今日の一品 尼崎のアンダガーミ

2021.09.30 Category :


尼崎市のお客様より出張査定のご依頼をいただきました。

空家になっているお家をリフォームするとのことで中にある家財品を見せていただきました!

査定できるものを探させていただいていると、階段下の収納に花器が沢山保管されているのを見つけ、ごそごそ引っ張り出していると、古めかしい壺が。。。ごろりと。

同じ場所に保管されていた花器と見比べると一際古い。さて、どこの壺だったか。

どろっとした飴色の釉薬が壺全体に荒っぽく掛けられており、細かなキズが経年の風格を漂わせています。

釉薬のムラや小石のようなもののクッツキもお構い無し。

綺麗な形の耳。分厚くしっかりと造形されており、紐を強く掛けても耐えられそうです。

孔の位置には箆で筋を加えるというちょっとした意匠も。

窯の中に沢山入れて焼かれたために横のものにくっついてしまったんでしょう。

釉薬の塊が野趣に富む表情を一層際立たせます。

海に沈めれば蛸が入ってしまいそうですね。

縄も掛けられるし、蛸壺かな?と思った方もおられるかもしれません。

この壺は沖縄の焼物でアンダガーミと呼ばれる壺です。

沖縄の言葉でアンダーは油、ガーミは甕という意味になります。

この壺に豚の油を入れて、台所に縄で吊るすそうです。

日々の生活で使われるための実用品。まさに民藝品と呼べる物ですね。

お客様曰く「これは昔っからあります。私のちっちゃい頃から。何なのかは知りません笑」との事。

作られたのは恐らく1900年代初頭のものかと思います。

どのような経緯で沖縄から尼崎まで運ばれて来たのかはわかりませんが、長い旅を経て来たようです。

スタッフに頼んで、素朴な壺に鈴バラを生けてもらいました。

この度はこのような時にも関わらずご依頼ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは古美術品などの骨董品を中心に民藝品や時代建具といったものまで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 『純銀製霰銀瓶』 竹影堂榮真造

2021.06.18 Category :

大阪府豊中市にお住まいのお客様より、堂々たるお姿の純銀製霰銀瓶をお譲りしていただきました。
深みのある銀色に黒色の藤を巻いた把手が渋い一品です。

等間隔に寸分の狂い無く並んだ霰星の迫力。

霰星を見ると兜の鋲が頭に浮かび、持っているだけで強くなった気分を味わえますが、妻が突然これで湯を沸かし始めた場合はやんごとなき事態であると推察されます。

したがって、その様な場合には速やか謝罪と無条件降伏を推奨いたします。

その様な事が起こらない様に日々真面目に精進して参りましょう。

茶事の際でも、この銀瓶さえあれば堂々と振舞えそうですね。

摘まみの形は七宝紋でしょうか。透かし、極小面の魚子地は極めて細密です。

真横から見た時の注口の角度は完璧です。

竹影堂は京都で二百年もの歴史あるお家で金銀銅を用い、茶道具から装飾金物まで制作されておられます。

現在は七代目竹影堂榮真が伝統技術を継承しておられます。

以上、簡単ではありますが竹影堂榮真の『純銀製霰銀瓶』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは銀瓶を始め、様々な銀製品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

竹影堂榮真(ちくえいどうえいしん)
竹影堂の4代目が国内外の高い評価を得、有栖川宮殿下から『竹影堂榮真』の号を賜り始まる。現在は竹影堂の七代目佳永が2009年の二月に襲名し、四世竹影堂榮真となり、制作を続けながら後継者も育てている。



Memories of Nara in 2021

2021.06.07 Category :

 
初夏の青空の嬉しい季節となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、本日は出張買取のご依頼で伺った奈良県のお客様宅からお譲りしていただいたお品ものをご紹介いたします。

「希少なものはないですが古い着物が沢山あり、捨てるのは忍びなくて…」
とお電話をいただきました。

弊社では希少な骨董品をはじめ、ちょっとした昭和の懐かしいものまで幅広く取り扱っておりますのでどんなものでも遠慮なくご相談くださいませ。

実際にお宅に伺ってみると行李10杯もの着物類がありました。

 

型染めに絞りや絣、紬などの着物や反物にハギレといったものまで大切に保管されていました。

ご依頼者様のお母さんが子供の頃に着られていたものも沢山あり、約100年もの時間が経過しています。

こうして光を当ててみると色とりどりでとても綺麗ですね。保管状態も良く、当時の姿を保っています。

行李10杯分の着物に目を通したら、次は屋根裏へ。

「ここにあるものはガラクタかもしれませんが、よければ見てください」

今にも抜け落ちそうな床材に注意しながら、ご依頼者様と共に宝物がないか探索。

長持や樽に火鉢、使わなくなった家具や食器類などが雑然と保管されていました。

優秀な将校だったというお爺さんの遺品なども見つかりました。

お譲りしていただいたものを清掃すると見違えるほど綺麗になりました!

