今日の一品 献上の壺

2022.08.19 Category :


大阪市天王寺区のお客様よりお譲りいただきました。

「家にある古い物を処分するので…一度見にきてもらえますか…ガラクタしか無いかもしれませんが…」
とご依頼いただきお伺いさせていただきました。

昭和の記念品や贈答品でいっぱいの押入れの中を見させていただくと…奥の方にひときわ古いダンボール箱が埋れています。

引っ張り出して中を見てみると小さな壺が目に映りました。

ガラクタ(≒宝)に紛れてなんとも可愛らしい茶壺があるではありませんか。

鉄釉と白釉が掛け分けられ、肩には灰釉が少しだけ流し掛けられています。
そして三つの耳がついたお決まりの様式と言えば…

江戸時代に信楽で焼成された腰白壺です。
徳川家や諸大名など当時の有力者への献上茶を詰めるために御用御茶壺として用いられた一品。

それまでは焼締陶器であった信楽焼が施釉陶器となった最初期に焼成されたのが腰白壺だそうです。

どういった経緯で押入れに収まったのかはわかりませんが「多分、おじいちゃんの物?だと思います」との事でした。

ゴロゴロとあちこちを転がって辿り着いた押入れの中で随分と長い間眠っていた様です。

汚れたガラクタがひょっとするとお宝に化けるかもしれません。

以上、簡単ではありますが信楽焼の腰白壺のご紹介でした。

腰白壺
信楽焼
高150mm×口径59mm×胴径115mm×底径68mm
江戸時代後葉
大阪市天王寺区出押入れ収納出
Tea-leaf jar with iron and white glaze, KOSHIJIRO type Shigaraki Ware
Late Edo period
Found in a closet, Tennoji Ward, Osaka City

※KOSHIJIRO type = jars with white(JIRO) glaze on the lower part(KOSHI).
※It lost a wooden lid.

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