こんばんは。ORIGENのブログ担当Sです。
今日は木版画のご紹介です。
師走の風景を思わせる寂しげな一場面を切り撮った興味深い作品を買取りさせていただきました。
こちらは守口市のお客様よりお譲りいただいた一品です。
薄暗い夜の路上にある移動式の屋台。店主が吹くチャルメラの音色が寂しく、響きます。
影になった人物や枯れた柳や歪んだ路面が見る人の心理を不安にさせます。
客人も他の屋台も無く寂しげな風景ですが、そば”の行灯が唯一、気持ちを安心させてくれます。
これは昭和25年の作品。
光と影のコントラストを巧みに使い、戦後の貧しい時代の空気感を見事に捉えています。
高校生の頃、大阪の西成の町に興味を持ちカメラを下げて夜の街を徘徊したことがあります。
当時、この木版画にあるような移動式の屋台を引いたおっちゃんに写真を撮らせてもらった記憶を思い出しました。
もう17.8年前のことです。恐らく当時でも現存数僅かと珍しかった移動式屋台。今はもうないかもしれません。
作者は明治末から平成を生きた版画家。徳力富吉郎。
徳力富吉郎の作品は時折、取り扱いますが古都の街並みや寺社仏閣の情景を捉えた作品が多く、写真家に例えると風景写真家という印象を持っていました。
本作は風景写真というよりも夜のストリートスナップ。
さながら、戦後日本写真史に大きな足跡を残す木村伊兵衛の眼差しのようです。
古都の名所を描いたものもいいですが、中華そばの方がリアリズムがあっていいですね。
巧みな画面構成で当時の一瞬を見事に表現した良い作品だと思います。
以上、簡単ではありますが徳力富吉郎の木版画のご紹介でした。
この度は弊社へご依頼いただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
徳力富吉郎
明治35年〜平成12年、京都府出身の版画家。西本願寺絵所を預かる家系の12代目。
京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校を首席で卒業。土田麦僊に師事。国画創作協会に参加。
木版画制作に夢中になり、平塚運一、棟方志功らと版画誌『版』、麻田弁自らと『大衆版画』を創刊。
版画制作所を設立し浮世絵方式による量産も行い、京都創作版画運動の中心的存在だった。
受賞歴:樗牛賞、国画賞、勲四等瑞宝章受章、京都市文化功労賞受賞
著書:『版画随筆』、『日本の版画』、『版画入門』
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