カナモノガタリ

2020.01.25 Category :


大阪市東住吉区のお客様のもとへ出張査定にお伺いいたしました。

「祖父が集めていたものです。これはなんでしょうか?」

と、古びた木箱から出してこられたのは様々なモチーフの小さな金物たち。

Q,これは一体なんでしょうか?

この仕事をしていると常日頃から見ているものですが、おじいさんの持ち物を整理していて突然、これが出てきたら何だか分からず驚くかもしれません。

約3センチ程の大きさにも関わらず、細かい彫刻や金銀で象嵌が施され、表情や動きまでも見事に表現しています。手に触れる部分に取り付けられていた金物なので良い金味になっていますね。

ヒント,今では持つことが禁止されている危ない物や嗜むことのなくなったものの入れ物に取り付けられていた金物です。

正解は…A,刀の装飾品である目貫とたばこ入れの前金具

お分かりになられたでしょうか?

目貫(めぬき)とは刀の柄(持ち手部分)に取り付けられる装飾品、煙草入れの金具とは煙管が主流の時代にきざみ煙草の葉をいれる袋の留具のことです。

どちらも主に金属で作られており、高い技術で細密な加工が施されています。

モチーフとなるものは家柄に由来するものや験を担いだもの、モチーフの組合せで意味を読み解かせるものなど多種多様です。

粋で遊び心の詰まった物語のある目貫やたばこ入れの前金具はコレクターの間でも人気のあるお品ものです。

時々こうして金具だけ出てくるのは帯刀禁止令で必要のなくなった刀や時代の流れで使わなくなった煙草入れを処分する際に粋な意匠や手の凝った職人技に感動し、残そうと考えた人が多かったからなのかもしれません。

無銘のものが多いですが、中には高名な金工師作の美術的価値ある逸品もございます。

以上、簡単ではありますが先日取り扱いさせていただいた目貫とたばこ入れの金具のご紹介でした。
この度は弊社にご相談いただきありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

骨董品などの古いものの整理・処分にお困りの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。

古美術品などの骨董品を中心に絵画などの美術品まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いもの・美術品の売却はORIGENにお任せください。
よろしくお願いいたします。

メモ:東京に行った際には寄りたい美術館
たばこと塩の美術館
https://www.jti.co.jp/Culture/museum/collection/tobacco/t13/index.html