協力カメラマン&アルバイトカメラマン募集中

2020.10.23 Category :

ORIGENでは商品の撮影を手伝っていただける協力カメラマン・アルバイトカメラマンを募集しています。

撮影するものは、弊社が国内で買付けした骨董品などの時代物からアンティーク家具といった古いものを中心に様々なお品ものを撮影していただきます。

中には希少な一点ものやお客様からお預かりした大切なものもありますので、丁寧な作業を心がけていただける真面目な方を求めております。

今回は以下の二形態での募集となります。

協力カメラマン
物撮り経験・その他、仕事としての写真撮影経験ある方のことを協力カメラマンとさせていただきます。

弊社のスタジオにて商品を撮影していただきます。撮影点数に応じて報酬をお支払いいたします。撮影報酬は経験やスキルを考慮の上、事前に決定させていただきます。

アルバイトカメラマン
仕事としての撮影は未経験でも写真撮影が好きという方や写真に興味がある方のことをアルバイトカメラマンとさせていただきます。

報酬は時給にてお支払いいたします。時給はカメラの基礎知識やポテンシャルを考慮の上、決定させていただきます。未経験でも興味があれば大丈夫です。

あまり馴染みのない業種かと思いますが、20~30代のスタッフが中心の職場です。いずれの形態であっても働き方や勤務シフトはご相談いただけます。

社会人としての基本的なマナーがあり、人と人とのきちんとしたコミュニケーションの取れる方、経験よりも人柄を最も重視いたします。

学生の方でも大丈夫です。

興味を持っていただけましたらメールでお問い合わせください。詳しい募集要項をお知らせいたします。

ご応募お待ちしております。

ORIGEN古いもの買取り・大切なもの売却代行
住所:543-0017 大阪市天王寺区城南寺町1-16
TEL:0675095761
MAIL:info@osaka-origen.com



移転が完了しました!

2020.10.13 Category :

みなさまいつもお世話になっております。
以前にブログでお伝えしておりました店舗移転が完了し、荷解きもほぼ終えて、やっと落ち着きました。

自分達の作業スペースの片付けが落ち着いたので、これからご来客スペースの改装工事を準備していきます。急な移転だったため、まだまだ準備不足でお客様にはご不便をお掛けしております。出来るだけ早くご来店いただけるようにいたしますので何卒よろしくお願い申し上げます。

念のため、改めて営業状態を記載しておきます。

・出張査定は通常通り営業しております。
・工事中につき、店頭査定は休止しております。

駅前だった恵美須町店に比べ、駅からは離れているので少し不便ではありますが、お寺の多い落ち着いた街並みが魅力的です。

この場所から引き続き精進してまいりますので、
今後ともORIGENをどうぞよろしくお願いいたします。

末筆にはなりますが、
まだまだ世界的に大変な時期ですので
みなさまどうぞご自愛専一になさってください。

ORIGEN 新連絡先
住所 大阪府大阪市天王寺区城南寺町1-16
電話 06-7509-5761
FAX 06-7508-1472

写真査定も受け付けておりますので、
ぜひ「お問合せ・Q&A」のメールフォームよりお送りください。
お待ちしております。



今日の一品 『手捏ね 煎茶急須と煎茶碗』 大田垣蓮月作

2020.09.25 Category :

大阪市中央区のお客様よりお譲りしていただきました。

ご親戚の方の趣味が骨董品蒐集だったそうです。今回、建物の処分に伴う整理時にご相談くださいました。

色々と細かく拝見させていただいている中、水屋の中の木箱に目が止まりました。

箱を開けてみると…

凡そ片手にすっぽりと収まる小さな丸い急須。

細かい貫入のある土肌が柔らかな、風情ある一品です。

轆轤などの道具を使わず手捏ね(てずくね)という方法で成形されています。

胴には何やら文字が刻まれています。

蓮の花の形をした蓋のつまみは繊細に作られています。

揃いの茶碗五客は貫入から柔らかな陶土へとお茶が染み込むことによって作り出された絶妙な色味となっています。使い込み具合によってそれぞれ一点もの。

作者は江戸時代後期の尼僧であり、著名な歌人である大田垣蓮月。

歌人としての評価もさることながら陶芸品も数多く制作しております。

陶芸品は蓮月焼と呼ばれており、手捏ねのやきものに和歌を釘彫するのが代表的な作風です。

その人気故に偽物も多いお品ものとなります。が、偽物を公認していたとされる逸話もあります。

蓮月に関して改めて調べると面白い記述が沢山あり、作品はもちろんのこと、その生涯を含め実に見所の多い人物。また別のお品ものを入手する機会がありましたらご紹介します。

