スタッフ日録:南京形銀瓶#22

2024.10.11 Category :


こんにちは。スタッフNです。

今回ご紹介するのは、女性スタッフ一同「かわいい!」と声を上げた中国の南京形の銀瓶です。

実物は写真で見るより小振りで、繊細な作りと可愛らしさに一目惚れいたしました。

把手は南京の茎や蔓ではなく、竹を模した珍しい意匠です。

凝った細工と可愛らしい南京の形は、お茶の席で目を引くのではないでしょうか。

黄正元は19世紀中国(清代)の官吏の名前で壬子(じんし)は干支のねずみ年を意味します。

この刻印により、今から172年前の咸豊(かんぽう)2年(1852年)に作られたお品であることが解ります。

長い時を経たお品ですが、凹みや修繕された形跡もなく、綺麗な形状を保っていて驚きました。

お譲りくださったお客様も、先祖代々受け継いだお品ものを大切に保管されていたのでしょう。

また、蓋の摘みには茎の管が緻密に施されており、その技術力と再現力の高さが素晴らしいです。

そして南京は、種の多さや蔓の伸びが子孫繁栄、家系が長く続く象徴として、世界それぞれの文化で好まれる吉祥模様です。

素晴らしいお品ものを手に取って見ることができ、大変光栄に思います。

この度は大切なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。


品名:南京形銀瓶
時代:清時代|咸豊(かんぽう)2年(1852年)
国:中国


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白髪一雄 作品展|行為にこそ 総てをかけて


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