今日の一品『手捏ね 煎茶急須と煎茶碗』 大田垣蓮月作

2020.09.25 Category :

大阪市中央区のお客様よりお譲りしていただきました。

ご親戚の方の趣味が骨董品蒐集だったそうです。今回、建物の処分に伴う整理時にご相談くださいました。

色々と細かく拝見させていただいている中、水屋の中の木箱に目が止まりました。

箱を開けてみると…

骨董品出張買取 手捏ね 煎茶急須 大田垣蓮月作

凡そ片手にすっぽりと収まる小さな丸い急須。

細かい貫入のある土肌が柔らかな、風情ある一品です。

轆轤などの道具を使わず手捏ね(てずくね)という方法で成形されています。

胴には何やら文字が刻まれています。

蓮の花の形をした蓋のつまみは繊細に作られています。

骨董品出張買取 手捏ね 煎茶碗 大田垣蓮月作

揃いの茶碗五客は貫入から柔らかな陶土へとお茶が染み込むことによって作り出された絶妙な色味となっています。使い込み具合によってそれぞれ一点もの。

作者は江戸時代後期の尼僧であり、著名な歌人である大田垣蓮月。

歌人としての評価もさることながら陶芸品も数多く制作しております。

陶芸品は蓮月焼と呼ばれており、手捏ねのやきものに和歌を釘彫するのが代表的な作風です。

その人気故に偽物も多いお品ものとなります。が、偽物を公認していたとされる逸話もあります。

蓮月に関して改めて調べると面白い記述が沢山あり、作品はもちろんのこと、その生涯を含め実に見所の多い人物。また別のお品ものを入手する機会がありましたらご紹介します。

明けたてばはにもてすさび暮れゆけば仏をろがみ思ふ事なし

通釈:夜が明けてきたら、粘土をもてあそび、暮れてきたら、仏を礼拝して、ほかに思うことはない。

以上、簡単ではありますが大田垣蓮月の『手捏ね 煎茶急須と煎茶碗』のご紹介でした。
この度は貴重なお品ものをお譲りいただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)
1791年、京都の三本木に生まれる。俗名はのぶ。生後すぐに大田垣光古の養女となる。1823年に知恩院で剃髪、蓮月を名乗る。その後、詠んだ和歌を記した陶器を制作。それが「蓮月焼」としてかなりの人気を得る。しかし蓮月は飢饉の際に喜捨をするなどし、自身は質素な生活を好んだ。生涯で2度の結婚と4人の子どもをもうけるも、全て早くに死別してしまう。1857年12月10日に85歳で逝去。
和歌では貞心尼ていしんに(越後)、千代女ちよじょ(加賀)に並ぶ三大女流歌人の一人である。

ORIGENでは急須や茶碗を始め、様々な煎茶道具を探しております。
古美術品などの骨董品を中心に時代家具や建具まで幅広く取り扱っております。


丁寧な査定と明朗会計をお約束。骨董品・美術品・時代物の売却は高価買取の当店にお任せください。

ORIGENでは骨董品を中心に美術品から時代物まで幅広いお品ものを取り扱いしております。
どんなお品ものでも拝見いたします。

お品ものの買取や売却に関してのご相談はお電話またはメールフォーム・LINEよりご相談ください。
よろしくお願いいたします。

買取のご依頼・商品のお問い合わせは06-7509-5761までお気軽にお電話ください。
お手軽なLINEでのお問い合わせはこちらから簡単にトーク画面にアクセスできます。
メールフォームからのお問い合わせはこちらからお気軽にご相談ください。


出張買取エリア:大阪・奈良・兵庫・京都・滋賀・和歌山を中心に全国に対応いたします。

弊社では近畿・中部・中国地方をはじめ、ご相談に応じて全国に出張いたします。

大阪・奈良・兵庫・京都・滋賀・和歌山は最短で当日にお伺いが可能です。

お所に関わらず、お気軽にご相談ください。


投稿をシェアする