染付の徳利や盃に瀬戸の小さな急須や萩焼の9世坂高麗左衛門の煎茶器などをお譲りいただきました。

残念ながらホツやニュウ(カケやヒビ)があるものも多かったのですが、当時使っていてカケてしまってもすぐには捨てず、物を大切にする時代だったんだなと関心してしまいます。

ですので、そういったところも欠点としてではなく景色として楽しめる方の元にお届けできたらと思います。

 

帰りには庭に沢山実っていた夏みかんを袋一杯にいただきました。

お勧めの炭酸割りで美味しくいただきました!

この度はお世話になり誠にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

以上、簡単ではありますが出張査定の実例のご紹介でした。

ORIGENでは古い着物や茶器などを探しております。

古美術品などの骨董品を中心に着物や陶芸作品まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 須田剋太作『天平美人』

2021.05.19 Category :

大阪府豊中市にお住まいのお客様より、そのお姿を見ると、ほっこりと優しい気持ちになれるお品ものをお譲りしていただきました。

しずくの中から現れたのは仏様のような慈悲深い表情で合掌されたお姿の天平美人です。

作者は画家として著名な須田剋太氏。

埼玉県出身ですが、兵庫県西宮市に移住し制作を行っていたということもあり大阪にも縁のある画家です。

ORIGENでは過去に須田剋太氏の絵画や書の取扱い実績はありますが、陶芸作品は今回が初めてとなります。

大胆で勢いよく描く独特な画風で知られますが、陶芸でもそれは変わりません。

釉薬をまるで絵具のように。

灰釉の澄んだ美しい淡青色がしずくの形と共鳴しています。

また造形は一見すると素朴で単純に見えますが、計算され尽くされており、対象を大胆に簡素化しながらもその特徴を見事に捉えています。

角をとった直線的な陶板に貼り付けられたしずくの形やへらで描いた線のバランスが見事です。

もっとも今回の題である天平美人が実際にどんな姿だったのかはわかりませんが、美しい装束に身を包み、微笑んでいるふくよかで瑞々しい姿が想像されます。

1972年に本人の手によって制作されたお品もので、陶板の裏面には成型時についた指の指紋跡がしっかりと残っています。

こういった痕跡があると作陶している当時の息吹が感じられ、想像が膨らみます。

写真には写していませんが裏にサイン・タイトル・制作年月日の墨書きがあります。

彫銘は”剋”の一字。

今回初めて須田剋太の陶芸作品を手にしましたが、対象の姿を捉える感覚とそれを形にする造形力には改めて驚きました。

本人にとってはキャンバスであろうと陶板であろうと何も変わりはしなかったのかも知れません。

以上、簡単ではありますが須田剋太の陶芸作品『天平美人』のご紹介でした。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは須田剋太の絵画・陶芸作品を探しております。

古美術品などの骨董品を中心に絵画や陶芸作品まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

喫茶美術館
http://www.waneibunkasha.com/
大阪府東大阪市小阪にある喫茶店です。
須田剋太・島岡達三の作品が常設で展示されており、店内の家具は全て松本民芸家具で揃えられています。
コーヒーを飲みながらゆっくり作品を鑑賞できます。
私も友人の薦めで一度行きました。是非。

※緊急事態宣言により6/2まで休業されております。(5/19現在)
営業日や時間など、サイトをご確認ください。

須田剋太(すだこくた)
画家。1906年(明治39年)埼玉県出身、本名勝三郎。
中学卒業後に画学校で学び、以降は独学。
1936年の初入選から新文展では特選を3度受賞、1954〜1966年の間には国際展に多く発表。
この間に東大寺に寄寓するなどし、仏像や堂塔をモチーフにする。
『正法眼蔵』(道元)や、縄文土器・土偶などにも興味を抱いていた。
1971年からは『街道をゆく』(司馬遼太郎)の挿絵を描いて講談社出版文化賞を受賞。
日本橋三越や阪急などでの個展も続け、各地の文化賞も受賞するなど、晩年も活躍した。
生前に手元の全作品を大阪府、埼玉県立美術館、飯田市美術博物館(長野県)に寄贈。
1990年84歳で死去。



五月のもの 『大楠公 三ッ鍬形 御兜』平安友真作

2021.05.01 Category :


今日から五月。上半期も残すところあと一ヶ月となりました。

昨年と同様に今年も予想のできない状況が続き、あっという間に時間が過ぎていったような感覚です。

特に小さなお子様のおられる家庭ではただでさえ、慌ただしい日常に加え

コロナウイルスの影響による急激な生活様式の変化で端午の節句の準備どころではない状態なのではないでしょうか。

今年は節句の飾り物を諦めた人は少なくないのかもしれません。

もしそういう方がこの記事を見ていただいているのならば、このBlogのTOP写真をプリントアウトして飾っていただければ幸いです。(他の写真は著作権があるので無断使用・転載を禁じております)

