今日の一品 ●◎○

2022.05.31 Category :


某所にて不思議な黒丸い物体を発見しました。

とても古い物のようです。

部分的に剥がれ落ちてしまった箇所を見ると下地は木のようです。非常に軽量に造られております。

表面はアジア地域に見られる漆(うるし)と呼ばれるものに似ているように思います。

6時の位置には丸輪と呼ばれる家紋のような紋章が金色で施されています。

少し角度を変えてみると円盤型であることがわかります。

全体に緩やかな山形となっており、外縁部が僅かに反り上がっております。

表面は凸凹しており、さながら漆塗りの伝統的な技法のひとつである叩き塗と呼ばれるもののようです。

直径430mmの円盤の裏面には金箔が施されています。

また裏面には綿の入った紐状のクッションのようなものが取り付けられており、ちょうど人間の顎の形状にフィットするような造りとなっております。

まるで時代劇で見たことのある被り物のよう。

はい正解です。陣笠です。

壁にかけてみると抽象的なオブジェのようにも見えます。

こちらは江戸時代のお品もので一文字陣笠と呼ばれるもの。

全体を変塗の一種である叩き塗で仕上げ、裏面は総金箔で仕上げられております。
余計な装飾が無く、なかなかにセンスの光る良い一品かと思います。

輪紋と言えば家紋の中で最もシンプルなもの。

様々な紋様と組み合わせることで変幻自在にその姿と意味を変異させます。

個人的な思い入れがあり、屋号のロゴマークなど会社に関連するものには必ず輪紋を取り入れています。

早速、デザイン部に依頼してロゴマークを加えてみました。
これをやってみたかっただけです笑

改めて漆塗りに関して調べてみると知らない事が沢山あり、ご紹介したかったのですが無駄な前置きのせいで長くなりましたのでまた機会を改めます。

と言うわけで今日はこれくらいにいたします。
以上、簡単ではありますが江戸時代の『丸輪紋一文字陣笠』のご紹介でした。

この度は長年大切に守られてきたお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

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