明けたてばはにもてすさび暮れゆけば仏をろがみ思ふ事なし

通釈:夜が明けてきたら、粘土をもてあそび、暮れてきたら、仏を礼拝して、ほかに思うことはない。

以上、簡単ではありますが大田垣蓮月の『手捏ね 煎茶急須と煎茶碗』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは急須や茶碗を始め、様々な煎茶道具を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)
1791年、京都の三本木に生まれる。俗名はのぶ。生後すぐに大田垣光古の養女となる。1823年に知恩院で剃髪、蓮月を名乗る。その後、詠んだ和歌を記した陶器を制作。それが「蓮月焼」としてかなりの人気を得る。しかし蓮月は飢饉の際に喜捨をするなどし、自身は質素な生活を好んだ。生涯で2度の結婚と4人の子どもをもうけるも、全て早くに死別してしまう。1857年12月10日に85歳で逝去。
和歌では貞心尼ていしんに(越後)、千代女ちよじょ(加賀)に並ぶ三大女流歌人の一人である。



今日の一品 『長閑形銀張釣 鐵瓶』 平安三徳堂造

2020.09.16 Category :

大阪府箕面市にお住まいのお客様より、ご自宅の建て替え工事に伴うお道具類の整理の際に出張査定のご依頼をいただきました。

長年受け継がれてこられた様々なお道具類があり、一点一点細かく査定させていただきました。

今回ご紹介する一品は未使用で保管されていた平安三徳堂の鉄瓶です。

長閑形と呼ばれる最も正統な姿をしており、鉄地は白肌に仕上げられております。また、釣(掴手)部分は銀張が施されており、格調高い鉄瓶となっております。

重厚感のある紫斑銅に梅型の銀摘みもとても上品です。

鉄瓶には象嵌や文様の凝った別誂のものから普段使いのものまで色々とありますが、今回ご紹介した鉄瓶のような正統派のものは飽きが来ず、長く愛用できる気がいたします。

直ぐに使い始められ、一から育てられる未使用品でしたので高評価につながりました。

使用品ですと錆びているもの、蓋や箱の無いものも多いですが、そういった状態であっても是非ご相談ください。

以上、簡単ではありますが平安三徳堂の『長閑形銀張釣 鐵瓶』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは鉄瓶を始め、様々な金属工芸品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 『漢瓦楽一字純銀火舎 耳付香炉』三浦竹泉・秦蔵六造

2020.09.14 Category :

大阪市平野区より、お祖母様が遺されたお品ものの出張査定のご依頼いただきました。

お茶道を嗜んでおられたそうで、お茶道具を中心にご遺品を細かく査定させていただきました。

中でも高く評価させていただいたものが、『漢瓦楽一字純銀火舎 耳付香炉』です。

京焼の名跡である三浦竹泉と鋳金家として名高い秦蔵六による合作。

両家ともに江戸期より技を継承し続ける名跡です。

やきもの、金工とそれぞれのルーツと言えば、中国。この作品からは両氏の中国陶磁器、青銅器への憧憬を感じます。

青磁釉と陰刻技法が明時代の龍泉窯の青磁香炉のごとく、火屋部分は漢時代の瓦当を模した形式となっており、両氏に共通する思想と見事な技によってしか結実しえない逸品かと思います。

以上、簡単ではありますが三代三浦竹泉と四代秦蔵六による合作『漢瓦楽一字純銀火舎 耳付香炉』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは香炉を始め、様々な香にまつわるお道具を探しております。

古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。よろしくお願いいたします。

三浦竹泉(みうらちくせん)
京焼(清水焼)の窯元・名跡。
三代竹泉:1900年生まれ。初代竹泉の末子。兄二代竹泉が早世し、兄の子息も幼少だったため1921年に襲名。1931年に四代に家督を譲るも「竹軒」と号し製作を続ける。当代は5代。

秦蔵六(はたぞうろく)
江戸期から続く鋳金家の名跡。
四代秦蔵六:1898年生まれ。江戸末期からの「蔵六」の名と鋳金技法を継承した。二世蔵六に師事。技術保存資格者。京都金属工芸協会長をつとめる。1984年12月1日、87歳没。