お品ものは鎌倉時代末から南北朝時代にかけて活躍した武将楠木正成こと大楠公(だいなんこう)の兜を模したミニチュア置物

鉄錆地二十四間小星兜と言われる様式のものです。

材質にこだわり細かい部分まで手を抜かず精巧に作られており、鋳物による大量生産の兜置物とは似て非なるものです。

真鍮や鉄などの仕上げ方はパーツごとに選ばれ、吹返やしころ部分はきっちりとした漆塗りによるもの。紐も一本一本丁寧に。

今日からはGW。出来るだけ人混みはさけ、油断せずにしっかりと感染防止に備えたいと思います。

日本史上で最も優れた戦術家として知られる楠木正成

彼が今の時代に生きていたとするならば、どの様な策を打ち出すのだろうか。

兜置物は本来は家を継ぐ男の子の為のものですが、兜には病気や怪我から身を守るという意味が込められています。

気を引き締めるという意味も込めて、今は時期に拘らずに飾っておきたいお品ものです。

以上、簡単ではありますが出張買取りさせていただいた平安友真作の『大楠公 三ッ鍬形 御兜』のご紹介でした。

この度は数ある買取店の中から弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは季節を感じる飾物や置物を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。

お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



ORIGEN purchased Dr. Land’s original products.

2021.04.30 Category :


長方形の平べったい金属製の本体に茶色の革が貼られた箱のようなもの。

写真好きならすぐにわかるお品ですが、そうでなければ簡単にはわからないかもしれません。

本体には何も書かれておらず、ヒントはありません。

一体なんだかわかりますか?

お弁当箱に見えた人もいるかもしれません。

説明から分かった方もおられるかと思いますが、実はカメラです。

それも世界中に愛好家のいる名機

本体の上のでっぱりを引き上げると…

大胆に立体化。

画期的で素晴らしいfolding設計。
ポラロイド社の誇る名機。その名もSX-70

複数のモデルがあるSX-70ですが、本機は1972年製のFirst modelでORIGINALと呼ばれる一台です。

シルバーボディにブラウンレザーがとてもカッコいいです。

デジタルカメラでは当たり前のことですが、フィルムカメラでは撮影後に現像工程があり、画像が見れるまでに数日かかるのが当たり前でした。

その常識を変えたのがポラロイド社です。

ポラロイド社の創設者ランド博士の当時3歳の愛娘が「どうして撮影した写真がその場でみえないの?」
という素朴な疑問を投げかけたのがポラロイドフィルム開発の動機だそうです。

3歳でこの疑問を抱くのも凄いですね。

僕はぎりぎりフィルムカメラ世代ですので、何の疑問も抱きませんが、デジタルネイティブ世代にとってはある意味、愛娘の言葉に同意できるのかもしれません。

人気のあるカメラなので、仕入れたら即売れるSX-70

ただ、特殊なカメラゆえの難点が……

それは、専用フィルムが無いと動作確認ができないという点。
これが難儀なんですよね…
機械式のカメラならば電池いらずで基本的な部分の動作確認ができるのですが、ポラロイドカメラの場合はバッテリー内蔵フィルムカートリッジが必要となるのです。
これが8枚撮りで4,000円ほどとなかなかお高い。

ですので、基本的に完動品かどうかは外観から判断することになります。

独特で美しい空気感を表現するカメラなのでどんな風に写るか楽しみです。

早速、取り寄せた専用フィルムでテスト撮影。

像が浮かび上がってくるまでのわくわけする時間もポラロイド写真の魅力のひとつ。

全体的に薄紫に変化してきました。

なかなか像が現れないな~

放置

真っ白……

なっなぜだ…試しに4枚を撮影しようとすると、今度はうんともすんとも言わなくなりました……

残念ながら、カメラ本体になんらかの不具合があるようです。
外観が極美品だったため、完動品と見込んで買取りさせていただいたので少し残念でしたが、半世紀も前のカメラですのでこればかりは仕方がありませんね。

余談ですが、2008年2月に一度フィルム製造中止の発表。2010年2月に熱心ファンの存続活動の甲斐あって「The Impossible Project」が立ち上がり、ポラロイドフィルムの開発・再生産が始まりました。

originalの革ケースも付属。

飾るだけでも絵になるカメラですが、折角なので専門店に修理を頼んでみようと思います。

また撮影できた際にはご紹介します。

以上、簡単ではありますが出張買取りさせていただいたポラロイド社の名機SX-70のご紹介でした。

この度は数ある買取店の中から弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENではフィルム時代のカメラやレンズといった古い写真機材を探しております。

