スタッフ日録:島岡達三|象嵌赤繪 草花文組皿#28

2024.12.27 Category :

島岡達三買取大阪
奈良県香芝市にお住まいのお客様より、人間国宝・島岡達三の小皿をお譲りいただきました。

素朴な絵付けと独特の模様が印象的で、落ち着いた色合いが魅力的な一品。

使いやすいサイズ感と日常に馴染むデザインが、普段使いだけでなく来客時にも活躍しそうです。
島岡達三買取大阪
小皿に浮かび上がった模様から、ボコボコとした手触りを想像しましたが、触れてみると滑らかな質感で驚きました。

独特な模様は「縄文象嵌」と呼ばれる技法で、島岡達三が発案した独自の技法によるものです。

制作方法は、半乾きの生地に組紐などを用いて縄目を施し、その上から色の異なる化粧土を掛けて乾燥させます。

乾燥した表面を薄く削ることで、縄目によって凹んだ部分に化粧土が残り独特な模様が浮かび上がるのです。
島岡達三買取大阪
素朴な見た目ながらも、手間のかかる工程を経て仕上げられた作品からは、手仕事ならではの温かみや作り手の息遣いを感じることができます。

また、高台の裏には「タ」の一文字が刻印されており、シンプルで控えめなサインから作家本人の人柄が垣間見えるようです。

この度は、大切なお品ものをお譲りいただき、誠にありがとうございました。


早いもので、今年最後のスタッフ日録となりました。

これからも面白いと感じたお品ものや、珍しいお品ものを皆様にご紹介できればと思っております。

来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。


島岡達三(しまおかたつぞう)
1919年 東京市芝区愛宕町(現:東京都港区愛宕)に生まれる
1939年 東京工業大学窯業学科に入学、陶磁器を専攻
1946年 浜田庄司に師事
1954年 益子に住居と窯を築き独立
1962年 日本民藝館新作展で日本民藝館賞を受賞
1978年 国画会工芸部会会員
1980年 栃木県文化功労賞を受賞
1994年 日本陶磁協会賞金賞を受賞
1996年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定
2007年 12月11日、急性腎不全により逝去。享年88歳。


品名:象嵌赤繪 草花文組皿
作家:島岡達三
時代:昭和-平成


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