漢瓦(かんが)
漢時代の瓦。先端部分(当)に様々な文字や図といった装飾が施されている。



ORIGENの所蔵品が博物館に収蔵されました。

2020.09.09 Category :

大正七年。今から約百年前にスペインかぜと呼ばれるパンデミックが起こったそうです。このパンデミックが契機となり一般化したと言われる衛生マスク。その時代からやや時代が下る昭和初期のマスクを、出張買取にお伺いしたお家の古い家具の引出しの中から見つけ、今年の3月にブログで紹介させていただきました。

実はこのマスクが北海道にある浦幌うらほろ町立博物館に収蔵されることとなりました。『コロナな時代のマスク美術館』という企画展を開催するにあたり、古いマスクに関する資料を探していた同博物館の学芸員の方がブログに目を止めてくださり、連絡をいただきました。興味深いものを見つけたと思いブログでご紹介したものの、まさか博物館に収蔵されるとは思いませんでした。

昭和初期という物の無い時代だったためか、古い家具の引出しに大切に仕舞われておりました。70年以上前のものとは思えないほど綺麗です。布マスクのため繰り返し利用できるので使い捨てではありませんが、紙箱と包紙が完全な状態で残されているものはそれほど多く無いのかもしれません。当時の個性的なパッケージが目を惹きます。もしかすると、デザインが気に入って捨てずに残して置いたのかもしれません。

内山武商店が1923年(大正12年)発売した『壽マスク』(商標登録品第1号)の後継品と思われる福壽ふくことぶきマスク。国産初期マスクのひとつとして展示されています。

弊社に保管しているよりも、歴史資料として保管・展示されるのが一番です。

8月1日から9月27日まで開催されている『コロナな時代のマスク美術館』に全国から集められたマスクとともに展示されています。

新型コロナウイルス感染症は未だ終息の見通しが立たず、コロナ以前の生活が思い出せないほど社会に変化を与えました。もはやこれまでの生活を取り戻すことは不可能とさえ感じます。

一刻も早い安全なワクチンや治療薬の登場が待たれますが、今できる感染対策はマスクをはじめ、基本的な衛生管理しかないのかもしれません。私自身は感染症対策の科学的知見はありませんが、マスクは飛沫は抑えられると信じています。

ORIGENでは出張査定時におけるマスクの着用と手指のアルコール消毒を引き続き徹底して続けて参ります。よろしくお願いいたします。

・浦幌町立博物館URL:https://www.urahoro.jp/chosya_shisetsu/kokyoriyo/museum/

・NHK札幌放送局手作りマスクが語り継ぐURL:https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n4a18e0ad1191

・前回のブログはこちら

記事内の3枚目と4枚目の写真は、浦幌町立博物館の方が撮影してくださいました。マスクは今後適切に保管されるとのことで嬉しく思っております。この度はお声がけくださり誠にありがとうございました。末筆にはなりますが、心より御礼申し上げます。



今日の一品 心斎橋 羽田製『石肌砲口宝珠銀瓶』

2020.08.31 Category :

本日は大阪市東住吉区のお客様より、出張買取りにてお譲りしていただいたお品ものをご紹介いたします。
玉葱の様なぽってりとした形におちょぼ口のような注口のついた愛嬌のある純銀製の銀瓶です。
生前、お爺さまがよく使われていたものだそうで渋みの出た風情ある趣きです。

丸みのある形からぴゅっと飛び出したシャープで絶妙な角度の注口は湯切れがとても良さそうです。

アケビの蔓を用いた掴手は使い込むほどに手に馴染み、美しい飴色への経年変化も楽しみのひとつ。傷みやすい自然素材に補強も兼ねた細い銀針金がアクセントになっています。

かつて、大阪の心斎橋にあった羽田貴金属店が製造販売した銀瓶で品質も良く評価の高いお品ものです。本品は蓋裏にある羽田製・純銀の刻印の他に設立記念と受け取られた方の名前も刻印されております。固有名詞などの刻印は無い方が望ましく、やや評価が下がってしまいますが、刻印があっても問題はありません。

愛嬌のある形ながら、経年変化によるいぶし銀への変色が風格を与えています。自然素材のアケビの掴手は銀の重みのある印象を和らげるだけでなく、熱を伝えにくく、手に馴染み普段使いにも適した素材です。手にすっぽりと収まる大きさも魅力的で毎日愛用したくなる一品です。

以上、簡単ではありますが心斎橋羽田製の銀瓶のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは銀瓶を始め、様々な銀製品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 香器『待春』帖佐美行作