動かないカメラやダメージがあるものでも遠慮なくご連絡ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



本日の出張買取り in 阿倍野区

2021.04.27 Category :


本日は大阪市阿倍野区のお客様より、お譲りいただきましたお品もののご紹介です。

新型コロナウイルスの影響により、長引く巣ごもり生活の中、こつこつ整理されたものを買取りさせていただきました。

頂物で一度も使ったことのないものや、数回だけ使用したものなど、木箱に入った陶器や漆器が中心です。

使う機会は少ないけれど、人から頂いたものは、なかなか無碍にできないもの。

そんな中、「使ってくださる方のもとに行けばものが喜ぶ」と思い切ってご依頼いただきました。

信楽焼
四代高橋楽斎作 信楽扇面皿
ご依頼者様は長年、プロの料理人としてご活躍されていた方。作家ものの器など、お店で使えそうなものも多数お持ちでした。

輪島塗
菊沈金吸物椀
二客欠けており、不揃いでしたが綺麗な塗椀でしたので買取りさせていただきました。

今回お譲りいただいたものの中では一番有名なもの。
有田焼
十三代酒井田柿右衛門
染錦 柿文湯呑
こちらは柿右衛門窯のもので、柿右衛門本人作ではありませんが、柿右衛門だけに柿の文は人気のある文様です。

その他にも常滑焼の茶器や京焼の花瓶などをお譲りしていただきました。

有名作家ものだけでなく、進物や贈答品といったものでもお気軽にご相談ください。

以上、簡単ではありますが出張買取りさせていただいた陶器や漆器などのご紹介でした。

この度は数ある買取店の中から弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは作家ものや時代ものだけでなく、進物や贈答品といったものも取扱いいたしております。

「処分するには忍びない」と思われましたらどんなものでも遠慮なくご連絡ください。

丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 瓢鮎図は禅問答か大喜利か。

2021.04.26 Category :

門真市にお住まいのお客様より、古い根付をお譲りしていただきました。

困り顔のふんどし姿の男がなにやら不思議なことをしています。

よく見ると男は瓢箪を両手に持って、大きな鮎の上に跨っています。※「鮎」はナマズの意

鮎はなんともとぼけた表情で我関せずといった面持ち。

さて、この男は一体、なにをしているのでしょうか。

実はこれ、室町時代に考えられた図。その名を瓢鮎図ひょうねんずと呼びます。

時は室町時代
四代将軍・足利義持が「丸くすべすべした瓢箪で、ぬるぬるした鮎を抑え捕ることができるか」という禅問答を考えたことから生まれた図です。

この問いには、当時の知恵者である高僧名僧でも頭を悩ませたそうな。
現代ならば大喜利のお題として、ひとボケかまさなければならないですね。

ところで、根付とは煙草入れや印籠といったものを腰から下げる時に帯から落ちないようにするためのもの。
江戸時代に大流行した装飾品で、非常に手のこんだものは美術品としての価値があります。
意匠も緻密な彫刻が施された超絶技巧系のものから、遊び心たっぷりの語呂合わせ言葉遊び系まで多種多様です。

今回のお品物は禅問答系。
当時、これを持っていた人はインテリ系の人だったのかもしれません。
そうやって当時これを腰に提げていた人のことを想像するのが楽しくなるもの古いものの魅力ですね。
無銘のお品ものなので作者はわかりません。
制作年代は江戸時代後期かと思われます。
超絶技巧ではありませんが、困った表情と滑稽な様を上手く形にしていると思います。

さてさて、私も明日は鮎を捕まえにでも行こうかな。

以上、簡単ではありますが『瓢鮎図根付』のご紹介でした。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは根付を始め、様々な和小物を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
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季節のもの『銀製桜御所車帯留』柳川光明作

2021.03.29 Category :

東大阪市石切町にお住まいのお客様より、雅で品格のある帯留をお譲りしていただきました。

今の季節にぴったりで大変に高貴でおめでたいお品ものです。

『銀製桜御所車帯留』

御所車の車輪と満開の桜を組み合わせた吉祥文様の帯留です。

御所車とは平安時代に身分の高い皇族や貴族だけが乗ることのできた牛車のことです。

そのことから富や高貴さを意味する日本の伝統的文様として様々なお品ものにその文様が施されます。

同じく、桜にも高貴という花言葉があります。

車輪は赤銅に金象嵌仕上げ。桜は銀で細かい部分まで丁寧に作られています。

デフォルメされた車輪は平面的ながらも今にも回りだすかのような躍動感に満ちた図案です。

対して桜は僅か8mm程の厚みでありながら非常に立体的で奥行きある仕上げとなっています。

意図的に平面と立体を組み合わせることで、より強い視覚的効果が生まれ、小さなものにも関わらず強い存在感を放っています。

また、このふたつのモチーフを合わせた作者は回り続ける車輪に永遠を。咲いてすぐに散る桜には瞬間を。
「ふたつの意味を見たのかな」と想像させる一品です。

作者である柳川光明については資料が乏しく、詳しい経歴は不明。
帯留などの和装小物に類例があることから彫金小物を得意とした彫金家のようです。
明治後期〜大正頃の作品と思われる。

以上、簡単ではありますが『銀製桜御所車図帯留』のご紹介でした。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは帯留を始め、様々な和小物を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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よろしくお願いいたします。



