白髪一雄 作品展|行為にこそ 総てをかけて

2024.09.28 Category :

白髪一雄
こんにちは。

スタッフSです。

つい数日前まで暑さでバテていましたが、嘘のように涼しくなりましたね。

そろそろ、山にでも登りたい気分です。

先日、尼崎市へ出張査定に伺った帰りに偶然ポスターを見つけて、白髪一雄の作品展「行為にこそ 総てをかけて」を見てきました!※会期終了

白髪一雄といえば、尼崎市出身の抽象画家でアクションペインティングの第一人者として世界的に評価されている画家です。
白髪一雄
吉原治良をリーダーとする重要な前衛美術運動である「具体美術協会」に参加し、活躍しました。

1963年に制作された「天富星撲天雕」(てんふせいはくてんちょう)は中国の歴史小説である水滸伝をイメージして描かれた作品だそうです。

具体的なモチーフの無い抽象絵画かと思っていましたが、歴史小説内の豪傑をイメージして描かれているということは知りませんでした。

水滸伝を幼いころからの愛読書だそうで、この作品も作者自身が長い間、大切にしていた一作だそうです。
白髪一雄
制作姿の再現模型。

めちゃくちゃ滑る油絵具の上を、角刈りジーンズでガンガンに攻めてる姿は実に渋くて格好いいですね。

初めはロープ無しだったそうですが、滑ってひっくり返った際に見上げた天井の梁を見て閃いたそうです。
白髪一雄
フットペインティングと呼ばれ、文字通り足で描かれる絵画。

60年前の作品ですが、今も美しい光沢を保っています。

会場には初期の人物画や風景画も展示されていましたが、フットペインティングからは想像できないほどの画力でした。

手で上手く描くことは簡単に出来た上で、足で描いています。
白髪一雄
実は天台宗の僧侶でもあり、密教の世界観を表現した作品も多くあります。

写真は比叡山での修行僧時代の白髪一雄氏。

なんと!!!
鞍作鳥が造仏した法隆寺金堂のお釈迦様にそっくりではないですか!!!

そう思うのは僕だけでしょうか?!
白髪一雄
1971年に制作された『五大』

宇宙の全ての構成要素を意味する空・風・火・水・地がモチーフになっております。

それぞれに梵字が書き込まれています。

発表された当時は仏塔をイメージし、縦に並べられていたそうです。
白髪一雄
1975年の『文殊菩薩供』は密教修業を終えた直後に円を描いた作品の1枚。

「それが現れるまでやる」と予めイメージした仏教教義と絵が一致するまで描いたそう。

イメージを超える作品が現れるまで描き続けるのは、もはや修行そのものです。

個人的には、この作品が一番好みでした。
白髪一雄
吉原治良の作品を始め、具体の作品には円をモチーフにした作品が多数ありますね。

円を描くという行為は単純でありながらも、意味深い行為なのか、はたまた無意味なのかどうかはわかりません。

白髪一雄は世界的に高く評価されていますので、宝くじでも当たらないと買えませんが、いつか小さな作品をひとつ手に入れたいなぁと思います。

助手として、制作を手伝っていた割烹着姿の奥様も素敵でした。

展覧会の会期終了してしまいましたが、尼崎市総合文化センター内の白髪一雄記念室では所蔵作品が見られますのでおすすめです。

以上、簡単ではありますが、白髪一雄 作品展「行為にこそ 総てをかけて」の所感でした。

ご清聴ありがとうございました。


公式サイト↓
白髪一雄記念室


前回のブログ↓
スタッフ日録:Christofle MARLY|マルリー#21


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美術館散歩 in 藤田美術館

2024.04.15 Category :

藤田美術館
大阪を代表する東洋古美術の殿堂。

藤田美術館に行ってきました!

2022年にリニューアルオープンされて以来、行こう行こうで早一年。

やっと、行くことができました!
藤田美術館
開放的で明るいエントランスから、展示室内に一歩足を踏み入れると雰囲気が一気に変わります。

リニューアル前の建物は大阪大空襲を免れた藤田家の土蔵を利用した美術館でした。

新たな建物の外観は現代美術館のような佇まいですが、土蔵で使われていた蔵戸や古材が再利用されており、建物の歴史が紡がれています。
古染付桜川平水指藤田美術館
展示は月に一回、一部が入れ替わり、3ヶ月で全てが入れ替わるそうです。

季節やテーマに合わせて、藤田家伝来の絵画、書蹟、陶磁器、彫刻、漆工、金工、染織、考古資料など約2,000点にも及ぶコレクションから選ばれた作品が展示されます。

国宝9件、重要文化財53件を含むコレクションは圧巻。
あみじま茶屋藤田美術館
圧倒され、疲れてしまうのではと思いきや、多過ぎず程よい展示数で心地よく鑑賞できました。

畳敷きの広間で休憩。

館内併設のあみじま茶屋のお茶とお団子がセットで500円で楽しめます。
藤田美術館多宝塔旧光臺院多宝塔
庭園も見事で堂々たる多宝塔は高野山光臺院から移築されたものだそう。

江戸初期の貴重な多宝塔で大阪市指定有形文化財に登録されています。

生憎の空模様でしたが、とてもいい美術館で楽しめました。

今度は国宝「曜変天目茶碗」を見に行きたいと思います。


藤田美術館

住所|〒534-0026 大阪府大阪市都島区網島町10-32


電話|06-6351-0582


開館時間|10時-18時


休館日|不定休(12/29-1/5)


料金|1,000円(19歳以下無料)
※19歳以下の方は年齢確認できるものをご提示下さい。
※キャッシュレス決済を推奨しております
各種クレジットカード、Quick pay、交通系IC(PiTaPaを除く)


利用案内|ご自身のスマートフォンとイヤホンで無料音声ガイドをご利用いただけます
コインロッカー・傘立て有り(※100円硬貨返却式)


アクセス|JR 大阪城北詰駅 ③番出口より徒歩 1 分
京阪京橋駅 片町口より徒歩 10 分
大阪メトロ長堀鶴見緑地線京橋駅 2 番出口より徒歩7分


前回のブログ↓
買取品目の御案内|骨董品の買取はORIGENへ


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