2020.07.31 Category :

大阪市西淀川区のお客様よりお譲りしていただきました。

独特な形の香炉。

銅に銀鍍金を施し、鏨で可愛らしい蝶と水玉文を彫刻しています。

作者は文化勲章受賞者であり文化功労者の彫金家帖佐美行氏です。

作品名は『待春』

白檀のやさしい香りが漂ってきそうな爽やかな香炉です。制作年代は1980年代頃と思われます。

香炉は実用的で人気のあるお品ものです。

こちらの香炉は見た目も可愛らしいのでお香が苦手な方は飾って楽しむのも良いかもしれません。

最近、お香に少し凝っているので、しばし楽しんでから次の方にお譲りしたいと思います。

以上、簡単ではありますが帖佐美行の香器『待春』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

帖佐美行(ちょうさよしゆき)
1915年鹿児島県出身。1930〜38年まで彫金家小林照雲に、1940年からは彫金家海野清に師事。

1966年日本芸術院賞受賞。[1]

1969年日展理事に就任。

1974年日本芸術院会員になる。

1975年日展常務理事に就任。

1987年文化功労者、1993年文化勲章受章。



移転のお知らせ We will move.

2020.06.18 Category :

大阪市浪速区恵美須町で開業してから、早5年。あっという間の5年間でしたが、この度ご縁をいただきまして、大阪市天王寺区城南寺町へと移転する運びとなりました。

創業地であり、職人さんや友人と作った思入れのある店なので、名残惜しいですが6月30日をもちまして恵美須町での営業を終了とさせていただきます。

近隣の方々ならびに、ご依頼いただきましたお客様のおかげで無事に5年間の営業を続けてこられました。ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

移転先でもプロの方の手をお借りしながら、自分達で出来る部分はセルフリノベーションで作っていこうと思います。

今までよりも広いスペースになりますので、これまで十分に取り扱うことの出来なかったお品ものにも対応できるようになります。

お客様の利便性向上に努めてまいりますので何卒よろしくお願いいたします。

工事期間中は店舗査定を休止しております。仮設になるかと思いますが、出来るだけ早くご来店査定ができるよう準備を進めてまいります。

なお、出張査定は平常通り営業しておりますのでお気軽にご相談ください。

お客様にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

ORIGENでは古美術品などの骨董品を中心に古家具や時代建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



唐津&博多旅行記 博多編

2020.05.18 Category :

博多の祖父母宅へ帰省した際の記録をまとめました。

前回は唐津編のご紹介でしたが、今回は博多編。ORIGENのルーツを辿る旅になりました。

昨年も博多に帰省した際に訪れた福岡市赤煉瓦文化館。

明治42年(1909年)に旧日本生命保険株式会社九州支店として竣工。

東京駅の設計者である辰野金吾設計による見事な煉瓦建築です。

初めて見た時からただならぬものを感じていましたが、今年の帰省時に発見した叔祖父の写真アルバムに約80年前に撮影された『朝ノ日本生命』と題された白黒写真を見つけ驚きました。朝霧のせいか朧げな姿です。

祖母に写真について聞くとアルバムを見ながら当時のことを詳しく話してくれました。

「橋口町には書店や西洋家具店などのお洒落なお店があり、お医者さんや大学の先生など当時の文化人が沢山住んでいた最先端の町。赤煉瓦はそのシンボルでとても立派な建物だった。骨董屋さんも沢山あり、その中でも岩権(いわごん)が一番大きかったのよ」

旧日本生命保険株式会社九州支店のあった地域はかつては橋口町という地名で西洋建築が立ち並ぶ、博多で最も文化的に進んだ町だったそうです。

橋口町に関することは後述することにし、建物内部に。

この建物は国の重要文化財に指定されており、内部は綺麗に復元されています。鉄骨材は当時ENGLANDから輸入されたものだそうです。

階段部分や天井の装飾部分は曲線的なアールヌーボー様式。手摺部分は戦時中に供出したために木製になっています。

大きな上げ下げ窓や復旧品を含む古い金物や照明器具など細かい見所が沢山あります。

唐津で訪れた旧唐津銀行との共通点などを比較するのも面白い。

そして、毎年恒例の灯籠へ。

福岡市赤煉瓦文化館から徒歩10分程のところに、博多町家寄進高灯籠という大きな石灯籠があります。

明治時代に建造されたもので、灯籠の表面には博多の商家の屋号が刻まれた石板がびっしり嵌め込まれています。その中には曽祖父の代まで営んでいた骨董店の石板も残されています。祖母の話の中で語られた橋口町の岩権(いわごん)とはこのことです。