今日の一品『武比古作 宝船置物』

2021.03.22 Category :


大阪市北区の会社経営者様よりご依頼をいただき、関武比古作の『銀製 宝船置物』を買取りさせていただきました。
縁起物として顧客の方から頂いたものだそうで、応接室に飾っておられましたが会社をたたまれることになり、「どなたか次の方の元に」とお譲りしていただきました。

銀の打出しで細かい部分まで丁寧に造られたお品物です。
船首の鳳凰はなかなか凛々しいお姿。

船体には米俵・打出の小鎚・珊瑚・小判・分銅・隠笠・隠蓑・軍配・鍵などの財宝が山のように積まれております。
軍配には天下泰平の文字。
泰平であります様に。本当に願います。

さまざまな貴金属美術工芸品を制作しておられる関工芸株式会社のお品もので本作は初代関武比古作となります。
宝船以外では銀製のヨットや扇子置物の他、金製の動物置物やレリーフ作品なども有名です。

長い間、ご商売を続けてこられた方の元にあった宝船。
良い方にご縁があります様に。

以上、簡単ではありますが初代武比古作の『銀製宝船』 のご紹介でした。
この度は大切なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは銀製置物を始め、様々な金・銀製品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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屋根裏の格言『SMALL GAINS BRING RICHES IN.』

2021.03.16 Category :


大阪市住吉区のお客様から骨董品買取りのご依頼をいただきました。

住吉区といえば和歌山と大阪を繋ぐ熊野街道の通る歴史ある町であり、住吉神社の総本社である住吉大社があることで有名です。

戦禍を免れた地域が多くあり、大阪市内にも関わらず、大通りから住宅地に入ると古くは江戸時代から明治・大正・昭和初期の建物も僅かながら未だ残されている地域です。

弊社のある天王寺区から近い距離ということもあり、ご依頼いただく機会の多い地域です。

今回はそんな住吉区にある空家の建替えに伴い家財品を処分するということで、ご依頼をくださいました。
写真の古い陶器やガラスの食器類は物置きとして利用されていた屋根裏に放置されていたもので、買取りさせていただいた当時のままの姿です。

使わなくなってから随分と長い間眠っていたようです。
包紙の新聞紙の日付は昭和28年。つまり68年間ずっと眠っていたことになります。
埃がかなり積もっています。
お世辞にも綺麗とは言えませんが、綺麗に清掃するのは大好きなので興奮します。
保管状況やお品ものの状態に自信が持てないお客様もおられるかもしれませんが、汚れていても遠慮なくお気軽にご相談ください。

見違えるほどに綺麗になりました!
細かい部分はブラシで丁寧に洗い落とし、染み付いた汚れは洗剤と漂白剤で落とせばガラス本来の綺麗な姿に。
大正時代のお品もので三つ入れ子で販売されたもの。全てカケ・ヒビが無い完品でした。

名称:プレスハート文三つ入れ子鉢
製造方法:プレスガラス
製造時期:大正期
メーカー:伊藤徳硝子製造所

お次は何やら英語が書かれているガラス皿。

SMALL GAINS BRING RICHES IN.
和訳すると…塵も積もれば山となる。
掃除前の姿を考えるとある意味、説得力のある格言ですね…
見込みのSの字はメーカーの頭文字でもありますが、ドルのマークをイメージしたデザインになっており、格言に合わせてお金を意味しています。

名称:輪線に格言入り青色皿
製造方法:プレスガラス
製造時期:明治末~大正初期
メーカー: 製硝合資会社
SEISHOSHA(明治二十二年創業)

以上、簡単ではありますが明治から大正期のガラス皿と鉢のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは古いガラス製品を始め、様々な時代物を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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よろしくお願いいたします。



今日の一品『平戸焼 染付郡鶴文 沈香壺』

2021.02.09 Category :


今日の一品は江戸末期頃の『平戸焼 染付郡鶴文 沈香壺』をご紹介いたします。

こちらは大阪市阿倍野区のお客様よりお譲りしていただきました。

白磁の壺に藍で空に羽ばたく九羽の鶴の姿が丁寧に描かれております。

一羽一羽異なった姿で羽ばたく鶴は職人による手描き。壺の局面にバランス良く配置し、フリーハンドで描くには卓越した技能が必要です。

残念ながら欠損していますが、この壺は沈香壺と呼ばれるもので本来は蓋があります。

中に香木を入れ、客人がきた際に蓋を開け、香りでおもてなしするために用いられた壺です。

ちょうど花を咲かせた紅梅と取り合わせてみました。

江戸時代のものと聞いて驚かれるかもしれませんが、「祖母が持っていた花器類を」と、査定をいただいた際に既製品の中に光る一点として見つけました。

親から子へと引き継がれたものが時を経て、昭和の既製品の花器に紛れて姿を見せるのが面白い。蓋が無くなって花器として用いていたのでしょう。良いものは長い時間を経ても残ってくれます。

