83年前の今日。告広聞新の行発日一十二月二年一十和昭

2019.02.21 Category :


掛軸を包んでいた古新聞に目が止まりました。昭和十一年の二月二十一日発行。西暦1936年。今日からちょうど83年前の朝日新聞の一面で大部分は広告欄で占められています。
包まれたものの特定に新聞は役立ちます。あくまでも目安ですが戦前or戦後のもの?など判断材料の1つに加えることもあります。新聞だけ古くて中身は新しいものなんて可能性もありますので注意が必要です。
因みに1936年の出来事と言えば二・二六事件。この新聞の5日後と思えば少し時代感が掴みやすくなるかと思います。余談ですが昭和十一年のカレーライス1皿価格は十五銭~二十銭、大福は三銭です。

広告欄に目を向けますとレコード会社と製薬会社が目立ちます。今でもある企業も。レコードの新譜案内ですが一曲もわからない。。。気になる一曲を選ぶならば廣澤虎吉の左甚五郎ですかね。
※ちなみに左甚五郎とは…江戸時代初期の宮大工、彫刻師。日光東照宮の眠り猫などの作者とされている伝説的人物。逸話が多く、彼が登場する歌舞伎や落語がある。


デザインは手書きならでは温かみが感じられます。商品のキャッチコピーもいいですね。

試験準備は先ず鼻の治療から 鼻の薬 ハナトオール
気持ちわかります。鼻詰まりがキツいと息苦しく受験勉強に集中できない。ゞ( ̄∇ ̄;)大した受験勉強してないでしょ!!泣

濃化粧 さらりと 落ちる シバニホーサン石鹸 地肌を整ふ
恋化粧 さらりと 落とし シバニホーサン石鹸 あなたを想ふ
替えてみました。ダメですね。センスがない(´Д`。)悲

ORIGEN オリゲン 古いもの買取・大切なもの売却代行
「あっ!昔から変わらず同じキャッチコピーで営業してはるんですね~。ロゴも変えることなく細く長く商売されてるんですね~」Σ\( ̄ー ̄;)んなわけあるかいっ!!
作り話です汗

この新聞を見つけて眺めているうちにアイディアが浮かび、広報部長に発注して作ってもらいました。新聞広告の営業電話よくかかってくるんですが、なかなかいいお値段しますので、こちとら手作りですゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
それにしても良くできていると思いませんか(笑)
手書き具合と古い新聞印刷のかすれた風合いを再現しました。
今日から83年後は2102年。これを読んでいる人はもれなくあの世の住人となっています(笑)
が、その頃に会社はどうなっているのか。。心配しても仕方ない。日々精進あるのみ。
古いものを整理される際にはお気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。

※著作権について
今回は一枚目の新聞の画像内にて、
調べたところ著作権の切れていない部分がありましたのでそれらしく見えるように差し替えております。
毎回著作権に関わるだろうことがある際は素人には判断が難しいことがありとても悩みますが、
こちらも作る側にいますので気をつけて参ります。
今後もブログを楽しんでいただけたら幸いです。



切符手形買取の御案内

2019.02.15 Category :


昔に収集した記念切手や郵便切手などなど。見る機会が減り、閉まったままの切手はございませんか?
シート切手にバラ切手、ボストークに収録した希少な切手など幅広く拝見いたします。
今回は喜多川歌麿と東洲斎写楽の浮世絵で切手買取の流れをご説明いたします。

ORIGENの切符手形買取の引き札を手に取った元禄美人。どうやら切手の査定方法を思案中。
査定方法は店頭買取・出張買取・宅配買取からお選びいただけます。
いずれの方法でも先ずはお問合せフォームもしくはお電話にてお客様のご希望をお聞かせください。その際に切手の量や種類などわかる範囲でお知らせくださいませ。

実際には煙管を吹かしての接客はいたしませんのでご安心ください(笑)
切手帳の中に紛れた希少切手・付加価値のあるものは番頭がきちんと査定いたします。
付加価値のない通信用切手は額面価値を計算し、以下の%で買取いたします。
~15万円70%
~30万円72%
~45万円73%
50万円~75%
※2019年2月現在の%となります。※小額面バラ切手中心の場合は応相談となります。

もしかすると意外な切手に思わぬ価値が、、、、、、、、、、、
捨ててしまうのはもったいない、、、多少に関わらずお見せください。

こんなドヤ顔にはなりませんのでご安心くださいね(笑)
査定内容を確認していただき、ご納得いただけましたらその場でお支払いいたします。
「見せてよかった」と思っていただけるよう精一杯頑張ります!

