こんにちは。
スタッフSです。
まだまだ残暑が続きそうですが、少しずつ過ごしやすい気候に近づいていますね。
先日、愛知県豊田市にある豊田市民芸館に行ってきました!
民藝運動の創始者・柳宗悦を中心に設計された日本民藝館本館の改築に伴い、蔵品の一部を譲り受けて昭和58年(1983)に建設された建物だそうです。
初めて訪れましたが、東京にある本家本元の日本民藝館にも勝るとも劣らぬ立派な建物でした。
目的は現在開催中の特別展「或る賞鑑家の眼 -大久保裕司の蒐集品-」を見るためです。
恥ずかしながら、大久保裕司氏のことは存じ上げなかったのですが、展覧会のチラシを見て「これは必ず、見ておかねば!」と心躍りました。
青山二郎や秦秀雄、白洲正子といった一流の数寄者と実際に相見えた数少ない賞鑑家のひとりだそうです。
李朝に唐津、初期伊万里に古信楽などの古陶磁から金銅仏に石仏、印仏。。。古民藝品にガラスコップ、良寛のお軸、勾玉。。。
特定のジャンルや年代、価格的価値に縛られる事のない、膨大な蒐集品は圧巻。
飛鳥時代から昭和初期まで。。。そのあまりにも長い時間の隔たりの中で、人々が生み出した品々を眺めていると畏敬の念にも似た感情を抱きました。
そのほとんどの物は無名の人々によって生み出された物です。
今では手に入らないものや、市場で出会うこともないであろう無数の品に少々気後れしてしまい、、放心状態で民藝館をあとにしました。
帰路についてから「もう少し、時間をかけて見ればよかったなぁ」と、ちょっと後悔しました。
これだけの品々を蒐集するのには相当な苦心があったことかと思います。
大久保裕司氏の具眼により、選びぬかれた逸品を是非、見に行かれてみてはいかがでしょうか?
【花一輪】
『花ひとつない空間は何か寂しく、どこか虚しいものである。たとえ、古びて、少々時代からとり残されたような小体な佇まいであっても、よく掃除され、手入れのいきとどいた質素な部屋の古棚あたりに、草一本、花一輪が、これみよがしでなく、さらりと、なげ入れられていたりするのを目にすると、なんだか心があらわれるようで、何にもまして、訪問先の歓迎の意も心地よく伝ってきて、嬉しいものである。』
著書・賞玩唯心より
特別展「或る賞鑑家の眼 -大久保裕司の蒐集品-」
会期 令和6年7月13日(土曜日)〜9月23日(月曜日)
公式サイト
豊田市民芸館
前回のブログ↓
大阪府堺市で四世・秦蔵六造の茶托を買取させていただきました!