紅梅は昨年に別のお客様よりいただいたもの。空家になり、しばらく世話ができなかった為にかなり弱っていた鉢植えをいただきました。

植木の手入れが分からず夏場にはさらに悪化させてしまいましたが、逞ましいもので厳しい暑さと寒さに耐え、綺麗な花を咲かせてくれました。

白・藍・紅が清らかな気持ちにさせてくれます。

以上、簡単ではありますが『平戸焼 染付郡鶴文 沈香壺』 のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
処分するのには忍びないと思われましたら内容・数量を問わずお気軽にご相談ください。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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平戸焼/三川内焼

長崎県佐世保市三川内 (みかわち。三河内) で産する磁器。三河内 (みこうち) 焼ともいう。安土桃山時代,平戸藩主松浦 (まつら) 鎮信が朝鮮人陶工を連れ帰って,平戸市山中町に御用窯を開いたが,元和8 (1622) 年2代松浦隆信のとき三川内に移され現代まで続いている。作品は茶器,酒器,花器が多く,精巧な白磁,青磁を産する。唐子絵を染付けたものは特に有名。

https://kotobank.jp/word/平戸焼-121589
(コトバンクより)



今日の一品 『七草香炉』 青鳳作

2021.01.29 Category :

今日の一品は青鳳作の『七草香炉』をご紹介いたします。

こちらは大阪府枚方市のお客様よりお譲りしていただきました。

草花と共に蝶やキリギリスといった小さな昆虫も細かく彫金されており、とても優雅な一品です。

秋の七草かと思いましたが、花の種類が判然としないものもあるので季節を問わずお楽しみいただける一品かと思います。

香炉は「観ること・香ること」と日常的に楽しめるのでいいですね。

私も季節や気分で取り替えて楽しんでいます。

網代編の竹籠形もいいですね。

材質は銀900。 1000が純銀ですので10%別の金属が加えられております。

銀は少し前に比べ、倍以上の価格となっており価値が高まっています。

状態も良好で共箱のお品で高評価となりました。

以上、簡単ではありますが青鳳の『七草香炉』 のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは銀製香炉を始め、様々な銀製品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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青鳳(せいほう)
本名は内島市平、富山県高岡市生まれ。彫金家。1928年、高岡工芸学校にて教諭として勤務。国会議事堂銅扉装飾金具仕上げに従事したり、ベルギー万国博覧会にて名誉大賞を受賞するなどしている。



陶磁器・美術品・建築関連の古書をお譲りしていただきました!

2021.01.28 Category :


骨董品収集が趣味だった方のご家族様より、陶磁器や美術品関連の古書をお譲りしていただきました。

半分は日本の陶磁器や美術品の本ですが、残りの半分は中国・韓国の建築物の専門書。こちらはお目にかかる機会が少ない本で資料的価値があります。

淡交社の日本のやきものシリーズや小学館の名宝シリーズはあまりお値段のつけられない古書になるのですが、今回は会社の閲覧資料に加えたかったので買取りさせていただきました。
ですので、毎回買取りするのは難しい可能性があります。

最近はネット検索で済ませることが多くなりましたが、いい加減な情報も多く、調べるのに時間はかかりますが、やはり本の方が信頼できます。

また今回の本は土門拳といった著名な写真家が撮影したカラー図版が多いのも魅力的です。

資料的価値があるかも?と思われましたら是非、お気軽ご相談ください。

ORIGENでは骨董品など古美術を中心に様々な古いお品ものを査定・買取りしております。
陶磁器・工芸などの骨董品・美術関連をはじめ、建築・写真関連の古書もご相談ください。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。



今日の一品 『手捏ね 煎茶急須と煎茶碗』 大田垣蓮月作

2020.09.25 Category :

大阪市中央区のお客様よりお譲りしていただきました。

ご親戚の方の趣味が骨董品蒐集だったそうです。今回、建物の処分に伴う整理時にご相談くださいました。

色々と細かく拝見させていただいている中、水屋の中の木箱に目が止まりました。

箱を開けてみると…

凡そ片手にすっぽりと収まる小さな丸い急須。

細かい貫入のある土肌が柔らかな、風情ある一品です。

轆轤などの道具を使わず手捏ね(てずくね)という方法で成形されています。

胴には何やら文字が刻まれています。

蓮の花の形をした蓋のつまみは繊細に作られています。

揃いの茶碗五客は貫入から柔らかな陶土へとお茶が染み込むことによって作り出された絶妙な色味となっています。使い込み具合によってそれぞれ一点もの。

作者は江戸時代後期の尼僧であり、著名な歌人である大田垣蓮月。

歌人としての評価もさることながら陶芸品も数多く制作しております。

陶芸品は蓮月焼と呼ばれており、手捏ねのやきものに和歌を釘彫するのが代表的な作風です。

その人気故に偽物も多いお品ものとなります。が、偽物を公認していたとされる逸話もあります。

蓮月に関して改めて調べると面白い記述が沢山あり、作品はもちろんのこと、その生涯を含め実に見所の多い人物。また別のお品ものを入手する機会がありましたらご紹介します。