切手以外にも金貨・銀貨・古銭・記念硬貨・テレホンカードなども買取しておりますので、お持ちでしたら合わせてご相談ください。よろしくお願いいたします。

画像1枚目左・喜多川歌麿作:おちやつぴ
画像1枚目右・喜多川歌麿作:江戸六玉顔 弓
画像2枚目左:東洲斎写楽:四世松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛
画像2枚目右:東洲斎写楽:三世坂東彦三郎の鷺坂左内
画像3枚目左・喜多川歌麿作:おちやつぴ
画像3枚目右・喜多川歌麿作:傘さす男女
画像4枚目右:東洲斎写楽:市川鰕蔵の竹村定之進
画像4枚目左:東洲斎写楽:三世沢村宗十郎の名護屋山三



本日の素材美 vol.2;杢と黄銅

2019.02.06 Category :


本日の素材美と題しまして実際にお客様からお譲りいただいたものを数回に分けてご紹介していきます。TOPの写真はそれぞれのクローズアップ写真。vol.2は左下の特徴的な杢目と、中央の変色した金属素材の二点をご紹介いたします。

花梨の瘤材で作られた花台。花梨の瘤独特な杢目は美しく昔から珍重されてきましたが、近年は原木の減少により質の良いものが少なくなっています。写真のものは直径50cmと花台としては比較的大きなもので反りもなく状態の良いものです。また濃い部分と薄い部分が含まれているものは紅白と呼ばれる希少部位です。

花梨の杢目には瘤杢(こぶもく)・鳥眼杢(ちょうがんもく)・葡萄杢(ぶどうもく)といった種類がありますが、どの要素も含んでいる様に見え、木材のプロでないと判断はなかなか難しいです。

花台は脚が命。良い材でも脚が駄目だと無骨に見えます。これは、花梨材のシンプルな脚でバランスがとれています。

続いては大正時代に建てられた洋館から取外しさせていただいた黄銅角引手本締錠。元は金色でピカピカだった黄銅も手垢と風化で渋い色味に変化しています。洋館に取付けられていましたが引戸を開けると大きな部屋になり、洋館の中に日本家屋的な構造がある建物でした。解体前にご依頼いただき金物や建具・照明器具などを取り外しさせていただきました。

この味が出るまで大正時代から約100年経過していると思うと感慨深い。またどこかで使われる時が来るのを待っています。

細部の装飾が全体を引き締め立体感を出しています。取り付けている状態ではあまり気がつかない部分ですが接写してみると工夫に気付かされます。直線とパターンの繰り返しによる工業的なデザインはアール・デコ特有のもの。建築に相応しい金物が選ばれています。
今回は花梨の花台と大正期の金物のご紹介でした。次回も写真の中からいくつかご紹介しようと思います。弊社では長い年月を経たものを探しております。骨董・古美術品などの時代もの。古い建具類など幅広く取扱いしております。お気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。



本日の素材美 vol.1;侘び寂び

2019.02.01 Category :


本日の素材美と題しまして実際にお客様からお譲りいただいたものを数回に分けてご紹介していきます。TOPの写真はそれぞれのクローズアップ写真。今回は左上の赤茶けた素材。月面のクレーターのような、ぼこぼことした表面。
正体は舟形吊灯籠。吊灯籠とは家屋の軒先などに吊り下げる照明器具。蝋燭や油を火種とし六角形や丸形は沢山ありますが舟形のものは比較的少なく珍しい一点です。また長年風雨に晒され、朽ちかけている様がさながら沈没船のようです。この吊灯籠を見つけたのは軒先ではなく、縁側の下でした。鉄鎖がちぎれてしまい、吊ることができなくなったために縁側の下に置かれていました。沈没してしまったのです。

船室(火袋部分)の風除け装飾は朽ち果て舟底には穴が空いています。吊灯籠は風雨に晒されるため素材は鉄よりも銅を用いることの方が比較的多いですが銅製ではこの沈没船形吊灯籠は生まれなかったでしょう。自然が創り出したものなので浪漫があります。

「自然の力によって生み出された造形美。細かな装飾部分が朽ちることで無駄な装飾の一切が取り払われ、老いても堅牢さを保つ芯の部分。鉄の味。その佇まいに侘び寂びの美を感じずにいられません」なんてキャプションが添えられていればさまになりそうです。当たり前ですが時代ものは劣化しているものの方が多く、僅かな傷みで価値が無くなることがありますが、それがかえって魅力となる事がよくあります。今回は吊灯籠のご紹介でした。次回は写真の中からいくつかご紹介しようと思います。弊社では長い年月を経たものを探しております。骨董・古美術品などの時代もの。古い建具類など幅広く取扱いしております。お気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。