓋には親子の獅子が鎮座しており、獅子の体には細かな毛彫が施され、親と子の表情や牙部分の細部に至るまで緻密に作られています。

身には牡丹の帯がめぐらされており、その下の窓にはそれぞれ異なったポーズの獅子が高浮彫で装飾されています。

なにか仏教の教えを表しているのでしょうか。

獅子は百獣の王と呼ばれることから、力や権威の象徴として崇められ、邪気や悪を祓う霊力を持つ聖獣として祭礼や儀式の場を清める役割を担ってきました。

その獅子が唯一恐れるのが体内に寄生し肉を喰らい死に至らしめる害虫。

害虫が牡丹の花から滴る夜露を嫌うことから、獅子は夜になると牡丹の下で眠るといわれています。彫刻や屏風絵などに獅子と牡丹の組み合わせが多いのもこの伝説が元となっています。

獅子身中の虫という仏教の教えを香炉の彫刻を通して説いているのかもしれません。

耳は象耳となっています。

象と仏教の関わりは深く、力強さや忍耐力を称えインドでは「動物の王」として尊ばれてきました。

あらゆる障害を除き、富をもたらす幸運の象徴とされています。

こうした獅子や牡丹、象のモチーフから邪気を払い招福をもたらすといった意味がこめられていることがわかります。

元々は五具足の一つでしたが、時とともに香炉だけが残り、大切に受け継がれたようです。

丹念に作られた造形だけでなく、そこに込められた意味を知ることで、よりお品ものを理解できたように思います。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。


品名:獅子鈕牡丹文象耳香炉
産地:高岡銅器
時代:江戸末期-明治初期


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スタッフ日録:翡翠の簪#14



スタッフ日録:翡翠の簪#14

2024.06.19 Category :

簪買取大阪
大阪市天王寺区にお住まいのお客様より、美しい翡翠の簪をお譲りいただきました。

この簪は明治から大正時代頃のもので、非常に色目の美しい翡翠と精緻な唐草文が施された軸を組み合わせた上品なお品ものです。

また本作には現在採掘が禁止されている糸魚川翡翠が使われており、軸には18金が使用されてます。

滑らかな曲線に削り出された翡翠と緻密な彫金技術のどちらの技にも目を見張るものがあります。

相当に手間暇をかけて作られており、非常に高価なお品ものであったのだと思います。
簪買取大阪
現代では和装は普段着から特別な日の装いへと変わり、簪を身に付ける機会もなくなりました。そのため、仕舞われたままになっている方も多いのではないでしょうか。

女性のお洒落としての髪飾りの文化は、いつから始まったのか私なりに調べてみました。

日本における簪の起源は縄文時代まで遡ることができますが、江戸時代中期に急速に発展したと言われています。

江戸時代初期の垂髪が主だった頃は、髪をまとめるための実用的なものが用いられていました。

しかし、中期に入ると遊女たちが黄楊の櫛や鯨の笄を使用し、大名の奥方など身分が高い女性たちは鼈甲の飾り櫛を愛用するようになりました。
簪買取大阪
翡翠や珊瑚、瑪瑙、鼈甲といった天然素材から、金や銀などの貴金属、蒔絵や象嵌が施されたものまで、実に様々な材質やデザインがあります。

四季の風景や草花、物語の一場面、吉祥模様など職人たちはその技術を競い合い、時には存分に楽しんで制作に励んだと言われています。

簪は身分を問わず、当時の女性たちのお洒落に欠かせない必需品となり、珍しい意匠や豪華なものは話題となったことでしょう。
簪買取大阪
明治時代に入り、西洋化が急速に進む中で江戸時代のような四季や物語を感じる華やかな装飾を施したものは少なくなり、通年で使用できるシンプルなデザインが増えたそうです。

同時に日本髪から洋髪への変化とともに、簪を身に付ける機会も次第に減りました。

今回お譲りいただいた簪も時代の流れとともに使われなくなり、長い間、着物箪笥に仕舞われていたものです。

希少な天然素材を用い、高い技術で作られたお品を次代に繋ぎたいと思います。

皆様も一度、箪笥の中に眠ったままの貴重な髪道具がないか、見てみてくださいね。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠に有難うございました。


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スタッフ日録:KUMATORI MUSEUMに出店しています#13



スタッフ日録:KUMATORI MUSEUMに出店しています#13

2024.06.06 Category :


先日のblogにて、ご案内させていただいた「KUMATORI MUSEUM」in 重要文化財・中家住宅が6月2日より始りました!

私も店番として参加させていただきました!

ORIGENは出張買取がメインのお店ですので、イベントへの出店や実際に古いものを買われるお客様とお話する機会はほとんどありません。

私は社内勤務なので、お客様と直接やりとりすると思うと大変緊張しました。

そんな中、開場直後から数名のお客様が見に来てくださいました。

皆様、気になったお品ものを手に取り、じっくり見ていただきました。

切子ガラスのコップや明治時代のうつわを手に取ったお客様が「懐かしい!」とおっしゃる姿を見て、とても嬉しい気持ちになりました。

店番の合間に、展示を見たりフード出店されている百日草さんのお弁当と珈琲をいただきました。

中庭のベンチに腰掛け、晴れた青空の下でいただく昼食は格別で、身体に優しいお弁当とハンドドリップのコーヒーで心も満たされました。

展示されている絵や写真作品に目を惹きつけられ、つい足を止めてじっくりと見入ってしまいました。

細かな描写や、独特の色使いを間近で見ることが出来ます。

400年以上もの歴史を紡いできた中家住宅で工芸品や美術展示に触れ、心豊かな時間を過ごしませんか?

皆様のご来場を心よりお待ちしております。


KUMATORI MUSEUMは6月9日(日)11時〜16時まで開催されております。

ORIGENでは陶磁器や漆器、小さな置物や花入など、昔の人々の暮らしの中で使われてきたお品をお持ちしました。

是非、お手に取ってご覧ください。

隣接する熊取交流センターすまいるズ煉瓦館ではオリナスジカンvol.3が開催されます。

こちらでは美味しいモノや丁寧に作られたモノ、ワクワクするコトに出会える場所として約50組の素敵なお店が集まります。※こちらのイベントは6月9日10時−16時に1日のみ開催


【KUMATORI MUSEUM】
日時 : 6月2日(日)〜6月9日(日)※6/5(水)休館日
場所 : 重要文化財・中家住宅


【オリナスジカンvol.3】
日時 : 6月9日(日)10:00-16:00※雨天決行、荒天中止
場所 : 熊取交流センター煉瓦館・重要文化財・中家住宅
駐車場 : 約150台
出店数 : 約60店舗