明けたてばはにもてすさび暮れゆけば仏をろがみ思ふ事なし

通釈:夜が明けてきたら、粘土をもてあそび、暮れてきたら、仏を礼拝して、ほかに思うことはない。

以上、簡単ではありますが大田垣蓮月の『手捏ね 煎茶急須と煎茶碗』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは急須や茶碗を始め、様々な煎茶道具を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)
1791年、京都の三本木に生まれる。俗名はのぶ。生後すぐに大田垣光古の養女となる。1823年に知恩院で剃髪、蓮月を名乗る。その後、詠んだ和歌を記した陶器を制作。それが「蓮月焼」としてかなりの人気を得る。しかし蓮月は飢饉の際に喜捨をするなどし、自身は質素な生活を好んだ。生涯で2度の結婚と4人の子どもをもうけるも、全て早くに死別してしまう。1857年12月10日に85歳で逝去。
和歌では貞心尼ていしんに(越後)、千代女ちよじょ(加賀)に並ぶ三大女流歌人の一人である。



今日の一品 『長閑形銀張釣 鐵瓶』 平安三徳堂造

2020.09.16 Category :

大阪府箕面市にお住まいのお客様より、ご自宅の建て替え工事に伴うお道具類の整理の際に出張査定のご依頼をいただきました。

長年受け継がれてこられた様々なお道具類があり、一点一点細かく査定させていただきました。

今回ご紹介する一品は未使用で保管されていた平安三徳堂の鉄瓶です。

長閑形と呼ばれる最も正統な姿をしており、鉄地は白肌に仕上げられております。また、釣(掴手)部分は銀張が施されており、格調高い鉄瓶となっております。

重厚感のある紫斑銅に梅型の銀摘みもとても上品です。

鉄瓶には象嵌や文様の凝った別誂のものから普段使いのものまで色々とありますが、今回ご紹介した鉄瓶のような正統派のものは飽きが来ず、長く愛用できる気がいたします。

直ぐに使い始められ、一から育てられる未使用品でしたので高評価につながりました。

使用品ですと錆びているもの、蓋や箱の無いものも多いですが、そういった状態であっても是非ご相談ください。

以上、簡単ではありますが平安三徳堂の『長閑形銀張釣 鐵瓶』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは鉄瓶を始め、様々な金属工芸品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 『漢瓦楽一字純銀火舎 耳付香炉』三浦竹泉・秦蔵六造

2020.09.14 Category :

大阪市平野区より、お祖母様が遺されたお品ものの出張査定のご依頼いただきました。

お茶道を嗜んでおられたそうで、お茶道具を中心にご遺品を細かく査定させていただきました。

中でも高く評価させていただいたものが、『漢瓦楽一字純銀火舎 耳付香炉』です。

京焼の名跡である三浦竹泉と鋳金家として名高い秦蔵六による合作。

両家ともに江戸期より技を継承し続ける名跡です。

やきもの、金工とそれぞれのルーツと言えば、中国。この作品からは両氏の中国陶磁器、青銅器への憧憬を感じます。

青磁釉と陰刻技法が明時代の龍泉窯の青磁香炉のごとく、火屋部分は漢時代の瓦当を模した形式となっており、両氏に共通する思想と見事な技によってしか結実しえない逸品かと思います。

以上、簡単ではありますが三代三浦竹泉と四代秦蔵六による合作『漢瓦楽一字純銀火舎 耳付香炉』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは香炉を始め、様々な香にまつわるお道具を探しております。

古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。よろしくお願いいたします。

三浦竹泉(みうらちくせん)
京焼(清水焼)の窯元・名跡。
三代竹泉:1900年生まれ。初代竹泉の末子。兄二代竹泉が早世し、兄の子息も幼少だったため1921年に襲名。1931年に四代に家督を譲るも「竹軒」と号し製作を続ける。当代は5代。

秦蔵六(はたぞうろく)
江戸期から続く鋳金家の名跡。
四代秦蔵六:1898年生まれ。江戸末期からの「蔵六」の名と鋳金技法を継承した。二世蔵六に師事。技術保存資格者。京都金属工芸協会長をつとめる。1984年12月1日、87歳没。

漢瓦(かんが)
漢時代の瓦。先端部分(当)に様々な文字や図といった装飾が施されている。



ORIGENの所蔵品が博物館に収蔵されました。

2020.09.09 Category :

大正七年。今から約百年前にスペインかぜと呼ばれるパンデミックが起こったそうです。このパンデミックが契機となり一般化したと言われる衛生マスク。その時代からやや時代が下る昭和初期のマスクを、出張買取にお伺いしたお家の古い家具の引出しの中から見つけ、今年の3月にブログで紹介させていただきました。

実はこのマスクが北海道にある浦幌うらほろ町立博物館に収蔵されることとなりました。『コロナな時代のマスク美術館』という企画展を開催するにあたり、古いマスクに関する資料を探していた同博物館の学芸員の方がブログに目を止めてくださり、連絡をいただきました。興味深いものを見つけたと思いブログでご紹介したものの、まさか博物館に収蔵されるとは思いませんでした。

