こんにちは。スタッフNです。
今回は大阪府高石市にお住まいのお客様より、お譲りいただいたミューラー兄弟の卓上ランプをご紹介いたします。
ランプシェードに描かれた鳥と、アイアンフレームに施された宿り木のデザインは、イソップ童話「燕と鳥たち」を彷彿とさせますが、これは偶然の一致でしょうか。
明かりを灯すと、鳥や雲の輪郭がやわらかく浮かび上がり心が惹きつけられます。
ミューラーはフランス北東部出身のガラス工芸一家。
10人兄弟であったことから「ミューラー兄弟」と呼ばれています。
1890年代〜1930年代という激動の時代に生きた彼らですが、戦争を乗り越え、数々の作品を世に残しています。
多彩な技法を駆使することで知られ、特にアール・ヌーヴォー期の「異色熔かし込み」と呼ばれる技法を用いた作品は、雲のような美しい斑模様が特徴的です。
サインには制作した兄弟の頭文字のみを記したものや、CroismareやVSL、MULLER FRES Lunévilleと記されたものなど様々なものがあるそうです。
サインを見るに本品は、1919年から1930年頃の間に制作された作品かと思われます。
宿り木は神聖な植物とされ、再生や復活のシンボルとして数々の神話や伝承に登場します。
その宿り木と、悠然と空を飛ぶ鳥たちが組み合わさったデザインには、まるで一つの物語が紡がれているようです。
アール・ヌーヴォー様式のデザインは、現代のインテリアと組み合わさることで新たな魅力を引き出してくれそうです。
この度は大切なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。
ブランド:MULLER FRES/ミューラー兄弟
特徴:異色熔かし込み/被せガラス
年代:1919年〜1930年頃
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