ORIGENという屋号は祖父の営んでいた織源という呉服店から引継ぎました。岩権は祖母の家系が幕末〜昭和30年代前後まで営んでいた骨董店の屋号です。

祖母の話を裏付けるようにアルバムに貼り付けられた『橋口町ノ光景』と題された写真には書画骨董と書かれた骨董店の軒先が写っています。残念ながら岩権 骨董舗の写真は現存しません。

当時の橋口町には古美術を扱う骨董店が沢山あったようで、中でも岩権は一番のれんの古い老舗だったと記載されている郷土資料が残されています。

私が生まれた時には岩権の最後の代である曽祖父は既に他界していたのでこの道の手ほどきは受けてはいませんが、家の歴史を証明できるものが残されているのは少し誇らしく、同時にその名に恥じないようにせねばと気の引き締まる思いになります。

これから博多の旧橋口町に関する資料を収集していこうと思います。資料お持ちの方がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください。

ORIGENでは古美術品などの骨董品を中心に古家具や時代建具まで幅広く取り扱っております。
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お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



He is back.

2020.05.15 Category :

時計修理の専門店にオーバーホールを依頼していたGrand Seiko 61GSが帰ってきました。

見事に復活。

内部の傷みが激しい不動品でしたが、職人さんの腕のお陰で時を刻み始めました。

GrandSeikoHI-BEAT(Ref.6146-8050)Cal.6146A 1972年製

48年前の時計です。ハイビートの小刻みで軽快な稼働音がとても心地よい時計です。

文字盤は濃紺色。

この濃紺色の文字盤については色々と調べたのですが、確かな情報が掴めませんでした。

Grand Seikoに詳しい知人二人に聞いたところ、

「現行のGrand Seikoは多種多様なカラーの文字盤があるが、本来は白・アイボリー系統だけで濃紺色のものは無い。つまりこれは後塗りと呼ばれるもので文字盤の傷んだGrand Seikoを海外で再塗装して再販したもの」

という意見と

「これは紛れものくオリジナルの文字盤。キングセイコーがバラエティに富んだモデルを販売していた時期に高位機種であるGrand Seikoも特殊なモデルをいくつか作った。この時計もその中のひとつで、濃紺文字盤カットガラスの風防どちらも紛れもなくオリジナル」

との2つの意見に別れました。私はGSオタクでは無いのでどちらが正しいのか分かりませんが、実物をルーペで細かく見た上での印象では後者の意見が正しいような気がいたします。

そして、私としては文字盤がオリジナルか否かよりも、この文字盤固有の特徴が堪らない。

前回のBlogを見ていただいた方の中にはお気づきになった方もおられるかもしれませんが、濃紺の文字盤全体に退色による色の変化と銀色の斑点が無数に現れており、さながら星空のようです。

銀色の斑点は湿気に晒されたことが原因による浮き錆ですが、光の当たる角度で表情が変わる様は曜変さながら。

見方によっては文字盤の傷んだジャンク品に見えるかもしれませんが、偶然によって生まれたここにしかない一本。長い時間が生み出した特別な美しさがあります。

ヴィンテージウォッチの世界ではROLEXのトロピカルダイヤルに代表するような美しい経年変化は時計の価値を高める要素になる場合があります。

この一本もそのひとつ。不動品や傷みのあるお品ものでも本来の価値以上のものがあるかもしれません。



対策済!出張査定・最新の営業状況に関して。

2020.05.12 Category :

新型コロナウイルス感染症に伴う弊社の対策と最新の営業状況をお知らせいたします。

現在の営業状況

出張査定:5月8日より通常通りの営業を再開いたしました。

店舗査定:引き続き休止中

店舗での査定は引き続き休止しております。お客様にはご不便をおかけいたしますが何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。

ORIGENでは可能な限りの感染症対策を講じた上で出張査定を行っております。

数に限りはございますが、ご希望のお客様にはマスクをお渡ししております。

また、感染リスクを下げるために玄関先での査定も可能です。

その他、ご希望の査定方法がございましたらお気軽にご相談ください。

先行きが見えず不安な日々が続いておりますが、慎重に状況を見極めながら最善の方法で営業して参ります。

古美術品などの骨董品を中心に古家具や時代建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取査定や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。