昭和初期という物の無い時代だったためか、古い家具の引出しに大切に仕舞われておりました。70年以上前のものとは思えないほど綺麗です。布マスクのため繰り返し利用できるので使い捨てではありませんが、紙箱と包紙が完全な状態で残されているものはそれほど多く無いのかもしれません。当時の個性的なパッケージが目を惹きます。もしかすると、デザインが気に入って捨てずに残して置いたのかもしれません。

内山武商店が1923年(大正12年)発売した『壽マスク』(商標登録品第1号)の後継品と思われる福壽ふくことぶきマスク。国産初期マスクのひとつとして展示されています。

弊社に保管しているよりも、歴史資料として保管・展示されるのが一番です。

8月1日から9月27日まで開催されている『コロナな時代のマスク美術館』に全国から集められたマスクとともに展示されています。

新型コロナウイルス感染症は未だ終息の見通しが立たず、コロナ以前の生活が思い出せないほど社会に変化を与えました。もはやこれまでの生活を取り戻すことは不可能とさえ感じます。

一刻も早い安全なワクチンや治療薬の登場が待たれますが、今できる感染対策はマスクをはじめ、基本的な衛生管理しかないのかもしれません。私自身は感染症対策の科学的知見はありませんが、マスクは飛沫は抑えられると信じています。

ORIGENでは出張査定時におけるマスクの着用と手指のアルコール消毒を引き続き徹底して続けて参ります。よろしくお願いいたします。

・浦幌町立博物館URL:https://www.urahoro.jp/chosya_shisetsu/kokyoriyo/museum/

・NHK札幌放送局手作りマスクが語り継ぐURL:https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n4a18e0ad1191

・前回のブログはこちら

記事内の3枚目と4枚目の写真は、浦幌町立博物館の方が撮影してくださいました。マスクは今後適切に保管されるとのことで嬉しく思っております。この度はお声がけくださり誠にありがとうございました。末筆にはなりますが、心より御礼申し上げます。



今日の一品 心斎橋 羽田製『石肌砲口宝珠銀瓶』

2020.08.31 Category :

本日は大阪市東住吉区のお客様より、出張買取りにてお譲りしていただいたお品ものをご紹介いたします。
玉葱の様なぽってりとした形におちょぼ口のような注口のついた愛嬌のある純銀製の銀瓶です。
生前、お爺さまがよく使われていたものだそうで渋みの出た風情ある趣きです。

丸みのある形からぴゅっと飛び出したシャープで絶妙な角度の注口は湯切れがとても良さそうです。

アケビの蔓を用いた掴手は使い込むほどに手に馴染み、美しい飴色への経年変化も楽しみのひとつ。傷みやすい自然素材に補強も兼ねた細い銀針金がアクセントになっています。

かつて、大阪の心斎橋にあった羽田貴金属店が製造販売した銀瓶で品質も良く評価の高いお品ものです。本品は蓋裏にある羽田製・純銀の刻印の他に設立記念と受け取られた方の名前も刻印されております。固有名詞などの刻印は無い方が望ましく、やや評価が下がってしまいますが、刻印があっても問題はありません。

愛嬌のある形ながら、経年変化によるいぶし銀への変色が風格を与えています。自然素材のアケビの掴手は銀の重みのある印象を和らげるだけでなく、熱を伝えにくく、手に馴染み普段使いにも適した素材です。手にすっぽりと収まる大きさも魅力的で毎日愛用したくなる一品です。

以上、簡単ではありますが心斎橋羽田製の銀瓶のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただき誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

ORIGENでは銀瓶を始め、様々な銀製品を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォームよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。



今日の一品 香器『待春』帖佐美行作

2020.07.31 Category :

大阪市西淀川区のお客様よりお譲りしていただきました。

独特な形の香炉。

銅に銀鍍金を施し、鏨で可愛らしい蝶と水玉文を彫刻しています。

作者は文化勲章受賞者であり文化功労者の彫金家帖佐美行氏です。

作品名は『待春』

白檀のやさしい香りが漂ってきそうな爽やかな香炉です。制作年代は1980年代頃と思われます。

香炉は実用的で人気のあるお品ものです。

こちらの香炉は見た目も可愛らしいのでお香が苦手な方は飾って楽しむのも良いかもしれません。

最近、お香に少し凝っているので、しばし楽しんでから次の方にお譲りしたいと思います。

以上、簡単ではありますが帖佐美行の香器『待春』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。
丁寧な査定をお約束。古いものの売却はORIGENにお任せください。
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よろしくお願いいたします。

帖佐美行(ちょうさよしゆき)
1915年鹿児島県出身。1930〜38年まで彫金家小林照雲に、1940年からは彫金家海野清に師事。

1966年日本芸術院賞受賞。[1]

1969年日展理事に就任。

1974年日本芸術院会員になる。

1975年日展常務理事に就任。

1987年文化功労者、1993年文化勲章受章。