こんにちは。スタッフNです。
今回はデンマークを代表する家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーのロッキングチェア『J16』についてご紹介させていただきます。
美しい曲線のアームとソリ脚、全身を包み込むような広々としたデザインが特徴的な一脚。
ナチュラルな佇まいでありながらも、確かな存在感を放ち空間全体を洗練された雰囲気で満たしてくれます。
ハンス・J・ウェグナーと聞くと『Yチェア』や『ザ・チェア』などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
彼が手がけた椅子は500種類以上にも及びますが、その中でも『J16』は当時妊娠中であった妻・インガ夫人のために特別な想いを込めて制作されました。
大きく開いたアームと広い座面は、赤ちゃんを抱き抱えたままでも座りやすく、腰掛ければ揺かごとしても使えるように設計されました。
また、座面には通気性と耐久性に優れたペーパーコードを使用し、長く使い続けることで身体に馴染み快適な座り心地へと変化します。
『J16』は、1944年にFDB(デンマーク生活協同組合)から発表され、その後、デンマークの家具メーカーであるKvist Mobler社(現在はFREDERICIA社と合併)によって製造されました。
一説には、ウェグナーの親友でありFDBのプロダクトデザインマネージャーを務めたボーエ・モーエンセンとの共作であったとも言われています。
プレートに刻まれた『GOLDEN JUBILEE 1994』の文字が示すように、本作は1944年の発表から50年の節目に制作された特別な一脚です。
肘置きや座面の深みを帯びた質感から、この椅子と共に長い年月を重ね大切な時間を過ごされてきたことと思います。
この度は大切なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。
品名:J16 Wegner Rocking Chair
作家:Hans J. Wegner|ハンス・J・ウェグナー(1914-2007)
メーカー:Kvist Mobler社
産地:デンマーク
年代:1994年
前回のブログ↓
大阪府河南町にて九谷永楽の煎茶碗を買取させていただきました!